記日きつい思れぐま気 from バンクーバー

2012年4月から妻の海外赴任に伴い主夫業と育児に励む30代男性の日常。バンクーバー関係ないことも多々あります。

日常的な寄付活動が根付く文化

2012-12-12 10:20:56 | バンクーバー・雑感
よく欧米は寄付文化が根付いていると言いますが、こちらに来てからそれを心から実感しております。小学校では以前にテリーフォックスランというイベントがありましたが、父母会のミーティングでも「もっと寄付を積極的にやるプログラムを!」なんて声が上がるほど。それも、ただお金をあげるというだけではなく、「子ども達に、なぜ彼らは寄付が必要なのかというのを授業に組み入れて、その上で寄付を募ってはどうか」とかそういう大真面目な話に展開しております。素直にすごいなあ、と。

クリスマスも近く、それにちなんだイベントも開催されております。ホテルのロビーなどに色々な企業や団体が協賛してたくさんのクリスマスツリーを飾り、いちばん気に入ったクリスマスツリーに投票すると同時に寄付をするVancouver Festival of Trees(寄付先はChildren's Hospital、子ども専用の病院)なんかみんなが幸せになれてとても素敵だと思います。こちらも見学に行ってきたので改めてレポを書きますね。






で、本日はホリデーハンパーという寄付活動のお手伝いに行ってきました。
ホリデーハンパーとは、貧しくて恵まれない子どもがいる家庭にクリスマスプレゼントを贈ろう、という試みで、各クラスに割り当てられた家族がいます。もちろん住所などは伏せられていますが、子どもの名前、年齢、性別と、彼らのウィッシュリストが貼り出され、それを見てあげたいものを選んでプレゼントします。基本的には食べ物、子どもの服、オモチャなどがリストアップされています。ただし、食べ物は賞味期限が切れてるものはダメよ、とか、英語の説明がついていないもの(移民の国ならではですね)も遠慮してねとか色々と制限があります。

今回、娘のクラスの割当家族は5歳と7歳の男の子のいる家庭。欲しいものは、
・スーパーのギフトカード
・服
・オモチャ(ポケモン、ベイブレード、Ninjagoのレゴ)
ということでした。オモチャの指定細かいなあとも思いましたが、子どもに罪はないし、サンタさんに頼めないならここに頼るしかないもんね。ギフトカードは、ちょっと換金されちゃうんじゃないかという心配もありますが、生鮮品を買うのにはやはりこういうものの方がいいんでしょうね。

で、娘に「お金がなくてご飯や欲しいものが買えないお友達がいるんだけど、何をあげたらいいかな?」と相談したら、「うーん、やっぱり、オモチャかな!」とおっしゃるのでポケモンのオモチャを買ってきましたよ。トイザらスでベイブレードにするかポケモンにするか迷ったのですが(レゴは高いから却下!)、兄弟二人で遊べそうなものということでポケモンのカードセットにしておきました。眺めたりなんか適当に遊び方を考えつくだろ、子どもだし。

で、他のクラスメイトからも集められたプレゼントを仕分けして袋詰めするのが今回のお仕事。
「期限切れのものを入れるやつなんているのかよ」と思いながらもちょっとドキドキしてましたが、幸いにもうちのクラスには誰もいませんでした。でも他のクラスは結構たくさんいた模様。うーん、やはり寄付に対する立ち位置は人それぞれなのねえ。
そして、リストにそったものはほとんどありませんでした(笑)僕がトイザらスで小一時間悩んだ時間はなんだったんだろうというくらいみんな自由。ギフトカードは皆無で、鬼のようにパスタとマッケンチーズが入れられてたり、韓国海苔なんて食わねえだろうとか、小麦粉は使い勝手いいだろうけど10kgってすごいねとか突っ込みどころ満載で、それだけで手伝いに行ったかいがあるってなもんですよ。オモチャもご希望にそったものは僕の他に1つ、ポケモンのフィギュアがあっただけ。あとはスターウォーズやらスポンジボブやらどう見てもそれ女の子向けだろというものやら使い古したものやら。うん、大切なのは気持ちだけど、その使い古しのオモチャに気持ちはこもっているのかい?うちの学校はお金持ちが多いはずで我が家は貧乏な部類のはずなんだがなあ。


左の青い箱と真ん中の青い箱・オレンジの箱は全てマッケンチーズです。大好きだなおい。


自分のラッピング技術の限界を見た orz

ということで、冒頭に書いたように文化として根付いてはいるのですが、寄付の精神はどこにあるんだ!と問いたくなるような部分がないでもないなあと思わずにはいられませんでした。まあ強制されるものでもないし、寄付してもらっておいて文句を言うものでもないですけどね。ちなみにこの寄付の精神が行方不明になっている理由の1つには、移民(特にアジア系)が多いからかな、と推測しております。そういう文化を持たない国から来た方からすると、あまり積極的ではないのかもしれません。「○○からの寄付」とか書いてあるわけではないのでわかりませんけどね。いずれにせよ、子ども達はずっとこちらに住み続けるのであればしっかりと寄付の習慣を身につけてもらいたいなと思いました。


おまけ
ちきりんさんの本、「世界を歩いて考えよう」の中で「アメリカなどは小さな政府志向だから、富の再配分は政府を通じてではなく寄付によって成り立つ」みたいなことが書かれています。それはそれで一理あるのですが、カナダの場合、福祉の充実がすごいです。医療は無料だし(歯医者は高いけど)、炊き出しもやってます。生活保護もちゃんと貰えます。その分、税金は高いですけどね。それでも寄付が日常に根付いているのはカナダの凄さだなあと感心せざるをえません。カナダ、ええとこやで。

社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう!
大和書房



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