民間調査会社の集計によると、2007年度の企業倒産は、
前年度18.4%増の11,333件と、比較可能な2001年度以降で最多とのことです。
金融危機だった頃に比べ、大型の倒産が減っているので金額ベースでは、最多ではないかもしれませんが、統計に出ない中小・零細の倒産、廃業等はかなりのぼると推定されます。
急激な円高、原油高のほか様々な原材料高に加え、大手企業からの強烈な
コストダウンは下請企業には本当に死活問題です。
私ども会計事務所のお客様はほとんどが、中堅・中小企業です。
決算時にお会いする社長様の元気、余裕が無くなってきているのを感じます。
もちろん、悪いときにも悪いなりに、確実に利益を出し続けているお客様がおられます。
創業して39期目のA社さんは、創業から一度も赤字決算になることなく、税金を払い続けておられます。
自己資本率は50%を超え、含み益ももっていますが、悪ければ、真っ先にご自身の役員報酬を下げられます。その覚悟、迫力には圧倒されます。
決して、IT産業のように景気のいい業界ではありません。
(40年前にはIT産業はなかったですよね(笑))
やはり「負けない」ことが大事です。(4月1日拙文ご参照)
安易な節税本が巷にはあふれていますし、節税のDMなどもよく送られてきます。
利益が少しでもでると「税金は払いたくない」「節税!」とおっしゃる社長がおられます。
しかし、会社にとって、一番大事なことは、
会社が存続して、お客様に商品、サービスを提供し、仕入先に代金を支払い、
金融機関には返済をして、そして何よりも雇用を守っていくことです。
そのためには、
1. 儲けること(=税金を払うこと)、
2. お金を残すこと
3. 将来のリスクに備え内部留保を蓄えることです。
この繰り返しを、前述の39期目の会社は毎年続けてきたからこそ今があります。
強くそう願うこと、その達成のために正しい努力をすることが本当に大切です。