カリフラワーよ・・・ついにあのことを話す時が来たか。～エピローグ～

プロローグ・・・それは序章
そして
エピローグ・・・それは終章

プロローグとエピローグしかないこの前代未聞のお話。

それはこれから書く話の壮大かつスペクタル
それでいて・・・・



予想を超えるくだらなさを物語っている。



どうか・・・


温かい心で聴いてほしい・・・


石を投げないでほしい・・・


こんだけ引っ張っといてこれかよ！と突っ込まないでほしい・・・

しょーもないけど、ちょっとした感動とホロリと涙を誘うかもしれないので、ハンカチのご用意を・・・













あれは
9月の連休前のことだった。
農園ビギンでは稲刈りの真っ最中。
さらにこれからネギ、カリフラワー、さつまいもの収穫も始まり1年の中で最も忙しい時期を迎える時だったのだ。

私は5時過ぎに会社を出た。

その日の私は
何か虫の知らせだったのか・・・
いつもとは違う道を帰っていた。

一日の仕事を終え、ほどよい疲れと充実感。
また
明日からの仕事の段取りを考えているのが楽しかった。

気持ちが高揚していた・・・

そんな時だった。

目の前に何か異様な光景が見えたのだ。










ちょうど赤信号で止まったので、目を凝らしてみると・・・








「な・が・お・か・・・」

そこに書いてある言葉を思わずつぶやいた。







これは


もしかしたら

アレかもしれない・・・




高まる気持ち。
近づきたい！
でも
あえて見て見ぬ振りをすべきか？

小千谷でまさか？
こんな光景にお目にかかるなんて、もうないかもしれない！

少しだけ・・・

少しだけなら・・・




ドキドキしていた。

まるで
幻のツチノコを発見したかのように、胸が弾んでいた。




私は

ついに

車を止めた・・・・




「どうしたんですか？」
分かっているはずなのに、私はそれを確かめたくて聞いたのだ。



「長岡方面に行きたいんです！！！」

異様に見えた光景の主は、学生かと思われる男性3人組。

「でもこっちの方向は長岡とは逆の十日町方向なんですよ」

「そうなんですか・・・じゃどこにいけばいいですか？」

「ここよりも国道の方が長岡に行く人が多いと思いますよ」
おせっかいな私の心に火がついた。

少しだけ・・・

少しだけなら・・・





「そこまで乗りますか？」
















出たーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

これってどう見てもヒッチハイクじゃーーーーーーーーーーん
良いのか？ワタシ？？？
見ず知らずの子を乗せちゃうのか？？
怖い世の中だぞーーーーーー？
社長に怒られっぞーーーーーー


私の中の「心配くん」がささやいた。

が
もうこうなるとどうにも止まらない。

私は彼らを乗せて国道に向かった。

すると
「東京からヒッチハイクで来ているんですよーーーー
昨日は長野に泊まってました。」

聞くと大学生。
怪しい人ではなさそうだ(出た安易にすぐ人を信用するワタシ）

「本当は「田舎に泊まろう」みたいなことやりたいんですけど、なかなかそこまでいかなくて・・・」



んん？？
農業体験したい？？

それって

それって

農園ビギンだったら可能じゃない？？



ちょうど家庭教師をしていた教え子君がヒッチハイクで鹿児島まで行った話を聞いたばかりだった。
そんな私も学生時代、いろいろな人の車に乗せてもらいお世話になった。

学生時代はいろいろな経験せよ。

そんな天のお告げが聞こえる・・・

彼らの願いを聞いてあげたい・・・

ビギンなら・・・

きっと・・・















と
いうわけで
ヒッチハイク少年3人組をビギンに連れて行っちゃいました～～～～～～～

あは☆

いやーーーーー
懐かしいねえ・・・
そんなこともあったねえ
と
カリフラワー見ると思いだすんですよ。

彼らが来た次の日
予定よりも早く花蕾が見え始めて、朝の5時からカリフラワー作業が入って
彼らをたたき起して手伝ってもらったらしい。

うんうん、ワタシいいことしたんじゃーーーーーん。

なんてね
思っているのは私だけでね



証言者１　社長令息次男
「っつーーかさ
いっつもＲさんがなんか連れてくるんじゃん。

驚きはしないけどまただ・・・って感じ。」

そう言えば数年前、英語すら話せないタイ人を連れてきたこともあったなあ・・・

証言者2　Ｎ社長(一番の被害者である）
「やっと(Ｒさんが）帰ったと思って一息ついてたら
『すみません、大きなもの拾っちゃいました』って戻ってきたわけですよ。
猫や犬じゃないんだから
しかもですよ
『じゃ、あとはお願いしまーーす』って丸投げしてったわけです
本当に振り回されっぱなしですよ」


証言者3　Ｒさんちの次男君
「ボク・・・

知らない・・・」



あ・あは^^；

そうなのです
こんな大きな出来事なのに・・・
ビギンに来る研修生には語り継ぐ笑い話なのに・・・


ワタシ
家族には言えなかったのですーーーーーーーーー


だってね
ちょうどテレビでヒッチハイクをやっていて
「まーーーー危ないわねえ。知らない人を車に乗せるなんて」
って話してたばかり

まさか
まさか小千谷で出逢うとは・・・

ま・ま
そんなわけで彼らは2泊3日してってね。

社長の息子さんたちとも仲良く楽しく過ごしていったわけですよ
さらに東京販売の時はちゃんと駆け付けてくれて、本当に本当に感謝されたわけです


ぼかあ
良いことしたなあ


ほら☆


カリフラワーの収穫も始まっちゃった(話を引っ張るからだ）

情けは人のためならず

きっと彼らの心のスケッチブックにはこのカリフラワーの白さと私たちの優しさが刻まれたことだろう・・・






最後に・・・

自分で書いて自分で気がついた・・・
私には信じたくないが、やはり父のDNAを受け継いでいることを・・・

朝起きたら黒人の方が寝ていたという我が実家。
調子に乗ると連れて帰っちゃうなんて、父の遺伝子がそうさせたのか・・・
(父の日～褒められて伸びる子、打たれて伸びる子～参照）