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ギター・ヘブン~グレイテスト・ロック・クラシックス~ / サンタナ

2010-10-11 23:14:12 | Music
ROCK

サンタナのニューアルバム『ギター・ヘブン~グレイテスト・ロック・クラシックス~』がリリースされた。
60年代以降のロックの名曲をフルカバーしたアルバムだ。
日本語にするとギター天国!
なんかちょっとユーミン風な感じがするのは自分だけだろうか?

ご存知の通り、日本では徳永英明の成功以来、フルカバー・アルバムが大流行している。
2匹目のどぜうを狙い、最近は猫も杓子もフルカバーという感じだ。
カバーされるような曲は、大抵聴く側のオリジナル作品に対する思い入れが強い。
よほど良いものを作り出さないと受け入れて貰えないばかりか、拒絶される事だったあるだろう。
オリジナル曲を作るよりは楽かもしれないが、カバー曲のハードルは高い。
安易なカラオケ大会的で、懐メロチックなアルバムは、結局、自分の首を締めるだけだけなのだ。

さて海外にもフルカバーアルバムブームはあるのだろうか?
アルバムの中にカバーが数曲含まれる事はよくあるが、フルカバーというのはそう多くはないような気がする。
もちろんフルカバーが無いわけではない。
ちょっと前にマイケル・ジャクソンの曲をフルカバーしたトレインチャの『ネバー・セイ・グッド・バイ』というアルバムを買った。
これは彼女の柔らかい歌声がMJの曲に非常にマッチし、MJへのリスペクトが伝わる素晴らしい作品だった。
とはいえ、日本のようなブームは無いようだ。

そんな中でのサンタナによるフルカバーアルバムのリリースだ。
ラテン・ロックのギター・レジェンドがハードロックの名曲を取り上げたのは興味深い。

このアルバムでサンタナが取り上げた曲は以下の通り。

1. ホール・ロッタ・ラヴ (レッド・ツェッペリン)
2. キャント・ユー・ヒア・ミー・ノッキング (ザ・ローリング・ストーンズ)
3. サンシャイン・オブ・ユア・ラヴ (クリーム)
4. ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス (ザ・ビートルズ)
5. フォトグラフ (デフ・レパード)
6. バック・イン・ブラック (AC/DC)
7. ライダーズ・オン・ザ・ストーム (ザ・ドアーズ)
8. スモーク・オン・ザ・ウォーター (ディープ・パープル)
9. ダンス・ザ・ナイト・アウェイ (ヴァン・ヘイレン)
10. バング・ア・ゴング (T・レックス)
11. リトル・ウィング (ジミ・ヘンドリックス)
12. アイ・エイント・スーパースティシャス (ジェフ・ベック・グループ/ハウリン・ウルフ)
Bonus Track
13. フォーチュネイト・サン (クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル)
14. ラ・グランジ (ZZトップ)

うーん、おやぢ世代にはたまらない選曲だ。
これらの曲をサンタナがどのように表現するのだろうか?
期待と共にアルバムを聴いてみた。

1曲目はツェッペリンの「ホール・ロッタ・ラヴ(邦題:胸いっぱいの愛を)」。
オリジナルよりテンポは早めで、サンタナもノリノリで弾きまくり。
ロバート・プラントに似た声質のボーカルもいい感じだ。
このアルバムの出来に期待が膨らむナンバーだ。

3曲目はクリームの「サンシャイン・オブ・ユア・ラヴ」。
ワウが効いたギターに、ラテンパーカションがリズムを刻む。
1曲目と同様に原曲に近いアレンジでサンタナらしさを出している。

4曲目はジョージ・ハリスン作の名曲「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」。
なんとクラシック界を代表するチェリストのヨーヨー・マーが加わり、物悲しい雰囲気を盛り上げている。
ボーカルは女性R&Bシンガーのインディア・アリー。
サンタナも泣きのギターを披露しているこの曲がアルバムからのファーストシングルとのこと。
自分もこの曲をJ-Waveで聴いて、本作を買う事を決めた1曲だ。

5曲目のちょっとポップに仕上がった「フォトグラフ」。
以前にチャド・クルーガーと共演してたので、ニッケルバックの同名の曲かと思ったが、デフ・レパードの方だった。
サンタナがデフ・レパードを取り上げていたのがちょっと驚き。
貴ノ浪並みに懐広しだ(笑、しかも古っ!)。

6曲目はAC/DCの「バック・イン・ブラック」。
この曲は全くアレンジを変えていて、早いテンポでラップを入れている。
原曲通り、かなりハードなナンバーだが、最初は「バック・イン・ブラック」とは気づかなかったした

8曲目はギター少年なら必ずコピーしたディープ・パープルの「スモーク・オン・ザ・ウォーター」。
ほぼ原曲通りのアレンジだが、イントロからサンタナアレンジのリフが入り込んでくる。

10曲目はT・レックスの「バング・ア・ゴング」。
オリジナルのタイトルは「Get It On」だ。
しかしライナーノーツによるとこのリリース時期にアメリカ国内の他バンドが「Get it On」という同名の曲をヒットさせていたため、こちらをタイトルにしたそうだ。
こちらもラテンパーカッションがリズムを刻んでいる以外はほぼ原曲に近いアレンジだ。

11曲目の「リトル・ウイング」はロッククラシックの中で自分が一番好きな曲だ。
オリジナルはジミヘンだが、カバーでも素晴らしいバージョンが多い。
自分が好きなのは Derek & Dominosのアルバム『いとしのレイラ』に含まれているバージョンやスティングの名盤『ナッシング・ライク・ザ・サン』のバージョン及びジャズギタリスト、CARL FILIPIAKのアルバム『Right On Time』に収録されているバージョンなど。
それぞれの演奏が素晴らしいこともあるけど、原曲の素晴らしさが光る1曲だ。
さて、サンタナのバージョンはジョー・コッカーが渋く歌いあげている。
ギターソロはサンタナ節というより、ジミヘンっぽく弾いているように感じるのは自分だけだろうか?

日本版には最後に浅井健一とコラボしたZZトップの「ラ・グランジ」がボーナストラックとして収録されている。
誰?浅井健一ってと思っていたら、元BLANKEY JET CITYでボーカル&ギターを担当していた人だった。
この曲でもサンタナはキレキレで演奏している。

さて、サンタナによるハードロックの名曲のフルカバーアルバムだが、結構いいです。
全曲ゲストボーカルが入っているが、サンタナはソロ以外のボーカルのバックでも延々とアドリブを展開している。
ボーカルの隙間を埋めるリフなんてもんじゃなく、曲の最初から最後までアドリブ弾きっぱなしという感じだ。
まあ、アドリブというより、ギターでボーカルとデュエットしている感じだ。
これは大ヒットした『スーパー・ナチュラル』以降のコラボ3部作でもそうだった。
いかにもギタリスト、サンタナらしく、ギターが凄く主張している作品だ。
まさしくギター天国!
まあ時々少々うるさい感じもしてしまうこともあるが・・・(笑)
ラテンフレーバーのハードロックだけど、特におやぢ世代は楽しく聴けるアルバムだ。
かつてギター少年だったあなたにオススメの一枚です。


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