食べる・飲む・乗るドイツ

フランス生活を終え,何故かベルリンに来てしまった日本人の防備録.

ムールなリール

2006-11-30 06:51:55 | フランス
本日のメニュー:トマト味のリゾット,鶏腿肉のロティ.Fitou '03.

金曜日の夕方には研修も終わり,前もって予約しておいた駅前のホテルにチェックイン.19時にはChさんが合流しました.そのまま市内を散策しつつ,食事に向かいます.

ガイドさんが話していた内容をChさんに受け売りしつつ,市内を歩きます.今まではどの町に行っても何の知識もないままただ歩いて,たまに美しい景観を写真に収めるだけだったのですが,町のことをよく知っているガイドさんと歩くと全く違った魅力が浮き上がってきます.特にヨーロッパの都市は歴史が長いので,建物1つとってもその背景には立派なおなはしがあって,とても面白いものです.例をいくつか挙げましょう:

・Lille の真ん中にある旧証券取引所は当時存在した24の商家が共同で建立したものなんだそうです.つまり個人所有の建物だということです.フラマン様式で,中庭のある大変美しい建物です.
・現在観光案内所になっている建物は2度の火事の後に残ったもので,その前はもっとずっと大きなものだったそうです.ちなみに15世紀以前の Lille の建築物はほとんどが木造で,それで火事が多かった模様.現在でも木造の建物が1つ残っています.
・Lille Flandres 駅の駅舎はもともとパリの北駅だったもので,パリが北駅を新築することになった際,旧駅舎を Lille に無償で寄贈したものなんだとか.当初は Lille らしい独自の駅を作るつもりだったんだそうですが,そこは商人の町 Lille,タダということであれば話は別,ということだったんでしょうな.


さて,食事は同僚Fが薦めてくれたお店でムール・フリットを食べました.ベルギーでも食べられる庶民的でクラシックな料理です.建物といい食事といい,フラマン文化圏なんだなぁと実感しました.

Chti なリール

2006-11-29 04:48:52 | フランス
本日のメニュー:野菜たっぷりミネストローネ,ミラノ風カツレツ.

オーガナイザー兼チューター兼ドライバーのPさんが大変旺盛で魅力的な方で,研修の後のイベントもいろいろ用意してくださいました.Lille 市内のバーでこの地方産のビールを飲んだり(←ベルギービールとよく似ています),ガイド付きの市内散策(寒かった.しかしいろいろな話が聞けて面白かった)などもよかったですが,もっとも強烈な印象を残したのが「Chti の夕べ」.

Chti というのはこの地方独特の訛りのことで,同名のビールがあります.で,木曜日の夜に Chti で話す一人舞台を見ました.
La ferme des hirondelles(直訳すれば「ツバメ農場」)という名前のレストランで夕食を取ったのですが,何故か奥に小さな劇場があり,そこで Chti な夕べが行われているのです.

で,Chti は英語圏の人が話すフランス語のような,ちょっと独特の訛りです.聞いていて心地いいかというとちょっと疑問.(^^;
一緒にいた人たち(ほとんどフランス人)にもだいぶ不評でした.もっとも訛りのせいではなく,話の内容(ちょっと宗教的だった)と長さ(確かに途中で飽きてきた)が原因だったようです.

もっとも個人的にはなかなか面白い体験でした.また行きたい,とはまぁ思わないかな,しかし...

<後記>
最近スパムトラックバックが急に増えました.ボクのブログではあまり活用されていないこともあり,トラックバックのサービスを停止しました.ご了承下さい.

レーザなリール

2006-11-28 05:21:28 | フランス
本日のメニュー:秋刀魚の炙り煮,ちらし寿司.

20日(月).にわとりの鳴く声に起こされ(田舎ですなぁ),朝食後すぐに研修開始です.月曜日から水曜日の午前中は座学,それ以外は実際に実験をしてテクニックを身につけます.

ボクが今回の研修で勉強したのは「レーザ分光法」と呼ばれる測定技術です.時間的・空間的にコヒーレントなレーザ光の特徴を利用して,特定の原子や分子を選択的に励起し,その際の吸収スペクトルもしくは蛍光スペクトルを観測してその分子の濃度,そして温度を測定する,という分かったような分かんないような技術です.結論から言ってボクの仕事ですぐに使えるようなものではなさそうなのですが(いろいろ障害が多い),しかし理論も実践も1週間みっちりやったおかげで,本当にすごい勉強になりました.

しかし,初日のしかもアサイチのさらにはプレゼンの1ページ目からプランク定数やらボーアの原子モデルが出てきたときにはさすがに冷や汗が出ました(^^;.量子力学なんてものとは全く遠いところにいます(した)のでちょっとびっくり.大学時代のふる~い記憶を掘り起こしつつ,なんとか講義を乗り切りましたが,しかしまだちょっと消化不足...

でも実験によってリアルタイムで現象の振る舞いを見ることができたおかげで,だいぶ理解の助けになりました.いくら紙の上で習っても実際にやってみないことには本当に理解したことにはならないという典型的な例でした.

