埼玉発、研修講師のつぶやき~マナー・食・文化・四季折々~

埼玉を元気にするため地域限定で活動する研修講師が感じたマナー・食・文化のことなどを折に触れ発信します

言葉に尽くせぬ感謝を

2012-09-08 | 日記

今朝、いつものように何気なく朝刊を開いて、愕然としました。私が、長年公私に亘りお世話になっている方の訃報が掲載されていたのです。
企業の会長であり、数々の公職にもついていらっしゃる方なので、本来なら亡くなってすぐわかるはずですが、既にご親族だけで密葬を済ませれ、本日付で公表なさったということです。
先代から親子3代にわたり本当によくしていただき、今日の私があるのは、こちらの会社とそのご一族様のおかげといっても過言ではありません。

本来なら、何をおいても駆けつけるところですが、ふと考えました。今日まで伏せていらっしゃったのですから、朝刊を見て、関係各方面は大騒ぎでしょう。ご自宅の電話は朝から鳴りっ放しではないでしょうか。お電話差し上げるのも控え、すぐにでも飛んで行きたい気持ちを抑え、冷静に考えてみました。自宅に来られても、ご迷惑なのではないか。奥様はさぞお疲れでしょう。でも、こんなにお世話になったのに・・・どうしよう

午後になって、お電話を差し上げました。会社の方がお出になり、やはり私が想像した通り、朝から大変だったようでした。丁重にご辞退をいただいたので、後日行われるお別れの会に伺うということで、ご家族へのお言伝をお願いし、本日の弔問は差し控えました。
先代が亡くなった折には、ご連絡を頂いてすぐにご自宅に伺い、ご対面させていただきました。ご家族とご一緒にゆっくりお別れができました。今思えば若気の至りというか、何も考えずに伺いましたが、あれでよかったのでしょうか。そういえば他にどなたもいらっしゃいませんでした。

現在、マナーや常識を人に説いている立場であるが故、相手の立場を慮り、常識的な判断を優先させてしまいますが、正直言って、とても辛いのです。自分の気持ちのままに飛んで行って、お別れができたら・・・と、つくづく考えてしまいました。

会長、長い間ありがとうございました。どうぞ安らかにお休みください。(合掌)


アクセントの平板化

2012-04-25 | 言葉

先日ある席で、最近の若者のアクセントの平板化について話題になりました。

これは、かなり以前から言われていたものですが、今の若い人たちは(私もこんな言い方をするような年になった)何でもアクセントをつけず平板に言うのです。私はPCのスキルがないので、上手く表現できませんが、いくつかの例を挙げます。

【彼氏とカレシ】
そもそも「彼氏」は「か」にアクセントがあるものでしたが、最近の女の子は「カレシ~」と、カ・レ・シを平板にいいます。一説には、彼氏は元々の意味であるステディーな関係の恋人を指し、今時のカレシはもっと軽い感じだそうですが。

【クラブ】
「クラブ」と最初の「ク」にアクセントがあるものは、銀座などのキレイなお姉さんがいる所。平板の「クラブ~」は、若者が遊びに行くところ(以前はディスコと言いました)

【デニム】
生地の「デニム」は最初の「デ」にアクセントがありますが、最近はデニムでできたパンツ「ジーパン」のことを「デニム」と平板で言います。ついでながら、このパンツの呼称に年代が出るようで、私達より前の時代はずっと「ジーパン」、その後「ジーンズ」と言った頃もありましたが、最近は「デニム」と言っていますね。デニムで出来たデニム、ん?私は今でもジーパンと言ってしまいます。

その他に、スニーカー、自転車、等々、昔とアクセントの場所が変わってきているものは多数あります。言葉は世に連れ、大多数の人が使うようになれば、それが正しいとされるようになると言いますが、私はまだ違和感があります。あっ、でもスニーカーはちゃんと今風に平板で言えますよ、ウフッ。


新入社員研修で

2012-04-14 | 日記

先日、毎年春の恒例となりました長瀞皆野の新入社員研修に行って参りました。
これは、両町合同で、町内企業へ就職した新入社員を激励するという行事の一環です。午前中は私が担当するビジネスマナー研修、午後は消費生活センターの方による、若者が金銭的な犯罪被害にあわないためのセミナーが行われます。私も聴講しましたが、本当に色々な手口の犯罪があってビックリしました。
その後、町長はじめ地域の関係者が出席しての懇親会が行われます。数年前、初めて伺った折には、このような習慣があることに驚きましたが、聞くところによると秩父地域では、他の町も同じような催しをやっているそうです。さいたま市などの県南ではこのようなものはありません。まぁ人数が違いますが、皆で若者のスタートを祝ってあげるというのは、何となく微笑ましい行事だなと思います。

