裁判員制度による裁判が本年5月21日から開始され、その第1号事件の判決が8月6日に東京地方裁判所で言い渡されました。裁判員体験者に対する取材や報道も様々なされ、そのなかで「分かりやすかった」ということがいわれているようです。
ところで、この裁判員裁判が行われる数日前に、裁判所へ夏休みの課題の裁判傍聴に訪れているらしい数人の男子高校生(2年か3年らしい)が話しているのを耳にしました。どんな事件だったのかは分かりませんが、どうも刑事裁判を傍聴したようでした。
「何をやっているのか分からなかった」
「だいたい、使っている言葉が分からない」
「座って見てたってだけで、来たってことぐらいしか感想は書けない。内容についてはなんの感想も書けない」
彼らの雑談あたりから耳ダンボで聞いていましたが、それなりまじめに傍聴しようとしていた生徒さんたちのようでした。それでも、裁判を把握することはむずかしいという感じでした。
もともとこのような分かりにくい裁判を、裁判所が中心になって「分かりやすく」料理したとき、盛りつけられた「ごちそう」になるまでに、どのような部分が廃棄されていくのか、と考えると不安になります。
廃棄されたものの中に重要な素材が入ってはいないのか?
食する側がプロならば、ごちそうになった姿を見て、準備されていたであろう食材を想像することができるかも知れませんが、はじめての人であれば、盛りつけられたものがすべてです。
そうこう思っていると、今日(9日)東京新聞に、元裁判官にアンケートを採ったという結果が載っていました。
元裁判官106人が市民団体のアンケートに答えたというものです。
アンケートを実施したのは「死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90」(東京)。公表されている弁護士、法律学者、公証人の名簿で元裁判官と判明した約900人にあてて、7月にアンケート用紙を郵送し、回答を得たということです。
まず誤判について、
「避けられない」 87
「避けられる」 12人
無回答は 7人
誤判を避ける対策を尋ねたところ、
・ 取り調べの可視化
・ 検察の捜査などを批判的にみることが必要
・ 裁判官と検察官の質向上 を挙げた人もいた
そして、裁判員制度について
賛成 32人
反対 65人
無回答 9人
「アマチュアには無理」として“プロ”による裁判を肯定する人が多かったということです。
この「アマチュアには無理」という意見が、裁判官の特権意識であり、エリートの思い上がりであればいいのですが、もし、現場にいる裁判官には本当は無理だと分かっているのに、何らかの理由で、「裁判員用」の特別あつらえの裁判にされているとしたら、裁判礼賛、市民のお墨付きの裁判にすることの背後を考えて見なければならないのではないでしょうか。
ところで、この裁判員裁判が行われる数日前に、裁判所へ夏休みの課題の裁判傍聴に訪れているらしい数人の男子高校生(2年か3年らしい)が話しているのを耳にしました。どんな事件だったのかは分かりませんが、どうも刑事裁判を傍聴したようでした。
「何をやっているのか分からなかった」
「だいたい、使っている言葉が分からない」
「座って見てたってだけで、来たってことぐらいしか感想は書けない。内容についてはなんの感想も書けない」
彼らの雑談あたりから耳ダンボで聞いていましたが、それなりまじめに傍聴しようとしていた生徒さんたちのようでした。それでも、裁判を把握することはむずかしいという感じでした。
もともとこのような分かりにくい裁判を、裁判所が中心になって「分かりやすく」料理したとき、盛りつけられた「ごちそう」になるまでに、どのような部分が廃棄されていくのか、と考えると不安になります。
廃棄されたものの中に重要な素材が入ってはいないのか?
食する側がプロならば、ごちそうになった姿を見て、準備されていたであろう食材を想像することができるかも知れませんが、はじめての人であれば、盛りつけられたものがすべてです。
そうこう思っていると、今日(9日)東京新聞に、元裁判官にアンケートを採ったという結果が載っていました。
元裁判官106人が市民団体のアンケートに答えたというものです。
アンケートを実施したのは「死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90」(東京)。公表されている弁護士、法律学者、公証人の名簿で元裁判官と判明した約900人にあてて、7月にアンケート用紙を郵送し、回答を得たということです。
まず誤判について、
「避けられない」 87
「避けられる」 12人
無回答は 7人
誤判を避ける対策を尋ねたところ、
・ 取り調べの可視化
・ 検察の捜査などを批判的にみることが必要
・ 裁判官と検察官の質向上 を挙げた人もいた
そして、裁判員制度について
賛成 32人
反対 65人
無回答 9人
「アマチュアには無理」として“プロ”による裁判を肯定する人が多かったということです。
この「アマチュアには無理」という意見が、裁判官の特権意識であり、エリートの思い上がりであればいいのですが、もし、現場にいる裁判官には本当は無理だと分かっているのに、何らかの理由で、「裁判員用」の特別あつらえの裁判にされているとしたら、裁判礼賛、市民のお墨付きの裁判にすることの背後を考えて見なければならないのではないでしょうか。