温泉クンの旅日記

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田沢湖線、小岩井駅

2014-05-21 | ぶらり・フォト・エッセイ
  <小岩井駅>

 畑の広がりの遥か向こうに、残雪に縁どられた岩手山がどっしりと鎮座している。



 田沢湖線の小岩井駅。



 秋田新幹線が開業してから、臨時停車していた特急も止まらなくなってしまった。
 網張温泉や小岩井農場が近いのだが、一日の乗降客は五、六百人という小さな駅舎である。





 テレビドラマ「青い鳥」のなかでは、理森の母親が経営する牧場のある駅として登場する。
 信州の駅から逃避行を続ける理森、かほり、詩織の三人は秋田駅に辿りつくと、詩織が風邪で発熱してしまう。

 困った理森は、父と自分を捨てて男と出奔した母のすみ子が住む小岩井を頼ったのだった。
 母の牧場で安らかなひとときを過ごす三人だったが、ある日理森の父からの電話で追っ手が迫るのを知る。

 ○小岩井駅
   ホームに立つ理森とかほりと詩織。
   すみ子がしゃがんで、詩織と同じ目の高さになり、言う。





 すみ子「何だか、本物のお婆ちゃんになった気分だった」
 詩織「楽しかった。ありがとう、お婆ちゃん」
 すみ子「(立ち上がり、かほりに)頑張ってね」
 かほり「はい」
 すみ子「疲れた時は、思いきり甘えなさい」
 かほり「そうします」
 すみ子「(そして理森と向かい合う・・・・・・が、言葉が見つからず)」
 理森「ありがとう」
 すみ子「私、やっとあなたに母親らしいことができたのかな」
 理森「逢えて、嬉しかったよ」
 すみ子「私も・・・・・・(声が詰まる)」


        野沢尚著「青い鳥」 幻冬舎より

 母に見送られ、理森たち三人は小岩井駅から逃避行の旅を再開するのだった。




  →「青い鳥の驛」の記事はこちら
  →「八戸、漁港ストア」の記事はこちら
→「網張温泉」の記事はこちら

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