杉浦 ひとみの瞳

弁護士杉浦ひとみの視点から、出会った人やできごとについて、感じたままに。

・なぜ今、学習指導要領に尖閣、竹島「固有の領土」と明記するのか!

2014-01-12 23:16:24 | 平和問題
1月12日の新聞で
文部科学省は、「学習指導要領の解説書」に
尖閣諸島と竹島を「我が国固有の領土」と明記するような改訂を行う方針だということが
報道されています。


学習指導要領の解説書は、教科書の作成や授業で指導する際の指針となるものですが
現在、島根県の竹島について、
中学校の社会科では日本と韓国の主張の違いに言及するよう記載し、
高校の地理では中学校の学習を踏まえるようにと記載しているということです。

沖縄県の尖閣諸島については、中学校、高校共に「解説書」では記載がなく、
尖閣諸島の記述がない教科書もあるということです。

これに対して、自民党からは、
中学校、高校の教科書は日本の領土に関する記述が不十分だとして、
国が必要な対応をとるよう求める声が出ているというのです。

文部科学省は、これをうけて
中学校と高校の「学習指導要領の解説書」に、尖閣諸島と竹島を「我が国固有の領土」と明記し、
尖閣諸島には領有権の問題は存在しないことなど、政府の見解に沿って改訂を行う方針だということです。

そして、文部科学省は、これに基づいて日本の領土に関する記述を充実させるよう、
教科書会社に促し、2年後の平成28年度以降に使用される教科書から反映させたい考えとのことです。

 

現在、日本が中国や韓国との関係が悪化しているのはこの領土問題が大きく影響しています。
加えて、昨年末の安倍総理の靖国神社参拝があり、
日本が、自ら周辺諸国との関係を悪化させていることは明らかです。

この状況の中で、なぜ、このようなことを政府が指示し、文科省がこれに従うのか。
より一層、中国、韓国との関係が悪くなることは明らかです。
あえて、この関係悪化を狙っているとしかいいようのない政府の方針です。
想像を絶するような話で、憤りを通り越し、むなしさを感じます。


領土問題については、主権の棚上げをして紛争を解決してきたわけですが
今日的にも、国境をソフトボーダーにしようという提案があります。
国境を両方の国で管理するというもので、境界線を軍事化しないものです。
平和構築を考える人たちの中では既に議論されていている考え方だということです。
そういった共存のための英知はあるのです。

自国には、少なくとも、他国と平和的に共存できる方向性を常に考えてもらいたいし
そもそもわが国の憲法が、平和的な国のあり方を規定しているわけです。

こんな今の政府にのあり方には、私たちは毅然としてNOを伝えなければならないと思います。
一票を使うのが一番効果的です。
そのためにも、次の都知事選は、現在の国政のあり方に多くの市民が異を唱えていることが明らかになるようなものにする必要があります。


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2 コメント

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何か問題でも (鉄甲機)
2014-01-17 00:11:37
>なぜ今、学習指導要領に尖閣、竹島「固有の領土」と明記するのか!

尖閣、竹島が日本「固有の領土」であることは歴史的にも明らかであり、国際法でも何の問題もないからでしょう。
竹島が侵略された結果不法占拠されており、尖閣が現在侵略の危機にあることは国民共通の理解としておく必要があるのではないですか。

>現在、日本が中国や韓国との関係が悪化しているのはこの領土問題が大きく影響しています。

つまり、中国・韓国の侵略行為が日本との関係を悪化させているとの認識でよろしいですね。

>加えて、昨年末の安倍総理の靖国神社参拝があり、
>日本が、自ら周辺諸国との関係を悪化させていることは明らかです。

それは中韓からの見方でしかありません。しかも浅い。
日本から見ると、靖国参拝への中韓の怒りは靖国への無理解によるもの、或いは他の政治的目的によるものであることは明らかです。

>あえて、この関係悪化を狙っているとしかいいようのない政府の方針です。
>想像を絶するような話で、憤りを通り越し、むなしさを感じます。

主張しなければならないことは、関係が悪化しようともしなくてはなりません。
裁判などでの弁護活動でもそうでしょう? 杉浦先生は裁判相手が気を悪くするようなことは一切主張しないんですか?

>領土問題については、主権の棚上げをして紛争を解決してきたわけですが
>今日的にも、国境をソフトボーダーにしようという提案があります。
>国境を両方の国で管理するというもので、境界線を軍事化しないものです。

それは歴史的にも政治的にも結論がつかず、散々紛争で血が流されてきた場合です。

>こんな今の政府にのあり方には、私たちは毅然としてNOを伝えなければならないと思います。

毅然として伝えたいことがあるんですけど、この記事は日弁連の考えですか。杉浦先生のお考えですか。
平和的に共存できる方向性 (鉄甲機)
2014-01-19 01:55:23
>自国には、少なくとも、他国と平和的に共存できる方向性を常に考えてもらいたいし
>そもそもわが国の憲法が、平和的な国のあり方を規定しているわけです。

戦争を引き起こすのは愛国心でも軍国主義でもありません。無知による不安と誤解による恐怖ですよ。
そういう意味では、わが国の憲法によって規定された「平和な国のあり方」には問題があると言わざるを得ませんね。「平和を愛する諸国民の公正と信義」が存在することが大前提で疑ってはならないことになってますから。

最近の週刊誌は毎週のように反中嫌韓記事を載せ、売り上げを伸ばしているそうです。関西限定かもしれませんが、テレビのワイドショーでも普通に中韓を批判的に取り上げています。十年前二十年前にはこんなことはあり得ませんでした。何故でしょう?

「行き詰った日本が発展する中韓へ嫉妬している」などとの穿った解説もありますが、それよりもインターネットの発達で国民が玉石混交真偽不明多種多様な情報に触れられるようになったことが大きいと私は思います。それまで新聞テレビの「報道しない自由」で国民から隠され続けてきた中韓の「反日」情報を知った、その反動が出ているんでしょう。

私は2ちゃんねるにも出入りしていますが、「日本中が嫌韓になったら、最後まで韓国を擁護するのは東亜板・ハングル板・極東板住人」と言われています。そこの住人は、二十年以上前から韓国の不都合な真実をネットに貼り続けている連中ですけど。(笑
ちなみに「日本のマスコミが嫌韓一色になっても最後まで韓国を擁護するのは黒田勝弘」とも。(爆笑

相手を知っているから何故そんなことをこちらに言ってくるかが理解できる。逆に批判もできるし悪口も言えるしユーモアでくるむこともできる。

>なぜ今、学習指導要領に尖閣、竹島「固有の領土」と明記するのか!

いつ明記しても、中国、韓国との関係は悪くなりますよ。それなら何故悪くなるかを考えなくては。日本の主張とその根拠を正しく知り、中韓の意図とその背景を調べて考える。それで初めて共存の英知を働かせることができるんじゃないですか。

中韓の反日思想の意味を知らせず日本国民の不安を煽り、「中韓は戦争の被害者で正義。日本はその償いをするべき」との誤解を広めて恐怖を煽る。こういうヒトたちこそが、日本を再び戦争への道に引きずり込もうとしてるんだと私は思います。

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