食べる・飲む・乗るドイツ

フランス生活を終え,何故かベルリンに来てしまった日本人の防備録.

初の発熱

2008-06-21 17:50:31 | 育つ
本日のメニュー:ポークソテー・粒胡椒ソース,パスタ・ジェノベーゼ.

Eちゃんが発熱に見舞われました.8ヶ月にして初めてのことです.

先週の日曜日.夜10時に寝始めたと思ったら,15分もしないうちに目を覚まし,さらに15分後に嘔吐.それから体温がぐんぐん上がり,本人も泣きっぱなし.
救急に行こうとクルマに乗ったのですが,途中で眠り始めた(Eちゃんはクルマの中で必ず寝ます.クルマのNVHが心地よいらしい)のでアパートに引き返すも,やっぱり熱も高いし結局ほとんど眠れなかったので,翌月曜日の朝解熱剤を飲ませた後,小児科の先生のところに連れて行きました.

診断の結果は「異常なし」.発熱の原因が分からない.さらに1日様子を見て,熱が下がらないようだったら再度連れてこいということに.

火曜日.熱は下がらず.尿検査をしたら白血球の量が多い.でも何故多いのかが分からない.ので,結局救急病院に連れて行って見てもらえと小児科の先生に言われました.この先生,あまり評判がよくないようなのですが,今回の一件でヤブであるということで落着.別の先生探すかな.

救急病院でも尿検査,血液検査,レントゲン撮影をするも,やはり白血球の異常値以外問題なし.何らかの感染症にかかっている疑いがあるので抗生物質を点滴して帰宅.

水曜日.やはり熱は下がらず,再び救急へ.検診中に耳くそがたくさん出ていることに気づき,同じ病院内の耳鼻科のところへ行ったら,「あぁ,これ中耳炎ね」とあっさり言われたそう.

ようやくに発熱の原因が分かるまでまるまる3日かかりました.Eちゃんは耳が痛くて泣き続けていたんですね.それで再び抗生物質の点滴を2度してもらって,金曜日の午後になってやっと熱が下がりましたとさ.

閑話休題.ヒトが病気のとき発熱するのは免疫機能が活発になる温度が高いからなので,41℃以上の高温にならないうちは解熱剤は投与しない方がいいという理解でした.
しかし,どうやら解熱剤というのは体温を下げるだけで,一度活発になった免疫機能を低下させたりはしないんだそうな.一方,体温が高いと意識が朦朧として本人が辛いので,解熱剤はインターバルを厳守した上で積極的に投与していいようです.

以上,実に長かった1週間の顛末でした.熱も下がり食欲も出てきたEちゃんは気がついたらお座りできるようになっていました.霹靂のあとの青天,とでも言いましょうか.

フランスの交通(1)走り出したら止まらない

2008-06-14 23:44:30 | 乗る
本日のメニュー:真鯛の豆豉蒸し.Condrieu '05.

フランスでクルマを運転するようになってまず一番驚いたのは,圧倒的に信号が少ないということでした.

ボクの通勤経路を例にしますと,自宅から最初の15分は渋滞のメッカを避ける目的で住宅街を抜ける裏道を通るためかなり信号機がありますが,残りの30分はほとんどありません.ちなみにその30分のうち高速道路(les autoroutes)はほんの5分ほどだけで,残りは国道(les routes nationales)と県道(les routes départementales)です.つまり,一般道にもかかわらず信号があまりないということなのです.うまくいけばこの30分間は全く停車することなく仕事場に到着することもあります.