秩父鉄道に揺られての1泊2日の旅。宿舎は会場になっている「長生館」。長瀞は、昨年ミシュランに掲載された埼玉が誇る観光地です。例年は丁度この時期桜が満開なのですが、今年は冬が長かったため、残念ながらまだ蕾でした。気候のせいで、宝登山の蝋梅も今ひとつだったとか。自然がウリの観光地はお天気頼みで本当に大変です。京都や奈良とは違いますから。観光協会にお寄りしましたら、専務理事の古澤さんが今後の長瀞をどうしていこうかと、熱く語って下さいました。微力ながら、私も喜んでお手伝いさせていただきます。
長瀞・皆野の皆様、今年もお世話になりました。来年も桜の季節にお会いするのを楽しみに致しております。


3・11東日本大震災から1年

2012-03-12 | 日記

時がめぐり、悲しみも新たに鎮魂の日がやってきました。もう1年、ようやく1年、まだ1年・・・立場や人によって色々な感慨があるでしょう。ただ、歴然とした事実として、まだたくさんの方々が、今後の展望も開けぬまま避難生活を送り、更に辛いことには多数の方々の行方すら確認できていないという事があります。

昨日は、世界各地で、それぞれが、改めて一年前に思いを馳せ、被災者の方に心を寄せたことでしょう。忘れっぽいといわれている私達日本人。既に、阪神淡路をはじめとする各地の災害について、日々心に留めている人は少ないと思います。さすがに今回の震災については、テレビや新聞等のメディアが毎日報道し続けてくれているお陰で、私達も忘れずにいることが出来ますが、それでも日々の生活の中で、当時と同じ思いを持ち続けているかと問われれば、言葉がありません。

震災直後は何も手につかず、朝起きて新聞を読んでは涙、テレビを見ては涙・・・。まだ何も行動も出来ず、暖かい部屋で、こんなに美味しい物を食べていていいのだろうかと、毎日悶々としていました。正確な名前は忘れましたが「生き残っちゃった症候群」のようなものがあると聞きました。関東地方で唯一死者ゼロの埼玉県。特に当地さいたま市は本当に安全で、拙宅では花瓶ひとつ倒れませんでした。物資の不足もすぐに解消し、ありがたいことに、3月10日以前と同じ生活を送ることが出来ました。

当時、世界中で募金やボランティア活動など様々な支援が行われました。でも、これがいつまで続くだろう、きっとまたいつものように、忘れていってしまうのかもしれない、自分に何が出来るだろうと毎日考えあぐねていました。そんな時に知ったのが、「桃柿育英基金」。これは建築家の安藤忠雄さんやノーベル賞受賞者の学者さんたちが立ち上げた、震災遺児を長期に亘り支援する基金です。一度に多額の募金をすることも尊いでしょうが、今後10年間毎年支援をし続けることで、常に忘れずにいられる、遺児たちを見守り続けていける、とても良い制度だと思いました。自分への免罪符にするつもりはありませんが、これで少し心の重石が軽くなったような気がしました。

世界中が賞賛を寄せた日本人の素晴らしさ。被災してもなお、我慢強く逞しくしなやかに頑張っている皆様に恥じないよう、一年を迎えたこの日を機に、私も気持ちを吹っ切り再スタートをと思っています。


今日は小正月

2011-01-15 | 行事・歳時記

大晦日から三が日を大正月と言うのに対し、1月15日は小正月。

小正月の朝には、小豆粥を食べて、一家の無病息災を祈る習わしがあります。鏡開きに比べて、やや知名度不足の感があり、お汁粉より小豆粥は馴染みがない方も多いかもしれませんが、とても美味しいものです。小豆粥には、塩派と砂糖派があるのをご存知でしょうか。お粥にお塩、これはまぁ普通として、「エ、エェー、お砂糖?」と思うかもしれませんが、これもまた、なかなかいけますよ。考えてみれば、おはぎやお団子があるのですから。

かつては松の内も小正月まででしたが、現代では小正月までお祝いの行事を続ける余裕もありません。また、別名「女正月」と言って、暮からお正月にかけて何かと忙しかった女性の休息日とする意味もありました。でも、昔のように大掃除をしたり、お節を作ったり、年始客の接待をしたり、座る暇もなく働くなんていう主婦もいなくなりつつあるでしょうから、時代と共に習慣も変わってきたのでしょう。暮から一家で海外旅行なんていうのも当たり前の昨今ですから。お節料理にしても、昔は三が日は商店が休みで、仕方なく保存の利くものを用意しなくてはならなかったでしょうが、今はコンビニは元日から、スーパーやデパートは2日からやっていますものね。でも私は、正月三が日はお財布を開かない(お金を使わない)という教えを守っています。

