傍観者の独り言

団塊世代で、民間企業で「チンタラ・グウタラ」に過ごした人間の手前勝手な気儘な戯言・放言。

原発事故:現場所長「やってられねえっ!」と現場反乱・・・菅首相の防衛省偏重が遠因

2011-04-15 20:40:10 | 社会

週刊文春」(4月21日号)の記事『「福島第一原発」の反乱』で、”【「やってられねえッ!」所長 東電本社幹部を怒鳴りつけた】”と東電本社、政府がひた隠す対策統合本部へ現場を担う所長の”反乱”が起きていたと報道。
当方は、原発事故の現場作業は「事件は現場で起きている」ドラマを連想してたが、現場作業と対策本部とも一体感の無さの証ですね。

「週刊文春」記事の『「福島第一原発」の反乱』によれば、現場と対策本部とのTV会議ですり合わせし、事故沈静化の作業を遂行してきたが、4月4日から水素爆発を回避への格納容器への窒素注入を指示する対策統合本部へ福島第一原発の吉田昌郎所長の拒否が発端で、吉田昌郎所長が「もう、やってられなえっ!」と反乱を起こしたと。
その後、東電本社は技術者たちを福島へ急派し、吉田昌郎所長は渋々納得し、窒素注入を決断したと。

「週刊文春」は、反乱に至った背景に、

”「一つは、これまでの重すぎる責任を黙々と背負い、我慢を重ねてきた男たちの内なる叫びであった、ということだ。
にもかかわらず、いまだ、現場に指示する言葉は”がんばれ”だけである
。」”
と、吉田所長は、窒素注入の課題の前に、
”「もし、5号機の建屋(施設)に肉眼で見えない亀裂があれば、雨水が入り、将来、やっかいなことになる」”
”「こちらにがんばれ、がんばれと言うが、そういう長期的なことは、そちらでちゃんと考えてほしい」”
と、溜まった雨水は約150トン、放射性物質が入った1万トンの海水への放水に紛れ、海へ投棄する事が決まったとし、
”「窒素封入(注入)だけど、本当にやると?」”
と疑問に、東電幹部から
”「いち早く1号機に実施しなくてはなりません。NRC(アメリカ原子力規制委員会)もそう強く主張しています。
福島第一原発としては、急ぎ、準備を開始してください
」”
と、アメリカの進言があるとしたことです。

”「もう一つは、そもそもこの”反乱”の原因が、アメリカからの進言であったことを忘れてはならない。
アメリカ政府は約3週間前、東電本社の対策統合本部の近くに会議室を強引に借り受けた。そこから東電に対し矢継ぎ早に”進言”を下している。
今や、福島第一原発のあらゆるデータはワシントンへ届き、分析されている。
そして日本政府のあらゆる分野に”進言”がなされている。
その”オトモダチ作戦”の意義を認め、支援を受け入れることは否定しない。
しかし、裏を返せば、菅首相が決断すべき国家の意思決定プロセスへの介入ともなりうるのだ
。」”
と、アメリカの”オトモダチ作戦”はアメリカの国益の作戦ということを暗に書いていますね。

記事では、経産省幹部の話として、吉田昌郎所長が激怒した背景・経緯には、好意的で、
”「これまで1ヶ月近く、高いレベルの放射線の恐怖と戦いながら、吉田所長以下数百名の技術者たちは、高い職業意識で過酷な現場へ突入し続けた。そこにあったものは、東電本社の”評論家”たちが口を挟むことを良しとしない、技術者としての強烈なプライドだったはずだ・・・。
だから、予想外の事が続出したにせよ、膨大なスタッフの努力によって、極めて微妙な作業工程を続け、乗り利越えてこれた。その結果、やっと原子炉をコントロールできる見通しができた・・・その確信が吉田所長にはあるのだ。
それをアメリカの突然の横やりによって台無しにされることは許されない・・・それこそ吉田所長の強い思いのはずだ・・・経産省幹部はそう疑わなかった
。」”
と書いています。

要は、吉田所長は原発を「やっと、一定の安定状態にすることが可能になっており、アメリカの進言による窒素注入作業は危険性があり、予想もつかないことをやることは大きなリスクとなる」と判断し、安易な窒素注入に難色を示したということです。

当方は、事故当初から、沈静化には、「現場体制の増強」と「外部電源の確保」が先決という考えで、現場作業体制を注視していました。
本ブログ「原子力発電事故:50名の現場作業員に国難を賭ける馬鹿さ!(追記)」で、現場には、技術者と異なる現場のノウハウがあるとし、石田慈宏氏
”「想定外のことが起きたら、無関係な人間が出張るのではなく、現場に任せて、逆に後方から使えそうなリソース情報を提供したり、バックアップ要員をおくりこんだり、指揮権も大幅に委譲するしかないでしょう。
想定外のことが起こったら、現場をしらない経営者や管理者、コンサルなんて、糞の役にもたたないと知るべきです
。」”
意見は同感と書きました。

