おばばの部屋

無駄に観てきた映画の備忘録

フレディVSジェイソン★★

2005年08月31日 | 
なんでもありのジェイソン、コメディに走ったフレディ。
期待度は、はなから薄い。
そしてその通りだった。

自分が力を取り戻すためには、人々の恐怖を掻き立てなければならない。
よし、こうなったらジェイソンを利用しよう!
なんて思いつく辺りで、フレディの恐ろしさ皆無。
元からなかった権威も、哀れ露と消え去った。
片方がそんなんでは、相当厳しい。
やむなく、気分はジェイソン、ファイト。

怪物同士が、己の体力自慢をたてに、ひたすら残酷行為を繰り広げるのを撮りたかったのだろう。
人間相手なら、すぐ死んでしまって面白くないから。
そんな化け物同士の切った張ったシーンも、なんだか飽き飽き。
だって、死なへんねやろ?
ハラハラ感もなにも、あったもんじゃない。
ただフレディが好きじゃないから、おざなりにジェイソン頑張れと思うのみ。
それだけでは、98分という時間も長すぎる。

ジェイソンを応援し続けたものの、なんだか本編よりも随分と貧相に見える彼に脱力したのも事実だ。
もっと威圧感出してよ。
ちょろ毛がヒョロイよ。
眠りすぎは、あんまり体に良くないよ。
おばばも気をつけなければ。

オーシャンズ12★

2005年08月31日 | 
えっ、今の映画じゃなかったんですけど。
お金返して頂けませんか。
心底そう思った。

共演者の仲がいいのはよく分かる。
でも楽屋ネタは、内輪でやってよ。
学芸会じゃあるまいし。
大物が出すぎて、誰も何も言えなかったのか。

そろいもそろって、なんでそうあっさりベネディクトに見つかるのかねぇ。
肝心の盗みシーンも、爽快感ゼロ。
だって、それがメインじゃないんだもの。
俺たちゃ仲良し、っていうのを観客に見せ付けるのが、最大の目的なんだもの。
唯一の救いは、カメオのブルース・ウィリス、真面目にやったヴァンサン・カッセルだけ。
ウィリスの登場シーンの、テス=ジュリア・ロバーツネタでどんびき。
それだけはあかんやろ。
ジュリア・ロバーツは美人だし、ビッグスターだということは、よく知ってる。
人気絶頂の女優に似てる、なんて言われても、クスリともしない。
自虐ネタでもなんでもない。
まさにホームムービー。

ラストも、なんですかそれは状態で、しばらく理解できなかった。
いまだに理解できていないかもしれない。
結局は親の力ですか。
いいとこなしのマット・デイモンが、さらに哀れ。

自分から観たいと言い出して、深夜2時からのレイトショーに行って、隣でグーグー寝ていた友人が、ちょっと羨ましかった。
謝られても、観る価値ないよ、としか言えない自分にがっかり。


穴★★★★

2005年08月31日 | 
ソーラ(ゾーラ?)・バーチのデコの広っぷりは素晴らしい。
クリスティーナ・リッチも真っ青だ。
額の広い人は賢そうに見えるが、バーチも然りだと思う。
それにあの、ふてぶてしそうな表情。
主人公のリズは、彼女以外には考えられない。

二転三転する話。
「藪の中」的展開は、最近ではよく見られる手法だけど、それをバーチ一人でグイグイ引っ張る演技力が素晴らしい。
典型的モテ少女を演じたキーラ・ナイトレイを始め、周りは完全に彼女の引き立て役だった。
イギリスの名門パブリックスクールというからには、皆それなりに頭はいいのだろうけれど、リズを慕うマーティン以外は、ちゃらんぽらんっぽい。

ちょっとひねた秀才にはモテたくない。
その一言に尽きる。

ラスト・オブ・モヒカン★★★★★

2005年08月30日 | 
ええー、インディアン映画ー!?と最初は思っていたのだが。
最高!!
長髪の男って、嫌いやねんなー、と思っていたのだが。
かっこいい!!

まだフランス側が優勢だった頃の、独立戦争時のアメリカが舞台。
モヒカン族の最後の生き残り、酋長チンガチュックとその息子ウンカス、義理の息子ホークアイ(ナサニエル)。
原作があるものの、やっぱり白人か、なんて思いきや、この3人が絶妙のコンビネーションと、固い親兄弟の絆を見せてくれるので、そんなことは気にならない。
彼らが大自然の中をひた走り、存分に勇を示す場面はじつに爽快。

マデリーン・ストー、ジョディ・メイ姉妹が美しい。
正反対の性格の2人だけど、ヒロインはこうでなくちゃ、と思える。
若干、ストーの演技が気になるところだけど、クラッシックな清楚さと、姿勢の良さに免じて○。

敵役のヒューロン族、マグアの、憎憎しい演技も見もの。
セリフではなく、表情でより多くを語ってみせる。
それまでの、インディアン=非道な悪者、という構図に一歩踏み込んで、マグアにも戦う意味を持たせたのがいい。
他国の争いに巻き込まれたネイティブアメリカンの悲劇を、十分ではないにせよ、描けていると思う。
なにせ、あのマグアが、気の毒にさえ思えてくるのだから。

モヒカン族とはいえ、メインの3人は当然というか、モヒカン刈りではなかった。
かろうじて、チンガチュックパパが、ちょんまげみたいなものを結っている。
本来はあれをモヒカンというのだろうか。
このパパは、結構なお年のはずだが、実によく頑張る。
最後はまさに独壇場。
親父最強。
しかし、その常人離れした強さの原因が、この映画のタイトルゆえんであったことに、なんともいえない悲哀を感じる。

十本の指に入る快作。

ヴィレッジ★★★

2005年08月30日 | 
悪くない。
珍しく、オチ予測が当たってしまったにも関わらず、最後までそれなりに楽しめた。
しかしながら、パズルのピースがバシバシ合っていくような、そんな種明かしを期待してしまっていたので、その点では期待はずれ感が残る。

世間から隔絶された中で暮らしてきたという設定ゆえにか、役者陣の抑えた演技が作風にあっていていい。
中でも、エイドリアン・ブロディは、さすがオスカー俳優と思わせる程良かった。
村というか、共同体のような彼らの生活は、ちょっと憧れみたいなものを感じる。
生活を守るためには、ああするしかなかったとも思う。
ちょっと浅知恵のような気もするけど。
どうやってあの特権を手に入れたのだろう。
お金を積めば、どうにかなる問題なのだろうか。
それにしても、歴史の浅い村だ。
もっと何世代も続いているように設定されていれば、感じ方も変わってきたかもしれない。
覚悟を決めて臨んだ割には、ウィリアム・ハートの決意が揺らぐのも早すぎる。
盲目とはいえねぇ。
その辺りが、イマイチ感を与える原因でもあるのだろう。

シャマラン監督作品は、不思議。
『シックス・センス』のどんでん返しが強烈だったので、以後の作品では必ず比較され、ほとんどが、けなされているようだ。
しかし、彼の個性に満ちた、全編にわたる雰囲気づくりと盛り上げ方は、独特だと思う。
彼が意図した緊迫のシーンで、狙い通りドキドキさせられるうちは、まだまだ次回作を期待しながら観てしまうのだろう。