のりまき家のHAPPY LIFE DIARY

どこまで続く?子育て時々自己主張!!

隠れキリシタン信仰と郷土史への誘い(前編)

2006年06月20日 22時20分01秒 | 仏像・歴史
“えせ郷土史家”のりの最近の研究テーマは隠れキリシタンとマリア観音について。
仙台藩の支倉常長の本を軽く流し読みしつつ、中公新書で「島原の乱」を読み、さらに「黒川郡隠れキリシタン信仰~マリア観音と製鉄」を読んだ。

「黒川郡隠れキリシタン信仰~マリア観音と製鉄」を書いたのは大和町にある龍華院というお寺の住職さん。
黒川郡にある42の寺院すべてを訪ね歩き、そこに伝わる隠れキリシタン信仰や風習、遺物を調査し一冊の本にして自費出版したとの記事が河北新報に掲載された。
実はこのブログに龍華院が出てくるのは2回目
親しくさせていただいている関係で、お願いして一部譲っていただいた。

読んでみるとすげー面白い。
黒川郡におけるキリシタン信仰や習俗、支倉一族の伝承について一通り解説した後、住職が8年かけて調査して発見したキリシタンの痕跡をひとつひとつ丁寧に写真や図を元に解説していく。
それは墓石に刻まれた十字マークであったり子安観音に擬せたマリア観音であったりキリシタン燈篭であったりして、ちょっと実際にこの目で見て回りたい気持ちにさせられる。
本の後半では南蛮流製鉄技術とキリシタンの密接なかかわりについて話が及ぶ。
キリシタン信仰と西洋異文化の知識や技術は実はセットであり、製鉄を媒介とした経済と信仰の一致があったのだという。
さらに東北の金山・銀山・銅山などは罪人であろうとキリシタンであろうと受け入れる「山法」という治外法権があり、キリシタンが自由に働ける唯一の場所であったということを指摘している。

この本で特に面白いと感じたのは、黒川郡の隠れキリシタンたちは厳しい弾圧・統制の中で自分たちの信仰を守るため教義・思想を敢えて子安観音という形で仏教的に偽装・土俗化することによってそこに土着していったという部分。
1637年の島原の乱におけるキリシタンたちは、武力でキリシタンへの改宗を強要したり寺社を破壊したり僧侶を処刑したりといった激しい行動をもって信仰を認めさせようとしたという事実があり、それと比較すると大きな違いが見られる点が興味深い。

とまあこんな感じに、ここんとこ数日間で江戸時代のキリシタンについていろいろと勉強して、要するにキーワードは子安観音(マリア観音)と製鉄なんだなと解釈したオレ。

・・・ん?ちょっと待てよ。
今自分が住んでる愛子(あやしと読む)という地名は子愛観音(こあやしかんのん)に由来していたような。
しかもこの辺の山は昔仙台藩の鉱山だったという噂もある。
あれれ?もしかしたら自分の住んでる地域に当てはまることなんじゃねーか?

そうピンときた“えせ郷土史家”のりは魅惑の郷土史の世界に誘われていくのでした・・・。

長くなってきたのでつづく。(のり@誰が読むんだ?)

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お聞きしたいことが (R...)
2012-03-25 22:09:00
初めまして。突然の話で申し訳ありません。
私はとなりの福島でキリシタンを研究してる者ですが、こちらのブログを拝見しましたら「黒川郡隠れキリシタン信仰~マリア観音と製鉄」を拝読したいと思いました。ちなみに龍華院のご住職はご健在なのでしょうか。また、お願いすれば購入することは可能なのでしょうか。問題がないようでしたらお教え願えないでしょうか。
お答えいたします (のり)
2012-03-27 00:42:26
コメントありがとうございます。

お答えいたします。
龍華院のご住職は健在です。
本の購入が可能かどうかは、6年前の話ですのでちょっとわかりません。
直接お問い合わせいただければと思います。
連絡先は「龍華院 宮城県大和町」でグーグル検索すれば出てきます。

簡単ですみませんが、よろしいでしょうか。
ありがとうございます (R...)
2012-04-01 21:49:07
ご丁寧にありがとうございます。

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