大倉草紙

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【兵庫】 北野異人館

2008年09月20日 23時17分32秒 | 旅 - 兵庫県
本日の行程:(阪神・三宮駅) → 【シュウエケ邸】 → 【山手八番館】 → 【うろこの家・うろこ美術館】 → (阪神・三宮駅~魚崎駅) → 【倚松庵(谷崎潤一郎旧邸)】 → (阪神・魚崎駅~芦屋駅) → 【谷崎潤一郎記念館】 → 【「細雪」の碑】


【シュウエケ邸】

   
                シュウエケ邸

イギリス人建築家・ハンセルが、自邸として、明治29年(1896)に建てたもの。
現在は、シュウエケ夫人が住んでいるが、住居の1階部分と庭園が一般公開されている。


   
   
   

壁には、明治以降の浮世絵、「横浜浮世絵」と「長崎浮世絵」が200点以上懸かっている。
これらは、シュウエケ氏の息子さんが、ニューヨークやロンドンで収集したものだという。
ガラスケースの中には、珊瑚の像が飾られている。


   

廊下には、さりげなく菱田春草が。


   
          

和洋折衷の庭園だというが、形式のことなのだろうか、それとも植物のことなのだろうか。
庭の片隅には、とんぼの像が置かれていた。



【山手八番館】

   
                 山手八番館

山手八番館は、明治後期に建てられた。
旧サンセン邸。
館内には、ロダン、ブールデル、ベルナールの作品、アフリカのマコンデ彫刻、タイヤガンダーラの仏教美術品が数多く展示されている。


   
       龍燈鬼像                 天燈鬼像

入口では、天燈鬼・龍燈鬼が出迎えてくれる。
仏前のみならず、入口も照らしてくれるとは。


   
              マコンデの黒檀彫刻

タンザニア南部のマコンデ高原に住むマコンデ族は、最初の父親が黒檀を彫って最初の母親を創ったという伝説を持つ。
マコンデ族にとって黒檀は「力」と「聖」の意味を持ち、その彫刻は儀式に用いられるために作られていたが、現在では、芸術品や土産物として作られることも多いという。
彫刻のモチーフは、人が重なり合ったウジャマー、精霊(シェタニ)、人物、動物などがある。
ピカソは、マコンデの黒檀彫刻からインスピレーションを受けたといわれているそうだ。
彫刻の傍らには、ピカソの「アヴィニョン娘たち」のコピーが貼ってあった。
「アヴィニョンの娘たち」に描かれている右側2人が、マコンデの彫刻の影響を受けているとのこと。


   
      ルノワール作            ベルナール作「沐浴」

   
      ブールデル作    ロダン作「ナルキッソス」または「鼻曲がりの男」

          
              サトゥルヌスの椅子

ローマ神話の農耕神・サトゥルヌスの椅子といわれるこの椅子には、不気味ともいえる彫刻が施されている。
「願い事が実り叶う椅子」だという。

   
            椅子の背もたれ部分の彫刻

   
   椅子の肘掛部分の彫刻          椅子の脚の彫刻


   
 仏陀坐像(ガンダーラ・4世紀)    仏陀立像(ガンダーラ・4世紀)

   
 仏陀坐像(チェンセン・15世紀)     仏頭(チェンセン・11世紀)

タイの仏像の顔は、穏やかな表情。
微笑んでいるように見える。


   

仏像が置かれてある部屋の出入口には、金剛力士像が。
どういうわけか、部屋の内側に向かって置かれてある。
これじゃ、まるで「鬼は内、福は外」みたいだ。



【うろこの家・うろこ美術館】

   
             うろこの家・うろこ美術館

明治38年築。
居留地に商館として建てられた後に、外国人用の高級貸家としてこの場所に移築された。
魚の鱗のような外壁から、「うろこの家・うろこ美術館」と呼ばれるようになったらしい。
向かって右側が、うろこの家。
左側が、うろこ美術館。


          
                ポルチェリーノ

うろこの家の前庭には、ポルチェリーノの像がある。
猪の鼻を撫でると幸福になれるのだという。
オリジナルはフィレンツェにあるらしい。
確か、三宮駅の近くにもあったような。


   

奥にある時計は、「グランドファーザー・クロック」。
19世紀、イギリス製。
その前に置かれた肘掛け袖椅子は、欧州航路の旅客キャビンで使われていたものだという。
1800年頃、イギリス製。


          
         古マイセン「手彩フルレース絵皿」


   
             石炭ストーブと石炭箱

この家にかつて住んでいたドイツ人が、書斎で使っていたもの。
1800年頃、イギリス製。


   
                 王家の橇

デンマークの王子が、アマリエンボー宮殿で使っていたもの。
クルミの木でできている。
1750年頃、デンマーク製。


うろこ美術館には、マチス、キスリング、ワイエス、カリエール、ユトリロなど、高名な画家たちの作品が並ぶ。

   
           キスリング「赤い膝掛けの裸婦」

   
              マチス「ニースの花」

   
               ユトリロ「ミミの家」

割合からすると、ロシアの画家の作品が、多かったように思える。
ロシア絵画に関しては、説明のプレートが置かれていたことからも、力を入れているであろうことが伺える。
展示されているロシアの絵画のほとんどが、20世紀の無名の画家によるもの。
ロシアの絵画に関しては、興味をかきたてられるような作品はなかった、というのが正直なところ。
あえて挙げるならば、絵画の中にイコンが描かれているクードリンの「アフガンの追悼」が印象に残っている。



          

   
                風見鶏の館

風見鶏の館は、外から見ただけ。


今日の歩数:18,212歩