あとはこの測定技術をマスターした上で,実際の開発レベルにまで落とし込む必要があるわけですが,うーん,一筋縄ではいかなそうな予感...

インドなリール

2006-11-27 05:24:14 | フランス
本日のメニュー:カレー南蛮.

ということで,帰ってまいりました.濃いぃ1週間でございました.これから何度かに分けて報告できればと思います.

19日の日曜日.お昼は日本から仕事で来ていたGさんとクスクスを食べました.そのあと北駅から TGV に乗って Lille に向かいます.パリからわずか1時間の距離です.車内でちょっとうとうとしていたら着いてしまいました.

Lille はベルギーとの国境からそう遠くないところにある比較的大きな都市です.パリやブリュッセルからも近いという地の利から,古くから織物などの産業で栄えたそうで,実際町並みはなかなか立派なものです.北の都市ということで灰色で暗いという偏見を持って出かけたので,そのギャップがちょっと嬉しい誤算でした.

ちなみに写真は駅舎正面の電飾です.インドのタージマハルのイメージなんだとか.何でインドなの?
2004年に欧州文化首都に選ばれ成功裏に終わったことから,それ以来毎年世界の主要都市を1つ選んでそれにちなんだ装飾やイベントを行っているんだそうです.で,今年はインドのボンベイなんだそうで.駅前の大通りには大きなインド象の像が12体置かれていました.


駅では研修のオーガナイザー兼チューター兼マイクロバスドライバー(^^;のPさんが迎えに来て下さいました.同じ TGV に乗っていた参加者数名と共に宿泊施設に向かいます.明朝から早速研修開始です.

1週間の研修,したがってお休み

2006-11-19 20:09:21 | 食べる
本日のメニュー(昼食):クスクス(外食).

研修のため,今夜より1週間自宅を離れます.したがってこのブログもその間お休みさせていただきます.

研修先は Lille です.平日はカンヅメのはずですが,週末は多少時間がありますので,帰宅後に観光の報告でもできればと思います.

ほな,行ってきます.(^^)/~~

潜水艦は今後浮上できず

2006-11-16 06:22:41 | Weblog
本日のメニュー:ホワイトソースのロールキャベツ.

昨日,小さいながらも大変重要な記事を目にしました.

アメリカが特許制度を見直し,特徴的だった「先発明主義」からより一般的な「先願主義」に鞍替えするそうです.これを機に世界的に特許基準を統一することができることになります.

「先願主義」というのは最初に特許を申請した人(もしくは団体)に特許権を与える制度です.一方でアメリカの「先発明主義」というのは申請順ではなく文字通り「先に発明したか否か」で判断する制度です.

心情的には「先発明主義」の方が自然なような気もしますが,これが実は大変な曲者なのです.

・発明した日時を証明しなければならない.それで,何かちょっとしたアイディアが思いついたらすかさずメモし,日時を書いてサインをしろ,と教わりました.全然実践してませんが.(^^;
・先願して特許権が発生している発明なのに,あとから「んにゃ,それはワシの発明だ」といって覆される可能性がある.

と,とにかく争いのもとになりがちな制度なわけです.その他,世界中の企業を震撼させたサブマリン特許の原因となった審査中特許の非公開制度や,なかなか判断の難しい均等論の適用範囲など,アメリカの特許制度は問題の多い仕組みだと言ってしまっていいのではないかと思います.もっとも,これこそがアメリカの産業・経済をこれまで支えていたとも言えるのですが.

しかし,今回の特許制度統一により,多少は安心して特許申請できるようになるかなと感じています.ボクも年間平均5つほどの特許を申請しています.日本の技術者はきっともっとたくさんの特許を出していることでしょうが.

S-MAX

2006-11-15 04:39:18 | 乗る
本日のメニュー:アルザス風鶏肉とトマトのクリーム煮込み(正式名が分からず).

ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーが発表されました

Ford S-MAX というミニバンが選ばれました.今年は大接戦で,2位の Opel Corsa との差はわずかに2点です:

1Ford S-MAX235点
2Opel Corsa233点
3Citroën Picasso222点
4Škoda Roomster189点
5Honda Civic148点
6Peugeot 207144点
7Volvo C30141点
8Fiat Grande Punto138点

ちなみに Škoda というのはチェコのクルマで,中身は VW です.
いずれも実力派かつ個性的なクルマばかり.その多くがコンパクトカーなのもヨーロッパらしいところです.

S-MAX は欧州フォードの上級ミニバンです.ソリッドで伸びやかなデザインが大変魅力的です.一度パリの街の中で見かけたことがありますが,その大きさをあまり感じさせないのが印象的でした.
先代は VW と共同開発した Galaxy というクルマなのですが,これがあまりぱっとせず,実際見かけることもあまりありません.しかし S-MAX は結構売れるんじゃないかと思います.ボクの目にはルノー・エスパスよりも魅力的に映ります.

