パララン山脈の向こう

思い出せないくらい昔 私はパララン山脈の向こうに生えていた草だったんだ

第四幕 2. 夢見る頃は過ぎたはずなのに

2017-04-25 16:17:34 | パラ山
四匹の鬼のことか?三匹は森に捕まえにいくんだよ。鬼っていっても 角や尖った歯なんてどこにもない なにしろ生きているか死んでいるかわからないちっちゃな石みたいなもんさ。青鬼 緑鬼 赤鬼 を捕まえるには 満月の夜にある歌を歌いながら森を歩き回らなくちゃいけない それも亀の甲羅皿を頭にのせてな。

青鬼なんていやしない
月の光は青い波
波に乗ってやって来い
甲羅皿にやって来い

緑鬼ならどこにいる
木々の光は緑の波
波に乗ってやって来い
甲羅皿にやって来い

赤鬼なんているものか
大地の涙は赤い波
波に乗ってやって来い
甲羅皿にやって来い




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第四幕 1. 4匹の鬼が言うことにゃホイのホイ

2017-03-07 22:53:26 | パラ山
事も無げに ウィローの心の古池に 小石を投げたのは さっきまで 魑魅魍魎煮込みを食べていた 旅人族の女だ。(今になって考えてみると それは小石じゃなくて いつかの蛙が勝手に飛び込んだように思えるのだが)

『旅の中の旅で 真実を見つけようと思うなら 言葉を持つな 小石のように 蛙のように 古池に 波紋を描け その輪が言葉の代わりになるだろう 』

そう言えば まだ彼女に 魑魅魍魎煮込みの味を聞いていない。

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第三幕 6. おいしくて まずくて たまらない

2017-02-23 10:18:40 | パラ山
『出鱈目亭』はウィローの勝手な思い込みで 実は『デ・タ・ラメーテ』が本当らしい。別に嘘でもかまわないけれど 「本当」なんて言われてしまうと ああ なんだそうだったのか なんて本当に困ったふりをしたくなるのが人情と言うものだ(いや ふりなんか したくならないし 人参とでも言っておけ)。その なんとかラメーテの料理 おいしくない。が、まずくもない。客はほとんど旅人だか みんな うたくもまずくもない顔で静かに食べている。だからと言って なんとかラメーテを見くびっちゃいけない。例えば クラゲの骨のスープ を飲んだ日にゃ 身体中のコリがとれてとても良い気分になるのだが しばらくはクニャクニャグニャグニャ して前にも後ろにも動けなくなる。旅の目的地を探している旅人もたまにはクニャクニャグニャグニャしたいのさきっと。

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第三幕 5. 全部の思い出の重さは 誰も同じ

2017-02-19 14:10:08 | パラ山
出鱈目亭の店主が壺を持って踊っていた時 おかみさんは深い眠りの中を 気持ち良さそうに泳いでいたのさ。そうなんだ おかみさんは 夢泳ぎ の名人なんだ。ずいぶん前に 珍しく起きていたおかみさんが突然 俺に言うんだ。おまえの身体の中には深い海があるんだよ。闇だ。だから息を吐く時は ちょっとでもいいから闇を吐かなくちゃいけない。吸う時には空の光を吸うんだ。みんな知らず知らずのうちにそうしてるんだけどさ。と言ってまた寝てしまった。それを聞いていた 見つめ族の男が なに寝ぼけたことを。じゃ俺は逆に息をしてやるぜ。なんて俺を見つめて笑っていたよ。結局その男は闇の糸に絡まって 今は光の届かないところにいるって話だよ。バラクワバラクワビックリプー。
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第三幕 4. 沁みる場所は自分のここじゃないよね

2017-02-18 15:53:36 | パラ山
自分がいる場所は ここで良いのだろうか。出鱈目亭名物クラゲの骨のスープをすすりながら ぶつぶつ言ってるのは もしかして旅人族のネグーラじゃないか。旅人族は一様に長身で手がでかい。デカテ族なんて呼ぶ連中もいる。

やあ ネグーラ 久しぶりだな なにぶつぶつ言ってんだよ。

おまえ ウィローだっけ おまえこそ こんなところで なにしてんだ。

なにしてるって 腹が減ったら唄は上手く歌えないって言うじゃないか だから 全部入りスープを飲みにきたわけさ。

そうか 全部入りスープか。

ほんと 沁みるよ。

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