Point of view

読書とかドラマとか日記とか

インディゴの夜(加藤実秋)

2010年01月25日 | 読書日記

ドラマが気楽に楽しめるので、原作を読んでみた。
原作とドラマは違うものとして、非常に面白いミステリだった。


前立腺やら更年期やらの実益書のゴーストライター兼ホストクラブ「club indigo」のオーナーである高原晶さん。
「好きなもの買って、好きなところに住んだら、どれも安物」
という、儲けていても、学生時代からのアパートに住み、ユニクロと無印を愛する一貫してブレない人だ。
この悩みのなさがお昼の主婦向けドラマの主人公には合わなかったのか、ドラマでは、いろんな設定が付随している。


表紙のイラストも素敵。


ところで、日焼けした肌に、いかにも王道ホストファッションの憂夜さん、という設定だが、不思議すぎて想像できない。
(外見、ファッションに対する記述が詳しい小説なので、ドラマとの違いは明確)
ところでいまどきのホストってどんな格好しているのかわからず、ホストの画像をgoogleしたら、桜蘭高校ホスト部が3割りくらい混じっていた。
ところどころ、ホストクラブの写真が混じっていたようだが、最近のはやりは美白なのか。


大はずれ殺人事件(クレイグ・ライス)

2010年01月25日 | 読書日記

ドタバタ・コメディ・ミステリ。
スイートホーム殺人事件も、ちょっと苦労して読んだのだが、一見して楽しいミステリなんだが、実は毒がビリビリ効いている。


どうやらシリーズ3作目らしいようで、紆余曲折を経て、大富豪のお嬢様ヘレンと結婚できた失業中のジェーク。
その結婚式のパーティで、大金持ちの女性モーナとうっかり賭けをすることになる。
白昼堂々と殺人を犯してみせるというモーナと、それを暴いてみせるという賭けをしたジェークは、勝てばモーナの所有する「カジノ」が手に入るというので、張り切るのだが。


主人公ジェークはご都合主義、その新妻ヘレンは典型的なお嬢様(女王様)、ジェークの友人マローンは地に足が付いているというか、悪人を助けてナンボの弁護士(顧客に教えてもらった、スリやら、錠前破りの技を身につけているあたり、オールマイティカード)
キャラクターに思い入れをもって読んではならないタイプのクールなユーモア・ミステリだと頭では分かっているのだが、うまく距離が取れず、消化不良。
続編、大あたり殺人事件をうまく読みこなせるだろうか


アイスクリン強し(畠中恵)

2010年01月10日 | 読書日記

明治20年代を舞台に、早くに両親を亡くして居留地で育ち、いまや西洋菓子職人となった皆川、その友達で、ちょっと前なら旗本の跡取りの警官・長瀬、皆川が世話になっている貿易商の娘で女学生の沙羅、そして長瀬の同僚の警官たち(若様組)がお菓子をからめながら、ちょっとした事件に遭遇する短編集。


主役を誰か一人に絞ってくれたらよかったのに。
皆川と長瀬ができすぎの男で、それが二人並んでいると、私が小学生の頃の少女マンガの人物みたいだ。
優男系のと、男気系の組み合わせ。
(有川浩の作品にも通じる。女の永遠の憧れか?)
長瀬の同僚で、美形、長身、すごい剣の腕が、「どうやったら試験に受かったのだ」という高い闘争心と短気で騒動を引き起こす圓山が気になって仕方ないのもある。


沙羅の性格もなんだかわかりやすくて。
なんというか、惜しい。惜しいのよ。


夏期限定トロピカル(略)と秋期限定栗きんとん(略)(米澤穂信)

2010年01月10日 | 読書日記

春期限定いちごタルト事件では、小鳩くんの「狐」の性格が前面に出て、小佐内さんの復讐の鬼「狼」の部分はあまりクローズアップされなかった。
しかし、夏期限定トロピカルパフェ事件と秋期限定栗きんとん事件では、事件の謎そのものが小佐内さんの狼の部分という展開になった。
登場人物のうち、友達になりたいのは、硬派、「漢」、リーダー、そのものを表す小鳩くんの友人、健吾(西郷隆盛のような性格と言えばよいのだろうか)だけだ。
だけど、実際、私の友人は(男性)、普通にしゃべってても、四字熟語が飛びかう小鳩くんのような人ばかりだよ・・・


夏期限定トロピカルパフェ事件は、夏休みにスイーツ食べつくしに付き合わされる小鳩くんが、誘拐事件に巻き込まれる。
秋期限定栗きんとん事件では、すっかり人間失格になってしまった小鳩くんに加え、小鳩くん以上にうざい瓜野くん(健吾が部長をつとめる新聞部の1年生)まで、語り手として登場。
上巻は本当に読むのがつらかった。
どっちが語り手でもね。


