「現代ビジネス」サイトが「週刊現代」(8月31日)の記事『100件覆面調査!恐怖の老人ホームに入ってみた パンフレットはウソばかり入居してからでは手遅れです』をUPし、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は介護施設ではなく生活支援サービス付きの住宅に過ぎず選定には慎重を要すると。
記事では、認知症については特筆されておらず介護、看護、終末期についても物足りなさの印象を持つが「サ高住」を検討をしている人には参考となるでしょうね。
「週刊現代」の記事『100件覆面調査!恐怖の老人ホームに入ってみた パンフレットはウソばかり入居してからでは手遅れです』は、介護や福祉に関する情報提供を行っているNPO法人・二十四の瞳が離れて暮らす母親を入居させる子供が相談する設定で新型老人ホーム100件に対し覆面調査員がサービスについてさまざまな質問を投げかけ、返答内容や職員の態度などを集計をもとに「週刊現代」が公開記事にした内容です。
記事の冒頭は、新型老人ホーム(サービス付き高齢者向け住宅(サ高住))の1実態の再現から始まり、介護現場でのトラブル相談などを行っている介護と福祉のリスクコンサルタント・山田滋氏の解説
”「従来の老人ホームは介護を行うために高齢者を集めた『施設』ですが、新型老人ホームは施設ではなく、高齢者用の『住宅』だという点が根本的に違います。
イメージとしては、基本的にマンションのような一般の賃貸住宅と同じだと考えてください。そこに医療や福祉の資格を持つ専門の職員を置き、『生活支援サービス』を行うことが認可の条件になっています。
入居者は月々の家賃に加えて、サービス料1万~5万円を支払い、場合によってはさらにサービスごとに設定されている追加料金を支払うことになります」
ポイントは、この新型老人ホームでは、一般のマンションのように入居者がそれぞれ個室に住まうということ。そのため、「少し手伝ってもらえれば、まだまだ自分で生活できる」「従来型の老人ホームで、プライバシーのない集団生活を送るのはいやだ」と考える人々の注目を集めているのだ。」”
から始まり、サービス付き高齢者向け住宅への覆面調査の事例紹介で構成されています。
当方は、サービス付き高齢者向け住宅について、本ブログ『週刊ダイヤモンド:老人ホーム VS サービス付き高齢者住宅・・・認知症の高齢者?』(2013-04-24)で、”「健常者にはサービス付き高齢者住宅(サ高住)も良いが、認知症の高齢者には厳しい」”ではないかと書きました。
また、本ブログ『患者紹介ビジネスについて・・・ニーズがあるからビジネスとなる(雑感)』で、”「サービス付き高齢者住宅(サ高住)には、紹介業者と訪問診療の患者紹介のパートナー(代理店)契約し、入居者には訪問診察の付帯サービスが宣伝文句になっているということです。」”と書き、サービス付き高齢者住宅(サ高住)には訪問診療の患者紹介ビジネスで運営しているところがあると暗に問題視しました。
近年、介護分野の就労者の低賃金で介護分野の就労者不足が騒がれてきており、医療費抑制に社会的入院を削減し施設介護から在宅介護の潮流は、少子化・核家族の現下に医療難民・介護難民を創出し、庶民の打開策がサービス付き高齢者向け住宅であり精神科病院ですね。
当方は、老母の終末期を在宅介護をも検討したが訪問医療体制の貧弱さと看取りの問題で在宅介護を断念し、現在は一般病院で看取りをお願いし病院で延命医療中です。
「週刊現代」の記事では、サービス付き高齢者向け住宅について、
”「今回の調査で対象としたのは、いかにも怪しげな新型老人ホームではない。介護大手が展開する物件だ。教育や飲食など異業種で名を馳せた有名企業や、地域密着型の不動産開発業者、医療法人などが運営している、一見、真っ当そうな高齢者用の物件ばかりだ。
だが、これらの業者でもパンフレットで謳っている内容と実際のサービスの間に大きな乖離がある。」”
とし、入居者が今までの掛かりつけの主治医のカルテの取り寄せについて、
”「「カルテの取り寄せを行わない」とした物件は、なんと全体で92件にのぼった。
取り寄せに対応すると回答した8件は、ほとんどが医療法人が母体となって運営する物件。家族とのコミュニケーションにも積極的で、職員の応対も比較的丁寧な物件が多かった。」”
と医療法人が母体で運営のサービス付き高齢者向け住宅は安心と記述していますね。
多分、医療法人自身で訪問介護・医療サービスを実施しているからでしょうね。
ただ、「看取り」については、「週刊現代」の記事では、
”「最後にもうひとつ、覆面調査で明らかになった重要な実態をご紹介しよう。それは、入居者の「死」にまつわるサービスだ。近年、介護施設での「看取り」というキーワードがブームとなり、老人ホーム業界でも「うちの施設は看取りも行います」「最期のときまで安心です」などと謳う業者が増えている。だが、次の会話を見てほしい。
調査員「あの、万が一、母がそちらで亡くなった場合なんですが……」
職員「(怪訝そうに)は?」
調査員「いえ、うちは遠いので、万が一、そちらで亡くなったり病院で亡くなったら、葬儀社の手配はしてくださるんでしょうか」
職員「はあ。まあ、ご近所に葬儀社さんはありますけどね。そこまではちょっと、わかりませんね」
なんと、死後の段取りをサポートしてくれるという物件は、今回の調査では皆無。」”
と、最後の看取りのサービスは皆無とし、
”「介護予算を圧縮したい国は、入居者の自立性が高いこの新型老人ホームを庶民の「終の住処」にしようと、補助金で事業者をたきつけて新設を進めている。
だが、その多くはこれほど悲惨な実態なのだ。まだ老後を考えるには早いと思っている人も、自分の最期について、すぐにも真剣に考えはじめるべきだろう。」”
と結んでいます。
マアー、自宅での生活が難渋し始めた高齢者は、有料老人ホームには手が届かず、公的介護施設は満員で入れず、将来不安の解消にとサービス付き高齢者向け住宅の入居には羊頭狗肉の宣伝に要注意で、「どうすれば良いのか」悩み深き日々を送っているのでしょうね。