Qの読書な日々

大好きな本と、毛糸に囲まれる日々の独り言

身の上話

2015年04月14日 | 現代小説

4月14日(火)

4月というのに雨ばかり…春の気分がしないままに初夏になりそうだわ。

今日はこれまたずいぶん前に読み終わってるので、お話若干忘れてますがコレ

身の上話 (光文社文庫)
佐藤 正午
光文社

佐藤正午さんは、名前は知っていても手に取らなかった方。これ、最後の一行にやられます。

主人公ミチルは地味に書店で働く女の子。お使いの途中で、何を思ったか不倫相手を追いかけ、そこで買った宝くじが当選し、あれやこれやと人生が狂っていく。

東京で頼った友人が結局殺人が起こしてしまうし、しかも連続で次々と人がいなくなってしまうし(つまり、一番害のなさそうだった後輩が最も怖いキャラ?!)

「ひょんなことから」とありますが、そんなひょんなことってある???と思ってしまう場面は多々あります。

が、その後のミチルが落ち着いた先で伴侶となった方の登場で、語りがこの現在の夫ということが判明し、ここまでくると「あーなんて上手なお話」となりました。

つまり、みんなが犯罪者。殺すつもりはなかったかもしれないけど、大なり小なりみんな罪を犯してるのです。

そして最後の一行!痛快です。うーん、これは愛だわ。

 

 



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