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C. Hyperion

2012年03月30日 00時00分00秒 | ■ラベンダー・淡ラベンダー系
※2012年03月30日内容更新(新画像追加等)

於:第26回 明石ラン展(2012年1月)※花径約14.0cm
■C. Hyperion FCC/JOS
カトレヤ ハイペリオン(ヒペリオン)
(C. General Maude x C. Leda (01/01/1933))

■花色=ラベンダー系
■花径=130~140mmくらいの大輪系
■花型=極整型
■弁質=厚弁
■花着き=普通
■着花輪数=1花茎に2輪くらい
■花期=主に秋~冬咲き
■株姿=コンパクト
■香り=弱い

旧属名表記 Lc. Hyperion、Sc. Hyperion
 現在ではあまりお目にかかることの出来ないクラシックの銘花です。現在、最先端で活躍中の優秀花たちと比較すると、特別に傑出した点があるわけではないのですが、古美術品のような独特な存在感を持っている“渋い花”だと個人的には思っています。
 片親の C. General Maude(ジェネラル・モード)の交配に使われている C. Rubens(ルーベンス)を祖先に持ち、その特長を継承する品種は「Rubens(ルーベンス)系」と呼ばれており、C. Rubens は原種 C. pumila(プミラ)のピンと張った“ペタルの展開の良さ”や“コンパクトな株姿”に着目し、その特徴を子孫に伝え改良を行うことを目的とした交配とのことです。
 ただし周知の通り、C. pumila はペタル幅が狭くリップが小さく、着花輪数が少ないという特徴も持っていますから、交配の過程ではこのマイナスの特徴を発現した花も大量に発生したはずで、この系統の育種にも先人の多大なる時間と労力と情熱が費やされたことは想像に難くありません。
 また、C. Hyperion の興味深いところは、本種自体は素晴らしい良花にもかかわらず、本種を直接交配した子孫には現在、銘花と呼ばれ一般に見ることの出来る有名品種が C. Prophesy (C. Horace x C. Hyperion (01/01/1966)) くらいしかないといわれていることで、おそらく直接の交配親としてはその長所を子供には伝えにくい傾向があるのではないかと推察されます。今後、登場するであろうその後の世代に本種の特長を発現する優秀花が現れることを期待しています。
<入賞データ>
・FCC/JOS = 1957年、90点(同年に87点でAMにも入賞)

◎C. Hyperion の親品種たちの交配
・C. General Maude = C. Rubens x C. Hardyana (01/01/1917)
・C. Leda = C. dowiana x C. percivaliana (01/01/1900)



<C. Hyperion 別個体(一例)>
・No. 1(ナンバーワン)※1999年2月、姫路市立手柄山温室植物園「春の洋ラン展(主催 姫路ラン会・播磨ラン会)」において姫路市緑化協会理事長賞を受賞。見事な極整型花が10輪近く着花した素晴らしい株。出展者は神戸や明石でも有名な趣味家K氏。当時の画像は姫路ラン会さんのHPで見られます。


◆<C. Hyperion を交配親とした品種登録実績一覧>についての記事は、こちらをクリック!


<C. Hyperion 画像集>


※2008.12 我が家にて開花、花径約13.0cm
■C. Hyperion FCC/JOS
カトレヤ ハイペリオン(ヒペリオン)



※2008.12 我が家にて開花、花径約13.0cm
■C. Hyperion FCC/JOS
カトレヤ ハイペリオン(ヒペリオン)



※2008.12 我が家にて開花、花径約13.0cm
■C. Hyperion FCC/JOS
カトレヤ ハイペリオン(ヒペリオン)



※2008.12 我が家にて開花(花径約13.0cm、室内自然光撮影)
■C. Hyperion FCC/JOS
カトレヤ ハイペリオン(ヒペリオン)



※2008.12 我が家にて開花、花径約13.0cm
■C. Hyperion FCC/JOS
カトレヤ ハイペリオン(ヒペリオン)
 今年は生育が良く、2リードから各2輪ずつ開花しましたが、僕的にこの株は「保存株」ですので株を弱らせないために早切りしました。



※逆光ですスミマセン!
■C. Hyperion FCC/JOS
カトレヤ ハイペリオン(ヒペリオン)



※古い写真からのスキャンのため画質が悪くてスミマセン!
■C. Hyperion FCC/JOS
カトレヤ ハイペリオン(ヒペリオン)
 上の画像は10年以上前に宝塚の翠香園さんで撮影させていただいたもので花径140mmくらいのピンとしたペタルの展開が印象的な極整型花でした。ここにご紹介している画像の中では最も“本種らしさ”の出ている花ではないかと思います。



※2007.09 我が家にて開花
■C. Hyperion FCC/JOS(※参考画像)
カトレヤ ハイペリオン(ヒペリオン)
 花径約13.5cm 。下に紹介している 2006.12 に開花したものと同一株です。気温の高い時期の開花では画像のようにペタル幅が狭くなり、特にリップの色彩が淡くなる傾向があるようです。黄目は殆どなくなっています。



※2006.12 我が家にて開花したもの。12.0cmくらいと不作です。
■C. Hyperion FCC/JOS
カトレヤ ハイペリオン(ヒペリオン)



※2006.12 我が家にて開花
■C. Hyperion FCC/JOS
カトレヤ ハイペリオン(ヒペリオン)
 株姿は株高30センチ程度とコンパクト。ガッチリしていて、増殖は比較的遅い。 



(上記、記事中の属名表記は最新属名を採用しました。そのため一部、過去記事との表記の相違等が発生する場合がございます。)

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