傍観者の独り言

団塊世代で、民間企業で「チンタラ・グウタラ」に過ごした人間の手前勝手な気儘な戯言・放言。

郵便不正問題:村木前局長らを起訴で終息?・・・官僚の悲哀ですね。

2009-07-05 09:42:43 | 郵便不正事件

毎日新聞が記事「郵便不正:厚労省前局長らを起訴…大阪地検」で、「郵便割引制度を悪用した郵便不正事件で、大阪地検特捜部は4日、障害者団体「凜(りん)の会」(解散)の偽の証明書を作成したとして、厚生労働省の前雇用均等・児童家庭局長(大臣官房付)、村木厚子容疑者(53)ら4人を虚偽有印公文書作成・同行使罪で起訴した。村木被告は逮捕から一貫して完全否認したままの起訴となった。他の3人は認めているという。」と報道しています。
郵便不正問題は、終息方向ですが、何か、キャリア/ノン・キャリア官僚の悲哀を感じますね

当方は、郵便不正問題は、政治家の口利きによる「政治案件」が注目されましたが、根源的な問題は、官僚体制・体質にあり、本ブログ「郵便不正事件:村木容疑者の元上司(退職:57歳)が極悪!(1)」、「郵便不正事件:村木容疑者の元上司(退職:57歳)が極悪!(2)」で、村木容疑者の元上司(塩田幸雄:退職:57歳)が責められるべきと書きました。

当方は、偏向報道気味の産経新聞は、無視するのですが、この度は、産経新聞の記事に、納得性がありました。
産経新聞の6月15日の記事「【郵便不正事件】省庁のキャリアシステムが背景か」 を転載すると

”「民主党国会議員の口利きがあり、厚労省内で「政治案件」として扱われた障害者団体「凛の会」の証明書発行。
今回の事件では、この“腫れ物”のような案件をめぐり、法案の処理などで政治家の口利きを断れないキャリア官僚と、キャリアに追い込まれるノンキャリア職員という構図も浮かび上がる。

 証明書発行に絡む省内の指示は、当時の厚労省障害保健福祉部長(57)から始まった。
「国会議員から電話がかかってきた。うまくやってくれ」

 平成16年2月、ほぼ丸投げされた同部企画課長だった村木厚子容疑者(53)は調整係長を担当者に指名。
その後、4月に同係長に着任したノンキャリア職員の上村勉容疑者(39)が前任者から引き継ぎ、最終的に偽造という不正な手段をとった。

 政治案件はそれほど絶対視されていたのか。

ある職員は政治家の口利きの存在を認めたうえで、「3日かかる手続きを1日で済ませたり、進展具合をこまめに報告したりと気配りを徹底するだけ。違法行為に手を染めるかどうかは別問題」と否定的だ。

 だが、別の職員は「政治案件は通常、対外的な交渉を担当する別の部署から伝えられる。しかし上司から直接指示があったとすれば、部下が『個人的に関係があるのでは』と勝手に思い込み、必要以上に気を使う可能性はある」と指摘する

上村容疑者は特捜部の調べに、「凛の会側から何度もせっつかれた」と話す一方、「仕事ができない奴だと思われたくなかった。自己保身のためにやった」とも供述した。

 同僚らが「仕事一筋でまじめな性格だった」と口をそろえる上村容疑者。
なぜそこまでして仕事を済ませたのか。
その背景に中央省庁のキャリアシステムを挙げる職員もいる。
厚労省の課長ポストはほとんどキャリアで占められ、職員の人事評価は各課長の仕事。
同僚らは「案件処理のスピードは評価の大きな要素になっていた。キャリアににらまれたくない一心だったと思う」と話す。

 一方、キャリアの村木容疑者はまったく違う立場にいた。
当時、障害者自立支援法の準備に追われ、国会議員とも調整を重ねていた。
ある職員は「法案は障害者団体から負担増になると反対の声が上がっていた。
野党の議員の口利きに過剰に反応し、部下の不正を軽く流してしまったのでは」と推し量った。
」”

とキャリア、ノン・キャリア官僚の絶対的な関係を示唆しています。
また、産経新聞の7月3日の記事「【郵便不正】「俺はフィクサー」元厚労省部長が政治家の窓口に」を転載すると、

”「障害者団体向け割引郵便制度の悪用をめぐる虚偽有印公文書作成事件で、民主党国会議員から障害者団体証明書発行の依頼を受けたとされる厚生労働省障害保健福祉部の元部長(57)が、複数の国会議員から陳情を度々受けていたことが2日、関係者への取材で分かった。

 元部長が「政治案件」の窓口役だったことは職員の間で広く知られていたという。
事件では、元雇用均等・児童家庭局長、村木厚子容疑者(53)が“政治力”を持つ上司の指示に応えようと偽造に至ったという構図が浮かび上がっている。

 「おれはフィクサーだから

 関係者によると、元部長は周囲にこう吹聴し、週の半分は議員会館に出入りしていた。
部下の職員らには「政治案件はきちんと処理しないといけない」「議員には貸しを作っておかないと」とよく口にしていたという。

 元部長は、平成18年、局長級の政策統括官を最後に退職したが、執務室には故郷・香川県の巨大な地図が掛けられ、「『退官したら知事選に出てほしい』と地元からよく頼まれるんだよ」とうれしそうに話していた。

関係者は「まるで政治家の総合受付窓口のようだった。
元部長が抱いていた政界進出への野心を議員に利用されたのではないか」とみる。

 一方、厚労省関係者によると、当時、元部長の部下の課長職にいた村木容疑者は目的実現のために粘り強く仕事を進めていくタイプ。
法案を通すために裏工作をするような策略家ではないが、上司に対しては「イエスマン」だったという。

 証明書の偽造にかかわったとされる当時は、介護保険法改正案などの法案づくりの準備中だったが、関係者は「法案を通すためというより元部長の指示に忠実に従い、さらに部下の係長に指示しただけではないか」という。
この関係者は、「元部長がいたからこそ起きた事件だろう」と指摘している。・・・
」”

と報道しています。
当方は、郵便不正事件で、村木厚子容疑者が「不正行為してまで、証明書を発行した動機?心境?」が理解不能で、本ブログ「郵便不正事件:何故、厚労省官僚が不正行為したか不可解?」を書きました。

その後、朝日新聞の6月27日の記事「前局長「ありえない」否認貫く 郵便不正指示容疑」で、上司だった元部長の障害者自立支援法への流れをつくるため、民主党の幹部議員の依頼に応じて、村木容疑者らに対応を指示したという証言については、村木容疑者が「当時は法案自体が構想段階で、民主党に協力を依頼することは考えられない」と弁護士に述べたと報道に接して、元部長(塩田幸雄)と、村木容疑者と、上村容疑者との絶対的な関係を憶測しました。

元部長(塩田幸雄)は、自分の天下り先((独)福祉医療機構)で動いており、問題をすり替えた証言し、村木容疑者はキャリア官僚で、旦那も厚生労働省の上級官僚であり、諸先輩の形成してきた天下り組織を温存もあり、全面否認し、上村勉容疑者はノン・キャリアで、人事考課は、上司が握っており、将来を考えて、不正行為したのが背景であろうと邪推しています。

キャリア官僚には、キャリア官僚での仲間意識があり、ノン・キャリア官僚にも上昇志向があるが、上司の人事考課次第であり、上司に追随せざるをえず、官僚体制、体質の悲哀を感じますね。
ただ、元部長(塩田幸雄)が、不問になるのが、解せないですね。

やはり、政権交代し、公務員改革なり、天下り構造の見直しが必要ですね。




コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。