自分の身体は、自分で守る。薬剤師・金丸の養生訓話

自分の身体は、自分で守る。薬剤師・金丸の養生訓話のパーソナリティで、くすりの麗明堂店主の金丸幸市のブログです。

“命”は授かるもの・・・

2006年06月18日 | Weblog
 最近は、青少年が人を傷つけたり、また親が子供を虐待するという悲しいニュースであふれています
 これは「命とは何なのか」「生命はなぜ尊いのか」などについての基本的な問題が見過ごされているからと言えるでしょう。
 命や生命に対する考え方が大きく揺らいできている今、病院の産婦人科で働く助産師の女性が、
「クローン技術などの生命科学に関する様々な情報が、一般の人々に“命は医療でつくれるもの”という意識を植え付けてしまったようです。そのことを憂慮する医者は多いのです。」
とおっしゃっています。
 また、「命があることは決して当たり前のことではなく、むしろ奇跡的なことである」と訴えているのは、筑波大学名誉教授で遺伝子学が専門の村上和雄さんです。村上教授は、子の誕生や生命の考え方に対して次ぎのように語っています。
「私達は『子供をつくる』と言います。しかし、それは少し傲慢なことではないか、と私は思っています。なぜかといえば、私達の力だけでは、カビ一つできないのです。それなのに人間の力だけで、赤ちゃんが出来るでしょうか。私達が行っていることは、きっかけを与えて、あとは栄養を与えているだけなのです。
 私は今、日本人はそのことを忘れかけているのではないかと思っています。私達は物質的にはたいへん恵まれています。
 しかし、自分の命や他人の命、そして胎児の命、動物の命、植物の命は、私達のつくったものではないということを、私達はもう一度思い起こす必要があります」(『いのちの素晴らしさ』モラロジー研究所)

 こどもが「できる」という考え方には、自分達で作ったという、親の傲慢な気持ちが見え隠れしています。しかし「授かる」、さらに「預かる」という考え方には、神や大自然から受け取った大切なもの、という謙虚さが感じとれます
 私達はこういう視点を、子育てをする原点としてとらえていく必要があるのではないでしょうか。その中に、今日の様々な教育問題、家庭問題を解決するヒントが隠されているのかもしれません

妊婦さん・若い女性に重要な栄養素

2006年06月13日 | Weblog
 最近、外食をされる方がとても多いように思います。
そんな方々に知って頂きたい記事を見つけたので、少しお話したいと思います。

 妊婦や若い女性に大切な栄養素である「葉酸」を、厚生労働省公表の摂取量の目安よりも多く摂取している妊婦は7.5%で、90%以上の妊婦が摂取不足ということを横浜市立大学などのグループが突き止めました。足りないと胎児の先天異常や妊婦自身の貧血・妊娠中毒症などにつながります。
 妊娠5ヵ月目の妊婦53人に食事内容を聞き取り調査し、妊娠中の2ヵ月間の摂取量を推計しました。平均摂取量は1日当たり275マイクログラムでした。(マイクログラムは1/100万)厚労省は、妊娠可能な年齢の女性は1日に400マイクログラム以上摂取することが望ましいとする指針を2000年に公表しました。この目安を上回った女性は全体の7.5%にとどまりました。
 胎児の先天異常には、妊娠中よりもむしろ妊娠前の葉酸不足が影響しているとされています。ただ食習慣は短期間には変わりにくいため、こうした不足状態が妊娠前から続いた可能性が高いです。
 葉酸は緑黄色野菜に多く含まれますが、食事だけでは栄養分の吸収が進まない可能性があり、厚労省はサプリメント(栄養補助食品)の利用を勧めています。
 しかし、呼びかけ通りにサプリメントで葉酸を摂取していた女性は全体の13.5%にすぎなかったそうです。

 元気で健康な赤ちゃんのためにも、重要な栄養素“葉酸”を摂るような食事、昔の“おばあちゃん達”が食べていたような食卓になるように心がけられると、緑黄色野菜がスムーズに口に入るのではないでしょうか・・・。

葉酸とは・・・ホウレンソウなどの緑黄色野菜に多く含まれるビタミンBの一種です。特に妊娠初期の胎児が細胞を分裂させたり赤血球を作ったりするために必要です。摂取不足だと妊婦自身の貧血や妊娠中毒症のほか、胎児で脳が正常に形成されない無脳症や歩行障害などを招く二分脊椎が起こりやすくなります。