話の主題は、事件ではなく、小佐内さんそのものなんだろうな。


2009年12月の読書まとめ

2010年01月05日 | 読書日記

どこからどうみても、平岩弓枝月間でした。


2009年12月の読書メーター
読んだ本の数:40冊
読んだページ数:12131ページ


■スリーピング・マーダー (クリスティー文庫)
読了日:12月31日 著者:アガサ・クリスティー
http://book.akahoshitakuya.com/b/4151300465


■秘密機関 (クリスティー文庫)
読了日:12月31日 著者:アガサ・クリスティー
http://book.akahoshitakuya.com/b/4151300473


■謎のクィン氏 (クリスティー文庫)
読了日:12月29日 著者:アガサ・クリスティー
http://book.akahoshitakuya.com/b/4151300538


■美しく暮らすインテリア305のヒント (別冊美しい部屋)
読了日:12月29日 著者:
http://book.akahoshitakuya.com/b/439162401X


■ロンドンの大人の部屋
読了日:12月29日 著者:niko works
http://book.akahoshitakuya.com/b/4777806537


■宝船まつり―御宿かわせみ (御宿かわせみ)
読了日:12月29日 著者:平岩 弓枝
http://book.akahoshitakuya.com/b/4163183701


■横浜慕情―御宿かわせみ (御宿かわせみ)
読了日:12月29日 著者:平岩 弓枝
http://book.akahoshitakuya.com/b/4163191100


■春の高瀬舟―御宿かわせみ (御宿かわせみ)
読了日:12月29日 著者:平岩 弓枝
http://book.akahoshitakuya.com/b/4163176403


■「清姫おりょう」―御宿かわせみ (御宿かわせみ)
読了日:12月29日 著者:平岩 弓枝
http://book.akahoshitakuya.com/b/4163165207


■長助の女房―御宿かわせみ (御宿かわせみ)
読了日:12月29日 著者:平岩 弓枝
http://book.akahoshitakuya.com/b/416318600X


■御宿かわせみ 下
読了日:12月27日 著者:平岩 弓枝
http://book.akahoshitakuya.com/b/416362600X


■クシエルの使徒〈1〉深紅の衣 (ハヤカワ文庫FT)
読了日:12月27日 著者:ジャクリーン ケアリー
http://book.akahoshitakuya.com/b/415020506X


■新任少尉、出撃! 海軍士官クリス・ロングナイフ (ハヤカワ文庫 SF シ 14-1 海軍士官クリス・ロングナイフ)
同じ上流階級出身ヒロインによるスペースオペラなら、エリザベス・ムーンのカイシリーズのほうが複雑で面白いかなぁ。
読了日:12月26日 著者:マイク・シェパード
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/4249912


■ちんぷんかん (新潮文庫)
読了日:12月23日 著者:畠中 恵
http://book.akahoshitakuya.com/b/4101461260


■妖怪アパートの幽雅な日常 3 (講談社文庫 こ 73-3)
読了日:12月20日 著者:香月 日輪
http://book.akahoshitakuya.com/b/4062765322


■スラッシュグリーンのたたかい
読了日:12月20日 著者:ミス リード
http://book.akahoshitakuya.com/b/4795275483


■村のクリスマス物語
読了日:12月18日 著者:ミス リード
http://book.akahoshitakuya.com/b/4434025139


■「源太郎の初恋」―御宿かわせみ (御宿かわせみ)
読了日:12月13日 著者:平岩 弓枝
http://book.akahoshitakuya.com/b/4163169709


■二十六夜待の殺人―御宿かわせみ (御宿かわせみ)
読了日:12月13日 著者:平岩 弓枝
http://book.akahoshitakuya.com/b/4163105506


■閻魔まいり―御宿かわせみ
読了日:12月13日 著者:平岩 弓枝
http://book.akahoshitakuya.com/b/4163102701


■夜鴉おきん―御宿かわせみ
読了日:12月13日 著者:平岩 弓枝
http://book.akahoshitakuya.com/b/4163109803


■「お吉の茶碗」―御宿かわせみ (御宿かわせみ)
読了日:12月13日 著者:平岩 弓枝
http://book.akahoshitakuya.com/b/4163154302


■魔法泥棒 (創元推理文庫)
読了日:12月06日 著者:ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
http://book.akahoshitakuya.com/b/4488572111


