我が師より手紙来る （田中）

正確にはオーナー宛ですが・・・

師匠と呼べる人物が僕には３人います。
「士道」を説いてくれた溝端先生。
「美容師」の道を開いてくれた滝先生。
「美容師」の先を示してくれた久世先生。
この御三方です。

溝端先生は
「武士道とは死ぬ事と見つけたり」ではなく「武士道とは信念に死ぬ事と見つけたり」
そして
「武」とは争いをとめる事。
戈を止めると書いて「武」これぞ「士道也」と教えて下さいました。
現代では諸説あるようですが僕はこの師匠から教えて頂いた「士道」こそが正しいと疑いません。
もうこの師も逝って１０年になります。

滝先生は「美容師」の道を僕に開いて下さった素晴らしい先生です。
「勝つ事」の喜び、「負ける事」の悔しさ、人の強さ、弱さをこの先生から学んだ様に思います。
これらを知る事でコンクールなどでの入賞があったのだと思います。
そして「美容師」の道に関しては唯一の師匠です。

久世先生は「人間愛」を教えて下さいました。
この先生の何気ない一言一句にどれだけ救われたか解りません。
「美容師は髪を切るのではなくその方の心を切る（調整する）のです」
この一言は忘れられません。

ヘアスタイルひとつで気持ちって変わりますよね。
それを思い出させてくれた言葉です。
これこそが僕が美容師になろうとしたきっかけでもあります。
「人の気持ちをこんなに暖かくできる仕事っていいな」と思った高校生だった１７歳の頃をもう一度強く思い出しました。


滝先生も久世先生はまだまだお若いのでこれからもずっと僕らを見てて欲しいと思ってます。
師匠達の場所まで届く様、精進致しますよ。