前回号につづいて、今月(1月)に手がけたALL-ON-6の内もう一症例紹介したいと思います。そのまえに、まず、ALL-ON-4やALL-ON-6は、ポルトガル人のDr.パウル・マロという人が、多く歯を喪失した人にできるだけ、治療の負担、経済的な負担を少なく、審美的によく噛めるようにするため考案した方法です。やはり、インプラント治療なのですが、必要最少限のインプラント本数でより多くの失った歯を回復する方法です。当院も早くこの治療を取り入れ、今では、たくさんの方にこの治療をしています。
写真の患者さんは、インプラントを植立するにあたっての付加手術を受け入れていただけましたので、より理想的でかつECO(少ない本数で)な治療が可能になりました。よりピンポイントに植立をするために、骨の量が少ない部位にも骨を造成することで植立が可能になります。この症例は、上顎洞(副鼻腔)の底を骨膜を上げ、骨を増やすこ
とによって植立が可能になりました。(レントゲン写真。左上~サイナスリフト術前。左下~サイナスリフト術後)。
右下の写真は先日(H24/1/28)撮った、インプラント植立から約4ヵ月後の2次オペ(増骨をした部位のインプラントは通常2回のOPEが必要になります。)から4日後の術後のものです。
要所にインプラントが6箇所植立されていますね。
この写真の歯茎から出ているものは、ヒーリングキャップといって、歯茎をきれいに形づけして治していくものです。
ここから、最終の型を採って、噛むときの下あごの位置を自然な位置に決めてから歯の形や並び方、見え方や白さなどを決定して装着し、込み合わせの調整に入ります。ここまで約1ヶ月くらいです。筋肉や関節との調和や口腔清掃の状態の確認をし、今後のメンテナンスに移行します。
これからも、できるだけ必要最小本数で、永く機能し、審美的なインプラント治療を手がけていきたいと思います。