吉田所長の資質については、評価できませんが、過酷な環境下で、東電・協力会社・下請け会社らの数百名を沈静化作業に統率しており、現場ノウハウに精通し、人望も厚いのでしょうね。
吉田所長とすれば、「現場は任せろ」という自負もあるのでしょうね。

当方が、政府の対策本部・東電本社・保安院については酷評し、菅首相が原発現場作業を自衛隊中心で調整を指示し、防衛庁が原発の現場作業まで口を出すのは異常で違和感という思いで、本ブログ「原発事故:自衛隊は原発事故では脇役に過ぎない・・・官僚の保身(邪推)」
”「北沢防衛相は、原発事故における自衛隊活動がメディアが好感しているのを防衛省の政治的影響力UPに利用する好機としているのはミエミエですね。」”
と書きました。

また、菅首相の防衛省頼りは偏重し過ぎとしか思えないとし、本ブログ「東日本大震災以降、政治も社会も粗雑になってきた(雑感)」で、
”「北沢防衛相は、被災救助・救済や原発事故における自衛隊活動がメディアが好感しているのを防衛省の政治的影響力UPに利用する好機とし、日米同盟を深化させることは明白ですね。
このことで、沖縄基地返還が凍結し、恒久化の懸念を持ちますね。

原発事故の沈静化に、アメリカの支援を請うのは理解できるが、アメリカは原発の増設がオバマ大統領の政策であり、福島原発事故の深刻化はオバマ政権を足元を揺さぶる事案であり、菅政府の賢さが試されているのです
。」”
と書きました。

更に、本ブログで、現役自衛官の藤井 源太郎氏の”「トモダチ作戦」の費用は半分以上が我が国負担になるため、真に必要な点以外で依存しすぎるのは良くありません。」”の意見を紹介し、
”「アメリカは日米同盟のもとで、美しい名前の「トモダチ作戦」で同盟国を支援していると思うのは短絡でしょう。
アメリカにとっては、大災害と原発事故への支援は、最終的に国益になるという計算があるからでしょうね。
防衛省にとっては「トモダチ作戦」は日米同盟の深化にはウエルカムでしょうが、菅首相の防衛省偏重し過ぎには疑問です
。」”
と、菅首相の防衛省偏重は、思いやり予算を早々に成立させ、安直なアメリカ追随は疑問ですね。

朝日新聞の4月14日の記事『FX機種選定へ説明会』では、
”「防衛省は13日、F4戦闘機の後継となる次期戦闘機(FX)の機種選定のため、開発国やメーカーを対象にした説明会を同省内で開いた。FXの候補はすべて国外メーカー6機種で、9月末までにメーカーなどが提案書を提出する。

菅直人首相は震災後、北沢俊美防衛相の要請を受け、FX導入を計画通り進めることを了承。年内に機種を決定し、12年度予算で取得費用を計上する予定だ。ロシアや中国は敵に発見されにくいステルス性の「第5世代機」を開発中で、日本としてもFX導入で防空能力の維持をはかる方針
」”
と報道。

福島第一原発の吉田昌郎所長の手腕については未知数ですが、「週刊文春」によれば、東電と政府の対策統合本部の菅本部長の防衛省偏重が北沢俊美防衛相の政治力UPとなり、菅首相は原発現場作業を自衛隊中心で調整を指示したことで、アメリカは「トモダチ作戦」と美名のもとで、原発事故の沈静化(廃炉ビジネス)へ口を挟む機会をつくり、現場に反発されたのです。

当方は、本ブログ「東日本大震災以降、政治も社会も粗雑になってきた(雑感)」で、防衛省は大震災を日米同盟の深化の好機とし、沖縄基地返還は遠のき、政官業の既得権社会が増長したとしか思えないこの頃と書きました。
菅政府は、4兆円規模の第1次補正予算案の財源として基礎年金の国庫負担を2分の1にするため今年度予算に計上している2兆5000億円などを充てる方針と報道があるが粗雑ですね。
思いやり予算は早々に成立し、次期戦闘機(FX)の機種選定は予定通りであり、大震災復興・財政赤字の現下でも日米同盟関連の予算は、何ら影響ないことは、世の中、粗雑になってきたと思うこの頃ですね。

菅首相の防衛省偏重は、日本をアメリカ隷属に増長させるだけですね。
復興構想会議も五百旗頭真・防衛大学校長であり、北沢俊美防衛相が賢いとは思えず、防衛官僚が賢いのでしょうね。
はっきりしてるのが、菅首相は単細胞の人間ということですね。
当方も、菅首相に、「やってられねえッ!」と叫びたい!



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