【今日のワンポイント】

今日でお正月の行事は全て終わりです。遅れていた年始のご挨拶に伺うのも、今年初めて会った人に「おめでとうございます」と挨拶するのもこの日までです。正月用品を仕舞うのもこの日を目処にします。重箱や屠蘇器などの塗物は、きちんと手入れをして保管し、来年に備えましょう。

 

 


鏡開きも済んで

2011-01-12 | 行事・歳時記

今朝起きてくると、何となく家の中の雰囲気が変わっていました。そう、昨日の鏡開きが済んで、家の中にお正月を感じさせるものがほとんどなくなったからでしょう。

1月11日は鏡開き。年神様にお供えした鏡餅を下げて、お汁粉にしていただきました。年神様の霊が宿ったお餅を食べることで、新しい生命力が授けられると言われています

鏡餅は大小二つのお餅を重ねますが、これは月と太陽(陰陽)を表しています。正式には三方に半紙を敷き、裏白(ウラジロ)とゆずり葉(ユズリハ)を置いて鏡餅を置き、橙(ダイダイ)を載せますが、これに昆布や串柿、するめ、海老等の縁起物を添えることもあります。てっぺんに載っているのは蜜柑でも金柑でもありませんよ。代々譲るという意味で橙が正解です。

最近では、お餅をそのまま飾ってあるものはあまり見かけなくなりましたが、本来はガチガチに硬くなってひびの入ったお餅を木槌などで叩いて使います。包丁などの刃物で切るのは縁起が悪いからです。今は真空パック入りになり、カビひとつ生えず、型から出して簡単に使えてとても便利です。鏡餅の型の中に角餅が入ったものもあるそうですが、角餅ではちょっと意味が違うかなとも思います。先日、薄型テレビの上に挟んで置くタイプや壁掛け型のものが紹介されていましたが、そこまでしなくても、飾り棚などのちょっとしたスペースに置けばよいのでは?

鏡開きと言えば、お祝いの席やパーティーなどで使われる樽酒もありますが、どちらも切る・割ると言わずに開くと言うのは、忌み言葉を避けるという同じ理由からです。


今日は七草

2011-01-07 | 行事・歳時記

早いもので年が改まって、もう一週間が経ちました。今日は七草。七草粥は召し上がりましたか?

「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ」春の七草。何となく見覚えのある雑草のようなものもあり、すずなは蕪、すずしろは大根。春の七草が食べられるものであるのに対し、秋の七草は花を付けるものが多く、特に茶花として珍重されます。

スーパーの店頭でも、パック入りの七草セットが売られていす。私は数日前にこれを買い求め、今朝七草粥を頂きました。正月疲れの胃腸に優しいと言われますが、本当に何だかスッキリしました。ご存知のように、お粥をお米から炊くのは大変。でもご安心をレトルトパックの白粥を温めて、パックの七草を刻んでサッと湯がいて合わせれば、ハイこれで七草粥の出来上がり 忙しい朝に手間を掛けなくても、季節感は味わえます。現代生活の中に上手く伝統行事を取り入れる工夫をすれば、決して面倒ではなくなりますよね。

確かにお米からコトコト時間をかけて炊き上げたお粥は美味しいものです。よく、時間と愛情が料理を美味しくしてくれるなんて言いますが、そんな面倒なことしない、と言っているうちにドンドン旧いものが失われていきます。ですから私は便利なものは上手く利用することも否定することはないと思っております。

【今日のワンポイント】

今日で松の内は終わり。お正月飾りを片付けましょう。クリスマスツリーもお雛様も、季節のものは、早めに出して終わったらサッと仕舞うことが大切です。あ、鏡餅はまだですよ。鏡開きは11日です。

年賀状も今日でおしまい。これから立春までは寒中見舞いになります。ここでご注意ですが、暑中見舞いや寒中見舞いを書く時に、目上の方には「お見舞い」ではなく「お伺い」にいたしましょう。


お正月

2011-01-04 | 行事・歳時記

明けましておめでとうございます。今年一年が皆様にとって、良い年でありますように。

お正月は日本人にとって特別なもの。普段現代的な生活を送っている人も、何となくお正月気分で日本的な生活を送ったのではないでしょうか。お正月には、この時季にしか聞かれない言葉やしきたりが多くあり、一年で最も日本を意識出来る季節でもあります。