まもなく発表されるはずの Mondeo も同じコンセプトのデザイン(Kinetic Design というのだとか)を纏っている模様.写真で見る限りではこちらもなかなかのものです.

アメリカ・フォードは業績面であまりいい話を聞きませんが,欧州フォードは今が旬です.

研修の嵐

2006-11-13 01:39:05 | フランス
本日のメニュー:お好み焼き.

先週は5日の勤務日数のうち3日が研修でした.残りの2日も会議でつぶれましたので,結局自分の仕事はほとんど捗りませんでした.

日本で研修というと入社1年目にみっちり仕込まれるというイメージがあります(日本の企業で働いたことないので詳しいことは分かりません)が,ウチの会社ではそういう仕組みはありません.つまり,新入社員も即戦力として扱われるわけです.

その代わり,毎年研修があります.「研修カタログ」があって,その中から自分の興味・仕事内容に沿って受けたい研修をリストアップします.研修内容は技術的なものから語学,マネージメントに至るまでさまざま.上司の承認が必要なのでなんでもかんでも受けられるわけではないのですが,基本的には自分で選択できるのが面白いところです.

ただ,研修日程は自分で決められません.で,往々にして年末に集中します.「あ,あれもやってない,これもやってない」ってんで慌てて招集をかけるのでしょう.もうちょっと計画的にやってもらえると嬉しいんだけれど...
仕事に必要だから受けることにした研修だってたくさんあるわけです.でもそれが年末に行われてしまっては,仕事はとうに終わってしまっていることだってある.後手に回ってしまっています.

今週は通常業務ですが,来週また研修です.しかも1週間ぶっ続け.(しかも)^2出張しての研修です.年末は忙しいから1週間つぶれるのはかなりイタイんだけどねぇ...

土曜の祝日

2006-11-11 23:14:56 | フランス
本日のメニュー:トゥールーズのソーセージ,目玉焼き,バゲット,ざくろ.変則アカプルコ(つまりはオリジナルカクテル(^^)),El Emperador Cabernet-Carmenere(チリ).

今日は昼まで寝たあと(^^;,買い物のため外出.忙しい半日です.

が,回る予定だった6軒のお店のうち,3軒が閉店.どの順番で行けば一番効率的か考えた上で出かけたのに... 最後の1軒は意気消沈して行くことさえしませんでした.

実は今日は祝日だったのですね.第一次世界大戦休戦記念日です.
しかし,土曜日に祝日というのは本当に使えない.ボク個人の休みが減ることを意味する上(それでも休みすぎか),しかもお店が閉まっている.土曜日にしか買い物ができない身なので,これには本当に困ってしまいます.それで明日の日曜日に開店してくれればいいのですが,そんなわけはあるはずもなく.今日は本当に買うものがいろいろあったのです.懸案だったフライパンは入手したものの,カーグラフィックは買えませんでした.来週末までは待てないなぁ.雑誌は新鮮味というのもありますからねぇ...

写真は Printemps の電飾です.まだ1ヶ月以上ありますが,クリスマス商戦の開始,といったところ.

10倍以上

2006-11-06 03:10:57 | フランス
本日のメニュー:牛肉の赤ワイン煮込み・超簡単ヴァージョン.

5連休ももう終わり.あっという間です.特に変わったことをすることもなく,のんびり過ごしました.

実は夏休み明けから歯医者さんに通っておりました.この金曜日にも治療があり,これで一応「フェイズ1」は終了.要するに一番虫歯が進行していた左下の歯3本を集中治療していたのが終わったのです.セラミックのインレイなので見た目も綺麗.3本のうち銀歯だった一番手前の歯もセラミックになりました.

ところで,フランスで歯を治療するのは大変高額です.大まかに言って,日本で治療するより優に10倍は高いと思います.

フランスの社会保険がとても発達していることはよく知られるところですし,さらに普通は民間の共済保険にも加入するので,大抵の場合医療費はとても安く済むのです(その代わり毎月給料から天引きされる額も相当なものですが...).

例外が歯と眼鏡.どちらも社会保険だけではほとんど返ってきません.民間共済は契約内容に依りますが,ボクのは安い契約なのであまり戻ってきません.結局,自腹を切るしかないわけですが,それにしたってものすごい高い.特に歯の治療は相当なもの.4年前にフランスに来てすぐ歯の治療の見積もりをしてもらったとき,そのあまりの高さに仰天し,ほとんど治療らしい治療をしないで今日に至りました.ま,ほっといたおかげでますます虫歯は進行し,治療費はさらに高額になってしまったわけですが...

本来なら日本で治療したかったところですが,日本に保険を持っていないのでそれもできず,かといってさらにほっとくわけにもいかず,やむを得ず高額を払って今回治療することになりました.はぁ...

あとは「フェイズ2」が残っています.右上と右下それぞれ1本ずつ.「フェイズ1」ほどひどくはありませんが,これまたほっとけませんので,やっぱり治す予定です.はぁ......