ナラの木 福島県・会津版 河原田ヤスケさん訳 2012.6.2
すんげい強えい風が吹いだんだなし
昼間も夜も
ナラの木の葉っぱ まるごど吹っ飛ばし
枝をびゅんびゅんど揺らして
木の皮も引っぺがえすほどだった。
そんじナラの木は まっぱだかになっつまった
んだげんじょも 地面にどっかりど立ってたんだど
ほがの木はみんな倒れっつまったげんじょもな
くたびっちゃ風は
あぎらめで言ったんだど
「おめ、ナラの木、なじょして まだ立ってられんだい?」
ナラの木は言ったんだど
「お前(めい)さんは おらの枝を折っちまうごども
いっぺいの葉っぱを吹ぎとばすごども
枝どが おらをゆらしたりすっごども出来んべい
んだげんじょ おらには大地に張った
根っこがあんだ
おらが生まっちゃどぎがら
ちょこっとづづ強(つえ)ぐなったんだ
んだがら お前(めい)さんは おらの根っこ絶対(ぜってい)さわらんに
わがっかい
根っこは おらの一番深えいどごだがらだ
本当は今日まで
おらは よぐわがってねがった
おら自身が どんだげ ものごどに耐えられっかをなし
んだげんじょ やっとお前(めい)さんのおかげで
気付(きづ)がしてもらっただし
おらが おらを知ってだよりも
おらは強(つえ)いんだっつうごどを」
すんげい強えい風が吹いだんだなし
昼間も夜も
ナラの木の葉っぱ まるごど吹っ飛ばし
枝をびゅんびゅんど揺らして
木の皮も引っぺがえすほどだった。
そんじナラの木は まっぱだかになっつまった
んだげんじょも 地面にどっかりど立ってたんだど
ほがの木はみんな倒れっつまったげんじょもな
くたびっちゃ風は
あぎらめで言ったんだど
「おめ、ナラの木、なじょして まだ立ってられんだい?」
ナラの木は言ったんだど
「お前(めい)さんは おらの枝を折っちまうごども
いっぺいの葉っぱを吹ぎとばすごども
枝どが おらをゆらしたりすっごども出来んべい
んだげんじょ おらには大地に張った
根っこがあんだ
おらが生まっちゃどぎがら
ちょこっとづづ強(つえ)ぐなったんだ
んだがら お前(めい)さんは おらの根っこ絶対(ぜってい)さわらんに
わがっかい
根っこは おらの一番深えいどごだがらだ
本当は今日まで
おらは よぐわがってねがった
おら自身が どんだげ ものごどに耐えられっかをなし
んだげんじょ やっとお前(めい)さんのおかげで
気付(きづ)がしてもらっただし
おらが おらを知ってだよりも
おらは強(つえ)いんだっつうごどを」