時代と共に、伝統や文化も廃れつつありますが、一時のイケイケドンドンの時代に比べ、最近また日本的なものが見直されてきたようです。町家再生や和服の復活、歌舞伎や茶道などの和ブーム等々、動機は様々でも、喜ばしいことだと思います。特に、季節の行事やしきたりは、やはり家庭で受け継がれていくものですから、昔のままにとはいかなくても、できる範囲で生活に取り入れたいものです。

お正月と言えば、御屠蘇・お節・お雑煮の三点セットです。さすがにお節を全部手作りという家は少なくなったと思いますが、たとえ市販のものでも、家族でお節を囲んで、それぞれの謂れをお子様に説明しながら楽しめれば、それで充分だと思います。お節には家内安全・五穀豊穣・子孫繁栄などを願って、一つ一つにきちんと意味があるのです。  お雑煮は、地域によって特徴があっておもしろいですが、我が家はシンプルで殺風景な江戸前です。最近は屠蘇散を使った本当のお屠蘇で祝うことも減りましたが、日本酒でもいいじゃありませんか、何となくそれらしい演出をして。

【今日のワンポイント】

お屠蘇は、年少者から順番に杯を頂きます。

お箸は両端が細くなった物を用意しますが、これは片方を年神様がお使いになるためです。箸袋に名前を書いたものを三が日使いますが、最近は干支の絵入りの可愛いものも売っていますので、家族それぞれの干支を用意するのも楽しいですね。

 

 


お正月の準備

2010-12-30 | 行事・歳時記

今年もいよいよ今日明日を残すのみとなりました。時の経つのは本当に速くて、一年はアッと言うまでした。お正月の準備はお済みでしょうか。

大掃除まで手が回らなかった方も、せめて玄関回りはきれいに掃き清め、「年神様」をお迎えしましょう。最近は門松を建てる家はほとんどなくなり、デパートや大きな商店でしか見られなくなりましたが、近くの和菓子屋さんの店先に門松を見つけ、何だか嬉しくなりました。さすがです~。

門松は、「年神様」が家に降りてくる際の目印として立てるものですが、せめて小さな松飾りやリースなどでお正月気分を演出したいですね。お正月飾りは28日までに済ませます。29日は「二重苦」につながり、31日は「一夜飾り」になるので忌み嫌われます。迎え花などの生花は、スッキリとお掃除の終わったところで30日に飾ると良いでしょう。掛け軸もお正月らしいものに変えて。こうしてお正月を迎える準備が整うと、家の中の空気がピリッと引き締まります。

【今日のワンポイント】

松飾りや注連縄などは、「事始め」の12月13日から28日頃までに飾ります。生花などは30日が良いでしょう。29日は語呂が悪く、31日では一夜飾りになるので、避けましょうね。家の中にフォーカスポイントを作って、お正月気分を盛り上げましょう。


師走に大掃除は常識?

2010-12-13 | 行事・歳時記

早いもので、もう師走。今年も残り僅かになりました。

今年は、夏の暑さが10月中旬まで続いたので、秋を通り越して一気に冬になったような、「そういえば秋なかったわよねぇ」先日もそんな話をしていました。ところが12月になっても、コートのいらない日もあり、今日は最高気温9度だそうですが、明日は18度ですって!一体どうしたのでしょう今年は。

いよいよカレンダーとにらめっこで、何かと慌しいことと思いますが、着々と準備はお進みですか?私は年末の大掃除より日頃の小掃除をお勧めしています。つまり、日常こまめにキレイにしていれば、何も暮れに大変な思いをしなくても済むということです。徹底的に汚してしまってから落とそうとするから大騒ぎになってしまうのでしょう。

今日のワンポイント

「出したら仕舞う」「開けたら閉める」これは整理整頓の基本。これだけで家の中はいつもスッキリ片付いています。「汚れは熱いうち」ガスレンジの吹きこぼれや汚れは、余熱の残っているうちにサッと拭くと簡単です。ただし五徳を持つ際には火傷しないように、鍋つかみを使って注意してくださいね。暮れにあれこれ洗剤や道具を駆使してゴシゴシやらなくても大丈夫。これは電子レンジの庫内にも当てはまります。使う度に、取り出した後サッと拭く習慣をつけておけば、「レンジ内の頑固な汚れを落とすには、コップに水を入れて加熱し蒸気で汚れをゆるめましょう」などという、暮らしの知恵袋みたいなものを使わなくても済みますョ。分かっちゃいるけどなかなかね、と言う声が聞こえてきそうですが・・・

これでいつも家中キレイ 年の瀬も余裕です。是非今日から実行あるのみ