環境法令ウオッチング

2006年7月から2007年12月までの環境法令情報・行政情報・判例情報を掲載。

資源ごみ持ち去り禁止条例は違憲 東京簡易裁判所が判決

2007-03-28 07:54:14 | リデュース・リユース・リサイクル
2007年3月28日 
 資源ごみの持ち出しと自治体の対応については、これまで環境法令ウオッチングでも何度かとりあげてきました。ごみの所有権、持ち去りによるごみ集積場の散乱、住民からの苦情、などの問題を、条例により規定・調整する自治体も増えてきているのが現状です。
 26日、東京簡裁は、東京都世田谷区のごみ集積場から古新聞を勝手に持ち去ったとして、同区清掃・リサイクル条例違反の罪に問われた古紙回収業者5人に対し、いずれも無罪(求刑各罰金20万円)の判決を言い渡した、との報道がありました。
世田谷区は、①ごみ集積場に置かれた古紙、瓶などの資源ごみを区の指定業者以外は収集できない、②持ち去り禁止命令に従わなかった場合は20万円以下の罰金を科す、との規定を条例で定めていますが、今回の判決では、同条例の罰則規定について、『刑罰法規としてあいまいで違憲』、『廃棄物処理法にも無断持ち去りについて罰則を伴う禁止規定がないのに、自治体が罰則を条例で制定したのは裁量権の逸脱に当たる』との判断が示されています。
 刑法の原則に、罪刑法的主義があります。犯罪の要件を定める刑罰法規は、どのような行為が処罰の対象となり、どのような行為であれば処罰の対象とならないかが、あらかじめ明確に示されていなければならない、というものですが、裁判官は、①同条例の規定はどこがごみ集積場かの定義が不明確で、刑罰対象の行為とそうでない行為を区別できない、と指摘し、刑罰手続きの保障を定めた憲法31条に違反する、としています。
 また、『廃棄物処理法にも無断持ち去りについて罰則を伴う禁止規定がないのに、自治体が罰則を条例で制定したのは裁量権の逸脱に当たる』として、法と条例との関係に照らし、世田谷区の条例の不備を指摘しています。
 報道によると、『資源ごみの持ち出しについて、区は2004年7月から2005年2月にかけ、13人を告発。事実関係を争わなかった1人には昨秋、罰金10万円の略式命令が出ている。27、28日には5人についての判決があり、4月以降、残る2人について言い渡される予定』とされています(3月26日毎日新聞・篠田航一)。 
 同様の条例が全国で制定されはじめていることから、今後の対応が注目されます。

【官報ウオッチング】
〔政令〕
海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律施行令等の一部を改正する政令(政令第72号/昭和46年政令第201号の一部改正)
1 海洋施設からの有害液体物質の排出規制に係る規定について、海域にある鉱山保安法第二条第二項に規定する鉱山に属する工作物を海洋施設ではないものとし、適用しないこととした。(第一条の六第二項関係)
2 海上保安庁長官が関係行政機関の長等に対し、海洋の汚染を防止するため必要な措置を講ずるよう要請しようとする場合に明らかにする事項に、排出のおそれがある油若しくは有害液体物質又は沈没し、若しくは乗り揚げた船舶の状況を加えることとした。(第一五条の三第一項第二号関係)
施行日:平成19年4月1日

自然公園法施行令の一部を改正する政令(政令第74号/昭和32年政令第298号の一部改正)
1 自然公園法に規定する環境大臣の権限に属する事務のうち、国立公園の特別地域内における行為の許可等に関するものを処理する都道府県から香川県を除くこととした。(附則第三項及び別表関係)
施行日:平成19年4月1日

〔省令〕
特定工場における公害防止組織の整備に関する法律施行規則の一部を改正する省令(財務・厚生労働・農林水産・経済産業・国土交通・環境省令第1号/昭和46年
大蔵省、厚生省、農林省、通商産業省、運輸省令第3号の一部改正)
 講習機関の登録要件のうち、科目別担当講師及び修了試験委員(第二十一条第一項第二号イ)の要件中「助教授」を「准教授」に改める。
施行日:平成19年4月1日

号外第64号
〔省令〕
一般高圧ガス保安規則等の一部を改正する省令(経済産業省令第22号)
1.一般高圧ガス保安規則の一部改正(昭和41年通商産業省令第53号の一部改正)
 第一種保安物件のうち、学校関連の規定に、「中等教育学校」を加え、「盲学校、ろう学校、養護学校」を「特別支援学校」に改める、など。

2.液化石油ガス保安規則の一部改正(昭和41年通商産業省令第52号の一部改正)
 第一種保安物件のうち、学校関連の規定に、「中等教育学校」を加え、「盲学校、ろう学校、養護学校」を「特別支援学校」に改める、など。

3.コンビナート等保安規則の一部改正(昭和61年通商産業省令第88号の一部改正)
 第一種保安物件のうち、学校関連の規定に、「中等教育学校」を加え、「盲学校、ろう学校、養護学校」を「特別支援学校」に改める、など。

4.液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行規則の一部改正(平成9年通商産業省令第11号の一部改正)
 第一種保安物件のうち、学校関連の規定に、「中等教育学校」を加え、「盲学校、ろう学校、養護学校」を「特別支援学校」に改める、など。
施行日:平成19年4月1日



【行政情報ウオッチング】
環境省
公害健康被害補償不服審査会裁決について
第三次環境基本計画における指標の活用等に係る検討委員会(第2回会合)議事次第・配布資料
「ダイオキシン類対策特別措置法施行規則の一部を改正する省令(案)」に対する意見の募集について
中央環境審議会環境保健部会化学物質環境対策小委員会(第4回)、産業構造審議会化学・バイオ部会化学物質政策基本問題小委員会化学物質管理制度検討ワーキンググループ(第3回)合同会合(第3回)の開催について

経済産業省
電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法施行令の一部を改正する政令」について

国土交通省
社会資本整備審議会都市計画・歴史的風土分科会都市計画部会第6回下水道小委員会議事要旨

厚生労働省
第3回化学物質による労働者の健康障害防止に係るリスク評価検討会議事録

資源エネルギー庁
ガス事業生産動態統計の概況(1月分)

東京都
平成19年度東京グリーンシップ・アクション実施について

【判例情報ウオッチング】
新しい情報はありません。

ISO14001
◆「おすすめ書籍」に産業廃棄物法の新刊書籍をアップしました/2007.3.13
◆「環境法令管理室」に「3月19日から3月25日までに公布された主な環境法令一覧」をアップしました/2007.3.24
◆「環境法令管理室」に「3月19日から3月25日までに発表された改正予定法令一覧」をアップしました/2007.3.24
◆「産業廃棄物管理票(マニフェスト)」に関するコンテンツを新設しました/2006.3.18