■弟切草 (角川ホラー文庫)
読了日:12月06日 著者:長坂 秀佳
http://book.akahoshitakuya.com/b/4043475012


■だめんず・うぉ~か~ (1) (SPA! comics)
読了日:12月06日 著者:倉田 真由美
http://book.akahoshitakuya.com/b/4594032079


■大奥の恋人 (はやぶさ新八御用帳)
読了日:12月06日 著者:平岩 弓枝
http://book.akahoshitakuya.com/b/4062046016


■幽霊殺し―御宿かわせみ〈5〉 (文春文庫)
読了日:12月06日 著者:平岩 弓枝
http://book.akahoshitakuya.com/b/4167168855


■白萩屋敷の月―御宿かわせみ〈8〉 (文春文庫)
読了日:12月06日 著者:平岩 弓枝
http://book.akahoshitakuya.com/b/4167168898


■雨月―御宿かわせみ〈17〉 (文春文庫)
読了日:12月06日 著者:平岩 弓枝
http://book.akahoshitakuya.com/b/4167168995


■かくれんぼ―御宿かわせみ〈19〉 (文春文庫)
読了日:12月06日 著者:平岩 弓枝
http://book.akahoshitakuya.com/b/4167710021


■秘曲 (文春文庫―御宿かわせみ (ひ1-101))
読了日:12月06日 著者:平岩 弓枝
http://book.akahoshitakuya.com/b/4167710013


■アマルフィ
読了日:12月05日 著者:真保 裕一
http://book.akahoshitakuya.com/b/4594059384


■白昼の悪魔 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 1‐82))
読了日:12月03日 著者:アガサ・クリスティー
http://book.akahoshitakuya.com/b/4150700826


■プリンセス・ダイアリー 恋するプリンセス篇
読了日:12月03日 著者:メグ キャボット
http://book.akahoshitakuya.com/b/4309203701


■恋文心中―御宿かわせみ (御宿かわせみ)
読了日:12月03日 著者:平岩 弓枝
http://book.akahoshitakuya.com/b/4163122001


■狐の嫁入り (御宿かわせみ)
読了日:12月03日 著者:平岩 弓枝
http://book.akahoshitakuya.com/b/4163074007


■酸漿(ほおずき)は殺しの口笛 (御宿かわせみ)
読了日:12月03日 著者:平岩 弓枝
http://book.akahoshitakuya.com/b/4163088903


■御宿かわせみ 上
読了日:12月03日 著者:平岩 弓枝
http://book.akahoshitakuya.com/b/4163625909


■彩雲国物語  暗き黄昏の宮 (角川ビーンズ文庫)
読了日:12月01日 著者:雪乃 紗衣
http://book.akahoshitakuya.com/b/4044499195


■魔王とひとしずくの涙 (ハヤカワ文庫 FT ア 1-20)
読了日:12月01日 著者:ピアズ・アンソニイ
http://book.akahoshitakuya.com/b/4150205078



▼読書メーター
http://book.akahoshitakuya.com/


韓国版・花より男子

2010年01月05日 | ドラマ

ついうっかり、正月再放送で、韓国版・花より男子を何話か観てしまった。
F4が、わりと、漫画から連想されるイメージに近い。
多分、台湾より、日本よりも。
台湾版の流星花園はF4も、牧野つくし役もあまり好みじゃなかったので、1話も観てないし、日本版も何回か観たぐらいだが。


韓国の男優さんたちは肉体派だねぇ(徴兵制のせいか?)
ジャニーズタレントの縛りがないから、みな180cmくらいの長身で揃えてくるので、全身が映るシーンがとても美しい。
ただし、道明寺司役はなんか徒然亭草々(NHKのテレビ小説ちりとてちん)を思い出させる(韓国人の俳優と、青木崇高さんの顔の雰囲気も似ているけど)上、照れた時に上を見上げるしぐさは、日本版の花男の松潤と同じ気もする。
花沢類役は、髪型も含めて漫画通りの出来ばえで、髪がサラサラなところが小栗旬に勝っている。小栗旬は美形を演じていたが(そういう意味で、演技力があると思う)、韓国人の俳優さんは間違いなく美形。ただ、残念なことに、ペ・ヨンジュンとそっくり過ぎて笑える。
西門総二郎役は、韓国人役まで松田翔太と雰囲気がそっくりだ。
美作あきら役は、韓国版でも陰が薄い。


ちょっと原作が読みたくなってきた。


韓国版http://www.hanadan-k.com/


日本版http://www.tbs.co.jp/hanadan2/ 


台湾版http://www.tbs.co.jp/ryu-sei/


龍馬伝

2010年01月05日 | ドラマ

龍馬伝の第1回を観た。
龍馬とその周辺の人々は10代のはずだが、ちょっと無理がある。
龍馬は33歳で死ぬのに、最後まで無理があったらどうしよう。
でも画面がキレイだわ。セリフを発さない、あまり動かないシーンが素敵。
(それや龍馬のコスプレやっている福山雅治でしかないが)

そもそも、メインキャラクターのうち、岡田以蔵を演じる佐藤健だけが、役と実年齢がつりあっているのだろう。
土佐で下戸というのが「あり」なのかどうかも不明(半平太の件)。史実に合っているの?


