松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆熟議の市長選挙㉛あらためて公開政策討論会の意義のまとめ(三浦半島)

2017-08-05 | 1.研究活動

 あらためて公開政策討論会の意義をまとめてみよう。

 市長選びは、お友達を選ぶものではない。お友達ならば、「気が合う」、「やさしい」でいいかもしれないが、市長は、とてもそれだけでは勤まらない。会社でいえば、社長を決めるもので、とりわけ今は、経営の厳しい会社の社長を選ぶものなので、自治体発展のビジョンを示し、それを着実に実行できる実行力、実行できる裏付けを持った人でなければならない。

 市長の適正はいくつかあるが、政策提案能力とその実現能力は、重要なポイントである。その能力を見極める手段のひとつが、公開政策討論会である。立候補予定者が揃って、自らの政策提案能力と実現能力を示し、それをさまざまな観点、立場、あるいは人から吟味を受けるのが、公開政策討論会である。

 公開政策討論会の意義をあらためて整理しておこう。

1.有権者が、市長立候補予定者の政策を聞き、比較して、自らの考えをまとめる機会とする。これまでの「立候補者の選挙」から「有権者の選挙」に変えるものである。立候補予定者の政策を比ベて、自ら判断するというのは、主権者が「主権を行使する」ことの前提条件ともいえる。
 ところが、これまでそうした機会がなかった。だから、候補者による無責任な夢のオンパレードのような「公約」が出され、それが有権者をしらけさせ、今日の政治不信につながってきた。その先は白紙委任である。そうならないように、主権者が主権を行使する前提の仕組みをつくろうというのが、今回の公開政策討論会である。

2.夢の実現には、覚悟が伴うことになる。夢の実現には財源が必要だからである。財源は無尽蔵ではないから(というよりは減少傾向である)、市民がこれまで享受してきたサービスを我慢し、あるいは新たな負担が増加することもある。時にはその覚悟をし、あるいはみんなで考えて、少しでも負担を減らす知恵を出し合おうというのが、今回の公開政策討論会の意味である。

3.選挙のプロに言わせれば、有権者は、政策などでは選ばず、「笑顔と握手」に投票するという。この立場に立てば、公開政策討論会には消極的で、付き合っているポーズだけを取っていればよいことになる。そんな相手に、「市長になることが目的ではなくて、市長になって何をやるのかが問題でしょう、そんな選挙を続けていたら、民主主義の基本が崩れてしまうでしょう」といっても、分かったうえでやっているから、馬の耳に念仏である。

4.そこで、有権者に少しでも政策で選んでもらうようにするために、公開政策討論会の制度設計では、できる限り多くの有権者に触れる機会をつくることになる。巡回型の会場、候補者間での議論の応酬、会場からの質疑、ネット中継、ネットを使った政策討論会などをここでも論じてきた。準備会をオープンにするというのも、その一環である。ただ、はじめてのことで、事前の準備態勢も十分でないし、時間的制約などもあるから、すべてはできないかもしれないが、多くの有権者に触れるという方向性が大事である。

5.いろいろやっても、実際に公開政策討論会に来れる人は全体のわずかだろう。つまり、直接、話を聞いて判断できるようになった有権者は決して多くはない。しかし、公開政策討論会が選挙のたびに、常設的に行われるようになれば、最も効果を発揮するのは、「公約」が論争にさらされるようになるということである。

 荒唐無稽な「公約」を出せば、公開政策討論会の場で論争にさらされ、恥ずかしいことになるから、立候補予定者はそんな「公約」は、自制して出せなくなる。何とか説明に耐えられる政策だけを出すように変わっていくだろう。出した政策が厳しい批判を受ければ、それに負けまいと、ブラッシュアップして、実現可能性のある「公約」に磨かれていくことにもなる。無責任な夢のような政策が駆逐され、地に足がついた政策が、出されるようになっていく。

 公開政策討論会に来れる人はわずかでも、この制度をつくることで、多くの人にとって、適切に判断ができる政策が出されるようになっていく。

6.公開政策討論会は、民主主義の土台である、市民が自ら考え、判断する仕組みをつくり直す作業である。やや大げさに言えば、これはどこもできなかったが、それを今新城市でやっているということである。その自覚と矜持をもって、とりわけ、当事者の3人は、大いに奮闘してもらいたいと思う。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(白井さんのブログから 山本さんからなかなか返事が来ない)

2017年08月04日 山本たくや後援会の回答を待つしかない

 山本たくや後援会に、公開政策討論会の開催が委ねられていますが、穂積氏が心配しています。当然の心配ですが、山本氏も市長選出馬を決意した方です、いつまでも曖昧な対応はしないと考えるしかありません。

