触法少年研究会 報告
2011.6.24
東日本震災後に宮城県沿岸部に、震災から1ヶ月後に入り取材された同研究会の
メンバーである小宮純一さん(フリージャーナリスト・元埼玉新聞社)が、
児童福祉法研究会での報告されるということで、
この会への参加を触法研の学習会に振り替えました。
簡単にご報告・紹介したいと思います。
ジャーナリストというのは、こういう切り口で事実をつかんでくるのだということに驚きました。
まず、撮影してきた映像をパワーポイントにして映写。
宮城県の津波被害にあった沿岸部を管轄する児童相談所ということで、東部児童
相談所を写す。2階の天井まで津波が来た。
津波に倒され横転したいくつものビル。
海側に屋上を向けて倒れているのは、津波が、寄せる波より引き波が強いことを示す。
津波に呑まれた跡は、空襲の後、原爆の後として知る映像にたとえるしかない。
【私注:これとまったく同じコメントを朝日新聞の本田雅和さんの現地報告でも聞きました。】
人の知恵。津波に呑まれそうになる前に手のひらや身体に、お互いに氏名、年
齢、血液型、住所等個人情報を書き合って、その後に判別できるようにした所があった。
【私注:この話はなにげなく聞いていたのです、指揮した方は、どんな精神状態で
そのマジックの文字が役に立つと想像したのか。その冷静さ或いはそれを学ばせた経験の
壮絶さに、後で愕然としました。】
小宮氏が現地に入ったのは、子どもの問題にかかわりながら、子どもたちが体
験した現場に身をおかないのは失礼だと思ったから、とのこと。
現地は、写真の映像に収まらない現実がいろいろある。においはすごいものがあ
る。漁師町で、冷凍になっていた魚介類が溶けたから。
町全体が「くさや」のようなもの、と。
【私注:聞かなければ絶対に思いつかないことばかりだと知る。】
また、氏名不明者の遺体確認場所では、数百枚に及ぶに
及ぶ遺体の顔、全身、遺留品の写真のファイルを見て家族などを捜すことになるが、
そのことの心への影響の大きさ。想像を絶するものだった。
子どもたちが体験したもの。
親にだかれて親が高台を目指す。抱かれた子どもの目に入る映像は
押し寄せてくる津波。
【私注:対面に抱かれて後ろを見せられている子どもの視線の先には思い及ばなかった!】
高台から見る津波に呑まれる家の中から人が助けを呼ぶ姿、声。
家を押し流すバキバキいう音に耳をふさいだ中学生の子どもたち。
津波の水面に見える多くの手、手、手。
子どもたちは「津波が来るので逃げて下さい」とアナウンスしながら津波ごっこ
をする。
心理士は、これに介入すべきという。
津波に一緒に入っていき助け出すストーリーにする。津波のメカニズムを説明する。
「助けてあげるからね」というメッセージを送る。
子どもに、親の死をどう告知するか。など、子どもに関してもいろいろ考えなけ
ればならない。
親族里親の制度については、親族が長期間、これほどの子どもたちを受け入れる
ことはできない、里親が持たないのではないか。
加えて、大人にも、生き残った人は、罪悪感を感じている.特に子どもを救えな
かった親御さんの苦悩は大きい。
幼稚園、保育園、学校の先生たちが、
「自分が救って上げられなかった」
という罪悪感を吐露できる場のある人と、それさえ与えられない人がある。
自殺率があがっている。今後どうかかわっていくかは重要。
被災地で自らも被災しながら支援をしている人たちの支援、レスパイトの重要性。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
などなど、現場で体験しなければ分からない話をいくつもしてもらいました。
被災者はこれからが大変なとき。
でも、被災していない人は、そろそろ災害対応にも疲れて来るのではないか。
この温度差を、うまくどこかが指揮をして埋めていかないと、さらなる被害を出
しそうである。
起きた被害も大きいですが、その後の対処をどうするかはもっと重要だと思います。
マイナスのエネルギーをどう解消するかは、日本の社会の意識の基盤におおきな影響を
与えることになると思います。
2011.6.24
東日本震災後に宮城県沿岸部に、震災から1ヶ月後に入り取材された同研究会の
メンバーである小宮純一さん(フリージャーナリスト・元埼玉新聞社)が、
児童福祉法研究会での報告されるということで、
この会への参加を触法研の学習会に振り替えました。
簡単にご報告・紹介したいと思います。
ジャーナリストというのは、こういう切り口で事実をつかんでくるのだということに驚きました。
