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デルタ株が蔓延しつつある東京でのオリンピック開催に憂慮

デルタ株が蔓延しつつある東京での
オリンピック開催に憂慮


中国から届いた吉川さんのお便りをご紹介します。

郁子さん、お母さん、調子はいかがですか?
ワクチン接種されましたか?
うちの母は先月1回目接種して、数日間調子が悪かったそうです。
こちらでは張さんも私も2回目の接種をすませて元気です。

5月の伊関さんのメッセージうれしかったです。

さて、2021年5月11日付で中国国務院 新型コロナウイルス感染症対策共同予防抑制機構 総合グループから発表された
『新型コロナウイルス感染症防疫方案(第8版)』の日本語版をお送りします。

中国では5-6月広州でデルタ株の局地的流行があり、感染性が高いことから、
中国工程院院士鐘南山先生は、濃厚接触者の定義を変更する必要があるのではないか、と言われています。
中国専門家、“14秒で感染”のデルタ変異株に「密接接触者の基準を強化せねば」(WoW!Korea) - Yahoo!ニュース

そのデルタ株が蔓延しつつある東京でオリンピック開催とは、人命軽視も甚だしいものがあります。

中国ではこの『防疫方案』にあるように、感染対策はかなり厳しく全面的で、
住民も主体的に参加して「ゼロコロナ」をかなりの程度で実現しています。
死亡者数は2020年6月以降では、今年1月と2月に各1人(石家荘での流行)だけで食い止められています。

中国に入国するには搭乗2日前以内のPCR検査および血清特異性IgM抗体検査の陰性証明が必要ですが、
それでも入国検査で毎日10〜20名あまりのPCR陽性者が出ています。
たまに偽造の陰性証明所持者もあるようです。
陽性者が多い国の便については以降の就航が即刻停止になります。

つまりオリンピック関係入国者は、陰性証明所持者であってもウイルスの持ち込みが相当あると思われます。


また、中国の市中感染では、隔離期間終了後の入国者からの感染や、
たまに港湾などの輸入貨物取扱者からの感染が報じられています。

入国者の14日間(地域によっては21日間、28日間)の隔離が厳しく実行されている中国ですが、
中には潜伏期が大変長い人がいて、いったん陰性になって隔離解除後、街に出て、お店の人などに感染させた例が報告されています。

中国では感染があれば記者会見が毎日あるし、誰から誰に感染したかもウイルスゲノム検査で明らかになれば公開されます。
日本のように感染者差別があまりなく、今回の広州の早期感染者への声援が集まったり、
この方案の68ページに、

「在職党員、古参党員、ボランティア、住民の中心的人物、住宅の棟代表、横丁の世話役など、防疫を担う各層住民の自主的な力を発揮して、組織的動員の態勢を固め、力を合わせてコミュニティ(村)の防疫の総合力を強化する。」


とあるように、住民総出で住宅の出入りチェック、PCR検査への動員、消毒、封鎖中の食料、生活物品、いつも飲んでいる薬の調達、心理ケア、などをになっています。

7月1日が中国共産党100周年にあたり、さまざまな行事が行われました。
中国共産党創設メンバーの多くが、当時日本に留学中にマルクスレーニン主義を学んだわけですが、
同じように学んだはずの日本人はこの100年どうしていたんだろう、と考えてしまいます。

式典で習近平氏は
「中国人民はこれまで他国の人民を虐め、抑圧し、奴隷化したことはない。過去になく、現在もなく、将来においてもあり得ない。」
と言われましたが、
http://j.people.com.cn/n3/2021/0701/c94474-9867504.html

たしかにその通りなんですね。
いろいろ考えさせられました。

(略)

今翻訳している、中国広州の5-6月の流行について、国務院共同予防抑制機構総合グループの専門家で広東省中医院の張忠徳( Zhang Zhongde )副院長のインタビューでは、

「5月21日から6月26日まで、今回の広州の流行で治療した本土患者数は166名です。
今回の新型コロナウイルスデルタ株感染患者さんの特徴は、
第一に潜伏期が短いことです。3~7日間で発症することが多いです。
第二には高齢の患者さんが多いことです。70歳以上の患者さんの割合が多く、最高齢は92歳で、80歳以上の方が十数人おられます。基礎疾患や合併症を持つ方の割合がかなり多いです。
第三に病状の進行が早いことです。従来は7~9日ほどかかって重症になった例が多いのですが、今回の流行では重症となるのに3.3日しかかからず、中には24時間以内に重症、または直接重篤になってしまう方もおられます。今回の流行では重症、重篤の患者さんが15%を占め、ウイルス量が多く、核酸検査で陰性になるまでに時間がかかるという特徴があります。」
とのことです。

中国では陽性がわかった人は全員入院治療を受けられますが、
日本で本格的に流行したら、ベッドや人工呼吸器がすぐ底をつきそうで心配しています。
すれちがいや同じ空間にいただけでも感染するということですので、十分気を付けてください。
この翻訳はできしだいお送りしますね。

生きにくい時代ですが、何とか道を探して、世界の人民が助け合って、難局を乗り越えていくしかありません。
一緒にがんばりましょう!

副反応が軽くすんで、無事免疫がつくようお祈りしています。

           吉川淳子


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