岩崎弥太郎役の香川輝之が濃すぎる。嫌らしいくらいに濃い。(賞賛)


春期限定いちごタルト事件(米澤穂信)

2010年01月05日 | 読書日記

小市民を「志す」(そうではない自分という意識がある)小鳩くんと小佐内さん。
お互いにかばいあいながら日々、邁進してきたのに、高校に入学して、小鳩くんの旧友、健吾に再会してから、何となくうまくいかない。
小鳩くんはちょっとした日常の謎を解きながら、小佐内さんは本人の意思に関わらず巻きこまれたトラブルによって、ついつい昔の自分のような行動をとってしまう。


探偵って「うざいよね」という認識をうまく利用した設定。
うざいといえば、
2ちゃんねるなどのネット上で、理屈を振りまく彼ら。
電車の中とかで、理屈っぽい男の人が連れの女性にとうとうと理屈を述べている感じ(どうして関西なのに、大概、標準語っぽいんだろう。漢字が多いのから?)
なぜか早口。通常の会話では出てこない小難しい単語が混じる(なぜなら演説だから)。
そういうのを目にしたり耳にしたりすると、「うざい」というより「恥ずかしいっ!!」と感じる私の中にも、小鳩くんや、小佐内さんがいるのだろう。


さ、明日も小市民を心がけて、生きていきましょう。


秘密機関(アガサ・クリスティー)

2010年01月04日 | 読書日記

トミー(冷静沈着な男性)とタペンス(向こう見ずな女性)のペアによるシリーズの1冊目。
ポアロやマープルのシリーズと違い、図書館に蔵書がないので、買うはめになった。


ポアロやマープルシリーズは、探偵役の高度な観察力と推理力を最後まで見せないため、ストーリーの展開を引っ張る主役は別の人間に与えられることが多い。
しかし、シリーズ1作目のトミーとタペンスは、素人ながら探偵業に乗り出してくるので、彼ら二人が右往左往しながら、真相に近づいていくので、親しみやすい作風だと思った。


本作では、20代前半の若い二人組ということだが、次以降は夫婦となり、アガサ・クリスティーの遺作で80歳になるらしい。
図書館にないのが残念だが、ぼちぼち買って読んでいこうと思う。


新任少尉、出撃(マイク・シェパード)

2010年01月04日 | 読書日記

政治的、軍事的に上流階級の家に育ったクリスは、幼い頃の事件をきっかけに軍隊に入る。
最初はある辺鄙な惑星で起きた誘拐事件の被害者救出。
命を狙う何者かによる妨害工作や左遷にもめげず、懸命に任務を果たす姿に、たたき上げの海兵隊や周囲の人々の信頼を勝ち取っていく。


スペースオペラやミリタリーSFのカテゴリに入るのだが・・・
同じく上流階級出身の若き女性が宇宙船の船長として活躍するミリタリーSF、エリザベス・ムーンのカイシリーズ(「栄光への飛翔」「復讐への航路」「明日への誓い」)に比べて、なぜか物足りない。
どこが違うのか、カイシリーズを3冊読み直して、最大の違いがわかった。


クリスには、常に付き人のように親友で同期の少尉(辺境惑星出身の男性。全く女でも構わない。)がついており、本人の悩みは目の前にある任務をどう片づけるか。
ときおり、邪魔が入るが、結局は水戸黄門の印籠のように、有名な祖父たちや、親族が出てきて力技で解決してしまう。
その上、恋愛問題さえない!


ひきかえ、カイシリーズの主人公カイ、ならびに準主役の彼女の従姉、大伯母の3人は、常に自分自身の葛藤に悩まされ、さらに他者との人間関係に苦悩しながら、目に見えない敵と戦い、ついでに商売(宇宙貿易)もこなす。
彼女たちが心から信頼する人間は少ないながら存在するが、ストーリーの展開上、さりげなく引き離され、常に新たな人間関係という課題をクリアしていかなければならない。
ミリタリーSFという舞台に頼らない、読み応えが残されている。


新任少尉、出撃は、ちょっと面白い要素が不足気味だが、カイシリーズもシリーズ1冊目に比べて、2冊目、3冊目で急激に面白くなるので、次の出方次第。