斬り捨て御免塾!!

☆エンタメ毒舌レビュー集☆

三夜連続特別ドラマ 「女の一代記」シリーズ

2005年11月26日 | TV番組

24日から3夜連続で放送している、「女の一代記」シリーズ。
ポリシーとしてテレビドラマは極力見ないようにしているわたくしではありますが、
なぜかこのドラマは見てしまいました。

それはもちろん、「ドラマとしてサイコーに面白そうよ!!」と期待したからでは全然なく、
「少しはブログのネタにでもなるかもネ」という消極的な姿勢のまま仕方なしに
見たといった感じなのでございます。

で、見た結果といえば・・・・・
ブログのネタにすらならないどーでもいい退屈なドラマだったわ!!
といったところでしょうか。

ま、一言のもとに断罪してしまうのもあまり芸がないので、今日は退屈しのぎの意味もこめて
「無いに等しいドラマの見所」なんかを書いてみようかと……。


幸運にもこのドラマの存在を知らない方のために簡単に解説すると、
『女の一代記』シリーズは昭和を代表する文化人、瀬戸内寂聴(作家)、越路吹雪(歌手)
杉村春子(女優)
の波乱万丈の人生を、フジテレビが社運を賭ける勢いでドラマ化したものです。






瀬戸内寂聴役は宮沢りえ。杉村春子役に米倉涼子。越路吹雪役には
天海祐希というラインナップ。

愛の飢餓感に痩せ細った宮沢りえが、愛欲に狂う瀬戸内寂聴を演じるというのは、
実にナイスキャスティング。
しかし、不幸のオーラ出しまくりの宮沢りえが迫真の演技をすればするほどに、
ドラマとしてのリアリティーがなくなっていくという不思議な現象が起こりました。

なぜか??
宮沢りえは悪くありません。悪いのはすべて、モデルとなった瀬戸内寂聴にある!!

報われない愛を重ねてとことん傷つき、ついには世間との縁を切るように出家した悲劇のヒロイン…。
おそらくドラマを通して、瀬戸内寂聴の人生をそんなふうに描きたかったのでしょう。

だけどあの瀬戸内寂聴という人間から、そんな健気なヒロイン性が感じとれますか
??
愛によって身も心も傷ついた悲劇の女に見えますか??

『出家とは生きながら死ぬこと』

ドラマのキャッチコピーが空しく思えるほどに、瀬戸内寂聴は生き生きとハゲ頭を輝かせているではありませんか。
出家したなら大人しく写経でもしていればいいものを、「青空説法」という名目のもとに何千という人を寺に
集めては自分の過去を嬉々として語り、マスメディアに顔を出しまくり、本を次々と出版し、講演ビデオも売りまくる。

しゅっけ 0 【出家】
(名)

〔仏〕 家庭などとの関係を切り、世俗を離れ、戒を受けて僧になること。または、その人。
                                              
※大辞林より

世俗を離れて欲を捨てるどころか、世俗の中で欲まみれな生き方をする瀬戸内寂聴。
セトウチというよりセイウチ的なふてぶてしさを発する彼女の人生を「美談」に仕立て上げようとする
このドラマに、わたくしは激しく違和感を覚えたのでございます。むしろ宮沢りえの半生をドラマ化した方が
泣けたんじゃないかしらね。


そして昨日の第2夜では、
『越路吹雪 愛の生涯~この命燃えつきるまで私は歌う~』が放送されました。

色んな意味で存在感のある天海祐希が、これまた越路吹雪役を熱演。
しかし・・・・・やはり天海祐希が迫真の演技をすればするほどに、
ドラマとしてのリアリティーがなくなっていくという不思議な現象が起こりました。

なぜか??
天海祐希のせいです。命のロウソクを燃やすように生きた越路吹雪を演じるには、
天海祐希という女のもつ雰囲気は、あまりにも健康的すぎる。その表情や発声、立ち振る舞いが、
ロボット的なのです。とても病魔と闘っているようには見えません。

よろける演技をしていても、体を構成するネジの一本がほんの少し錆ついたようにしか見えないの。
油をさせばすぐにまた元気に人を殴りそうな雰囲気が、天海祐希にはあるのです。

そんな天海祐希がガンに冒され病院のベッドで息を引き取るシーンにも、全然悲壮感はありません。
ベッド横で号泣する松下由樹が、まるでバカみたいに見えました。
芸達者の誉れ高い松下由樹の渾身の演技力を無にしてしまうほどの、天海祐希の冷め切った演技。
実に恐ろしい。

天海祐希は今後、人を殺す役はしても、自身が死ぬ役は決してするべきではありません。
女ターミネーター役なんかがあったら最適だと思うわ。
ハリウッド関係者は是非とも、天海祐希主演で「ターミネーター4」を製作していただきたい。


そして今日は、いよいよ第3夜。
『杉村春子 悪女の一生~芝居と結婚した女優の生涯~』が放送されます。

多分わたくし・・・・・もう見ないと思う。
だって米倉涼子でしょ??この人って、何を演じても『黒皮の手帖』なんですもの。
杉村春子の一生を演じようと、泉ピン子の半生を演じようと、米倉涼子は米倉涼子にしか見えない。
全身から発せられる「イヤな女オーラ」をカバーできる演技力があるとは、到底思えません。

ま、だからこそサブタイトルが『悪女の一生』なんだろうけど。
明からに「黒皮の涼子」を意識したサブタイトル。

もう勝手にしてって感じかしら。



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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
女の一代記シリーズ (花花)
2017-08-24 17:03:03
面白かったです。
久しぶりに笑いました。