現在,クルマの動力源の主流はいうまでもなく内燃機関です.1世紀を超えるクルマの歴史の中で内燃機関が生き残ったのにはそれなりに理由があるわけですが,しかし同時に欠点もあります.
そのうち,もっとも大きな欠点の1つといえるのは,「回転数がゼロからでは出力できない」ということです.つまり,クルマの速度がゼロでもエンジンは回しておかなければならない.それでクラッチだとかトルクコンバータといった面倒臭い仕組みを用意しなければならないんですね.それこそ1世紀も経ってしまったおかげで今やものすごく当たり前のことのように思われますが,しかしよくよく考えてみると,一般的なクルマの使い方に鑑みればこんなに不都合な欠点もないわけです.
ちなみに電気モーターは速度ゼロからでも出力でき,停止時は無駄なエネルギーを消費しません.しかも最大トルクは速度ゼロで得られるというおまけつき.じゃぁなんで最初から電気モーターを使わないんだということになりますが,電気は貯めておくのが大変というこれまた大問題があるからです.

繰り返しますが,フランスでの燃費の単位は L/100km です.停止時,クルマは当然動いていないので移動距離はゼロ.アイドリング時の燃費は特にディーゼルでは微々たるものですが,それでもゼロではない.したがって燃費は ∞L/100km となります.つまり全く無駄なエネルギーを垂れ流しているということです.それで最近になって停車時にエンジンを止める「ストップ&スタート」という仕組みを搭載するクルマがヨーロッパのメーカーから発売されるようになってきました.

ウチのルノー・クリオのオンボードコンピュータには瞬間燃費を表示する機能があります.これを見ながら運転すると,発進時に燃費がもっとも悪いことが分かります.一番いいのは一定速度で巡航しているとき.さらにアクセル・オフの減速時は燃料噴射をカットするので燃費は 0L/100km になります.

結局,燃費を向上させるためには停車時間を短くし,かつ停車状態からの発進頻度を減らすことが最重要であることが分かります.

で,ここでようやく冒頭に述べた信号機の数の話に戻ります.短絡的に言えば,クルマの燃費をインフラの面から向上させるためには,信号機を減らせばいいということになります.さらに,信号機そのものも電気を使っている以上エネルギーを消費しますから,一石二鳥で省エネになります.

さて,ではどうすれば信号機を使わずにすむのか?...という話は次回以降(結局今回もプロローグの続きだな...).

フランスの交通・プロローグ:燃料価格高騰と燃費

2008-06-06 04:49:20 | 乗る
本日のメニュー:牛挽肉の韓国風すき焼き.

フランスで日常的にクルマに乗るようになってもうすぐ1年になります.やはりクルマを持つと行動範囲が圧倒的に広がることを実感しています.おかげでどこに行くのでもクルマで出かけたくなってしまうのですが.

しかし最近の燃料価格高騰はここフランスでも切実な問題になってきました.1年前に比べると3割値上がりしています.それでトラックの運ちゃんやタクシードライバーが高速道路で牛歩戦術を展開したり(l'opération escargot,カタツムリ戦術といいます),漁師さんたちが漁港でストライキしたりといったニュースが連日報道されているわけです.

それはボク個人にとっても家計に直接関わってくることですので切実であることには変わりないのですが,しかし同時に「ウチのクルマが低燃費でよかった」とも感じています.実際,ウチのルノー・クリオの通算燃費は20km/L以上(フランス式には5L/100km以下)です.化石燃料を使っている以上,燃料消費量とCO2排出量は比例関係にあることは留意しておいていいでしょう.

さて,これはウチのクリオのエンジンが1.5Lディーゼルだからなのですが,しかし,仮に同じクルマを日本(特に東京)に持っていっても上記のような低燃費にはならないでしょう.
つまり,クルマの燃費性能以外のファクターが存在するということです.それは,タイトルにあるとおり,フランスの交通事情そのものです.

不定期になると思いますが,これから数回に分けて,ボクがこの1年間クリオのウィンドウスクリーン越しに見てきたフランス交通の仕組みを紹介したいと思います.いずれも燃料消費を極力抑えつつ,クルマをスムーズに走らせることができる仕組みだと気づかされます.クルマの低燃費化も重要ですが,交通インフラの最適化も大変重要であることが見えてくるのではないかと思います.