 穂積氏とのメールのやり取りがありましたので、お知らせします。

【8月3日返信(穂積氏から白井へ】
 白井倫啓様
 メールのやりとりだけではなく、公式の提案書を送付するのが良いと思います。
 場合によっては山本後援会に出向いてもよいか、と。
 提案書の案文を送ります。ご検討ください。        
 穂積亮次

<添付ファイル(提案書案文)>
日付
山本拓哉殿
山本たくや後援会殿

協議開始に関する提案

 白井倫啓
 穂積亮次

 7月25日付での公開討論会に関するご回答をいただいた後、メールあるいは直接お会いしてのやりとりがありましたが、今後の進め方についてあらためて経過説明を含めてご提案させていただきます。

1.今回の公開政策討論会に関しては、公平・公正な運営にあたる第三者の実施主体をどのように構成するかがとても重要になります。7月25日付の貴殿からのご回答にも、『提案1の「政策討論会実施委員会(仮称)」を設置する旨、及び設置後の当該委員会の取り決め事項等を最大限に尊重して政策討論会に加わることができる旨について、賛同します。』とありましたが、この「政策討論会実施委員会(仮称)」の構成などについて協議するための、立候補予定者同士の準備協議を始める必要があると考えております
 貴殿のご回答を得るまでの間、われわれ両名で話し合ってきたところでは、各候補予定者がそれぞれ3名のメンバーを選出し、その準備協議を始めることで合意が出来ておりました。そこで、この手法にご異存がなければ貴殿の側でも適材の方を3名ご指名いただき、ただちに協議に入ることをご提案申し上げます。
 なお、この協議には立候補予定者自身もオブザーバー参加できるものとしています。またこの協議の場を公開とするか非公開とするかについては、両名間で見解の違いがありますが、あわせて貴殿のご希望もお聞かせください。
2.もし上記方法にご異存があれば、その理由および代案をお示しください。積極的に検討させていただきます。
3.公開政策討論会はそれ自身が公職選挙法の対象となるものではありません。その中で行われる行為が選挙の事前運動とみなされたり、投票依頼が行われたりした場合に同法の適用を受けます。よって主催者ならびに参加者のあいだでこの点のルールを設け、それを守る限り何ら問題はありません。これについてはすでに関係機関に確認しております。また開催にあたっては専門家の助言も受けていきたいと考えております。
4.以上のことにつきもし必要があれば準備会メンバーあるいはわれわれ両名が貴後援会に出向き直接ご説明することもできます。
5.時間の都合もありますので、本状に対するご回答を 月 日までにいただきますようお願いいたします。

【8月3日返信(白井から穂積氏へ】
 穂積様
 連絡遅くなり申し訳ありませんでした。
 ご検討いただきありがとうございました。基本的な内容だと思います。山本たくや後援会はこの内容を理解して検討して頂いていると考えます。
 準備会の公開・非公開は、準備会が設置され、準備会のメンバーで決めてもらえれば良いと判断します。3者が決める問題ではないと考えます。今は、臨時役員会の結論を待つしかないと思います。

【8月3日返信(穂積氏から白井へ】
 その臨時役員会のための提案を書面で送るべきと言っているのですが。
 公開の箇所は抜いて良いので、この文面を送ることに何の差し支えがあるのでしょうか。
 穂積亮次

【8月3日返信(白井から穂積氏へ】
 既に、回答を送り、臨時役員会での検討を依頼しました。今は、準備会に参加してもらえるかが重要であり、あれやこれやと条件を付けると、それが障害となり、結論が遅くなると考えます。準備会の進行は、3×3人で合意した形で進めてもらうだけです。その様に検討を依頼しています。先ずは、準備会を開催することだけを求めれば良いと考えます。

【8月3日返信(穂積氏から白井へ】
 貴兄の今朝の返信メールが臨時役員会への要請になっているとの理解なのですか?
先方とそのように確認ができているのですか?
穂積亮次

【8月3日返信(白井から穂積氏へ】
 穂積様
 今朝、あなたに転送したものが、 山本たくや後援会にメールしてあります。 臨時役員会の結論がいつ出るかを回答してもらえるように、後で、 確認メールとして送ってあります。 山本たくや後援会が誠実に対応する気があれば、敢えて要請文を送るまでもないと判断しています。 どうしても必要と考えるなら、あなたから要請してもらっても構いませんが、また新たな疑問を投げかけられるかもしれません。これまでの対応が繰り返されることを心配します。先ずは、席についてもらうことから始めるしかないと思います。その席で、合意を確認し合うということです。

【8月4日返信(穂積氏から白井へ】
 白井様
 そこまで言われるなら待つことにしましょう。同じ反応しか返ってこないことのないよう期待します。
  穂積

【8月4日返信(白井から穂積氏へ】
 よろしくお願いします。

 

 

 

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