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インプラントを必要最少本数で PART2

2012-01-30 10:34:35 | インポート

前回号につづいて、今月(1月)に手がけたALL-ON-6の内もう一症例紹介したいと思います。そのまえに、まず、ALL-ON-4やALL-ON-6は、ポルトガル人のDr.パウル・マロという人が、多く歯を喪失した人にできるだけ、治療の負担、経済的な負担を少なく、審美的によく噛めるようにするため考案した方法です。やはり、インプラント治療なのですが、必要最少限のインプラント本数でより多くの失った歯を回復する方法です。当院も早くこの治療を取り入れ、今では、たくさんの方にこの治療をしています。

Pm1写真の患者さんは、インプラントを植立するにあたっての付加手術を受け入れていただけましたので、より理想的でかつECO(少ない本数で)な治療が可能になりました。よりピンポイントに植立をするために、骨の量が少ない部位にも骨を造成することで植立が可能になります。この症例は、上顎洞(副鼻腔)の底を骨膜を上げ、骨を増やすこ

Pm2_4

とによって植立が可能になりました。(レントゲン写真。左上~サイナスリフト術前。左下~サイナスリフト術後)。

   

右下の写真は先日(H24/1/28)撮った、インプラント植立かImg_2246ら約4ヵ月後の2次オペ(増骨をした部位のインプラントは通常2回のOPEが必要になります。)から4日後の術後のものです。
要所にインプラントが6箇所植立されていますね。

この写真の歯茎から出ているものは、ヒーリングキャップといって、歯茎をきれいに形づけして治していくものです。

ここから、最終の型を採って、噛むときの下あごの位置を自然な位置に決めてから歯の形や並び方、見え方や白さなどを決定して装着し、込み合わせの調整に入ります。ここまで約1ヶ月くらいです。筋肉や関節との調和や口腔清掃の状態の確認をし、今後のメンテナンスに移行します。

これからも、できるだけ必要最小本数で、永く機能し、審美的なインプラント治療を手がけていきたいと思います。

 

 


インプラントを必要最少本数で。

2012-01-20 00:02:24 | 健康・病気

あけましておめでとうございます。今年こそ、症例をブログにのせていきたいと思います。患者様に、「同じような治療の方がいるのか?」とか、「症例を見たい」といつも言われますがなかなか時間がとれずにいました。少しやってみます。まずは、相談で一番多いもの。「最少のインプラント本数で」という治療のリクエストです。「かみ合わせとインプラントの専門クリニック」ということもあり、総入れ歯をはずしたいけれど噛めるのかとか手術が不安、という患者様が紹介で増えてきております。今日は1月の症例です。仮または本装着したALL-ON-4,ALL-ON-6のインプラント症例のうち、3つを紹介したいと思います。もちろん治療開始は半年から一年前になりますが、皆様頑張っていただき、ようやくかみしめる日々に突入致しました!!

①症例1  上は、ALL-ON-6(サイナスリフトの手術により、骨がなかったところにインプラントを6本植立し12本の歯を作る術式。)下は、インプラント5本と残りの歯の審美回復の治療。現在はプロビショナルレストレーションズ(最後の仮歯、ノエル専用のプラスチック製)。最終補綴物はジルコニアを予定。


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歯の喪失は、歯肉(特に角化歯肉といって動かない丈夫な歯肉)と骨(歯槽骨)も同時に部分的喪失することがほとんどで、逆に言うとそれが原因で支えがなくなって歯が喪失するともいえます。左上の写真は、その喪失した、歯肉や骨も補綴する仮歯ですが、量的に(特に高さ)少なく、右下のスマイル時の写真は、上前歯の露出量の少ないことが確認されます。(もちろん最終の補綴物に反映します。)写真以外にもかみ合わせや、咬合力増加にともなう筋疲労の有無、顎関節の機能や口腔内部の違和感や発音への影響、また形態からくる歯肉との調和や口腔衛生上の確認、顔貌の影響などあげればきりがありませんが、とにかくこの確認のステップも特に重要です。左上中央の写真は、下の仮歯です。(H24/1/9)

最終のSETは、2012/4/19 「前々回のAll-on-6の続き」でご覧いただけます。

 

 

②症例2(左下の写真2枚)  これも、ALL-ON-6 (6本のインプラントが12本を支えます。傾斜埋入によりサイナスリフト手術をさけて、治療期間と費用を最小限にしました。)下は上の歯が完成したので、それに合わせて歯列矯正、ホワイトニングを予定しています。

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臼歯部の咬合平面(鼻聴道線と平行とされる線)が少し気になるものの、ほぼ満足のいく上顎歯列になった。患者さんの満足度は大きい。(モールド・形、シェード・色調は、患者さんの選択による。)(H24/1/17)

 

        ③症例3(右下の写真2枚)  上顎、ALL-ON-4 セラモメタル、下顎、両側臼歯部インプラント各2本(計4本)、下顎前歯部、セラモメタルクラウンで歯周補綴(動揺歯を永久固定のため連冠)

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こちらの症例も①の症例と同じく、歯周病による抜歯のため、骨や歯茎がかなり減っていたため、歯が長くなるので、人工歯肉タイプという部分を歯に施し、歯茎に見せる工夫をいたしました。特にこの部分もセラミックのため、見た感じよりも「スキマ」に汚れがつきにくく、またこの「スキマ」は清掃性、通気性や唾液の流通性を向上させ、より長期に審美機能性を維持します。(H24/1/19)

※ 以上の3つの症例のような全顎インプラント症例は、もちろん、かみ合わせの調整による咬合圧(力)の分散、顎機能の改善や整形外科的な頭蓋骨に対する下顎骨、関節の3Dな位置関係の維持・改善が、インプラントを長くもたせるためには特に大切です。