まず、撮影してきた映像をパワーポイントにして映写。
宮城県の津波被害にあった沿岸部を管轄する児童相談所ということで、東部児童
相談所を写す。2階の天井まで津波が来た。
津波に倒され横転したいくつものビル。
海側に屋上を向けて倒れているのは、津波が、寄せる波より引き波が強いことを示す。
津波に呑まれた跡は、空襲の後、原爆の後として知る映像にたとえるしかない。
【私注:これとまったく同じコメントを朝日新聞の本田雅和さんの現地報告でも聞きました。】
人の知恵。津波に呑まれそうになる前に手のひらや身体に、お互いに氏名、年
齢、血液型、住所等個人情報を書き合って、その後に判別できるようにした所があった。
【私注:この話はなにげなく聞いていたのです、指揮した方は、どんな精神状態で
そのマジックの文字が役に立つと想像したのか。その冷静さ或いはそれを学ばせた経験の
壮絶さに、後で愕然としました。】
小宮氏が現地に入ったのは、子どもの問題にかかわりながら、子どもたちが体
験した現場に身をおかないのは失礼だと思ったから、とのこと。
現地は、写真の映像に収まらない現実がいろいろある。においはすごいものがあ
る。漁師町で、冷凍になっていた魚介類が溶けたから。
町全体が「くさや」のようなもの、と。
【私注:聞かなければ絶対に思いつかないことばかりだと知る。】
また、氏名不明者の遺体確認場所では、数百枚に及ぶに
及ぶ遺体の顔、全身、遺留品の写真のファイルを見て家族などを捜すことになるが、
そのことの心への影響の大きさ。想像を絶するものだった。
子どもたちが体験したもの。
親にだかれて親が高台を目指す。抱かれた子どもの目に入る映像は
押し寄せてくる津波。
【私注:対面に抱かれて後ろを見せられている子どもの視線の先には思い及ばなかった!】
高台から見る津波に呑まれる家の中から人が助けを呼ぶ姿、声。
家を押し流すバキバキいう音に耳をふさいだ中学生の子どもたち。
津波の水面に見える多くの手、手、手。
子どもたちは「津波が来るので逃げて下さい」とアナウンスしながら津波ごっこ
をする。
心理士は、これに介入すべきという。
津波に一緒に入っていき助け出すストーリーにする。津波のメカニズムを説明する。
「助けてあげるからね」というメッセージを送る。
子どもに、親の死をどう告知するか。など、子どもに関してもいろいろ考えなけ
ればならない。
親族里親の制度については、親族が長期間、これほどの子どもたちを受け入れる
ことはできない、里親が持たないのではないか。
加えて、大人にも、生き残った人は、罪悪感を感じている.特に子どもを救えな
かった親御さんの苦悩は大きい。
幼稚園、保育園、学校の先生たちが、
「自分が救って上げられなかった」
という罪悪感を吐露できる場のある人と、それさえ与えられない人がある。
自殺率があがっている。今後どうかかわっていくかは重要。
被災地で自らも被災しながら支援をしている人たちの支援、レスパイトの重要性。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
などなど、現場で体験しなければ分からない話をいくつもしてもらいました。
被災者はこれからが大変なとき。
でも、被災していない人は、そろそろ災害対応にも疲れて来るのではないか。
この温度差を、うまくどこかが指揮をして埋めていかないと、さらなる被害を出
しそうである。
起きた被害も大きいですが、その後の対処をどうするかはもっと重要だと思います。
マイナスのエネルギーをどう解消するかは、日本の社会の意識の基盤におおきな影響を
与えることになると思います。
こんばんは。
私が定期購読している、ある業界の新聞には、生き残った被災者のなかには、生き残ったことに罪悪を感じたり、また、せっかく生き残っても生活してゆけずに自死する人が増えているという記事が掲載されていました。
ほんとうに、辛い、辛すぎる現実です・・・。
生き残ったらよかった、ではなく、生き残ったことを責めるという心理は、東京大空襲の被害者の方もまったく同じでしたので、今回の震災でそのようなお話を聞くとデジャヴかとおもってしまいます。
それ以外にも、心の傷はこれからも長く残っていくのでしょうね.辛いですね・・・。
なぜか、日本のマスコミは全く取り上げません。朝鮮人学校の無償化適用除外については、声明まで出して猛反発した日弁連や、杉浦センセーはなぜこの件について意見表明しないのでしょうネ?
ああ、念のために言っておきますが、私は、もとより、このような、海外避難した留学生を金で釣るようなバラマキを肯定するモノではありませんよ。