カトログ !! ~ カトレヤ交配種のブログ (Hybrid Cattleya's Database) ~

洋蘭の女王カトレアのデータベース(主に大輪系交配種)&育種交配・実生の魅力をご紹介

●Rlc. Toshie Aoki‘Blumen Insel’

2017年08月27日 10時30分00秒 | ■黄色・セミイエロー系
※2017年08月27日内容更新(新画像追加等)

栽培・画像提供=高知のセミイエローさん(2013年12月)
■Rlc. Toshie Aoki‘Blumen Insel’
リンコレリオカトレヤ トシエ・アオキ‘ブルーメン・インセル’
(Rlc. Faye Miyamoto x Rlc. Waianae Flare (01/01/1980))

■花色=セミイエロー系(クサビ入り)
■花径=11~13cmくらいの中~中大輪系
■花型=極整型
■弁質=極厚弁
■花着き=普通
■着花輪数=1花茎に2~4輪くらい。子房部はやや短め。
■花期=主に夏~秋咲き(※不定期咲きの傾向あり)
■株姿=比較的コンパクト
■香り=強く良い

旧属名表記 Blc. Toshie Aoki、Rsc. Toshie Aoki
 ハワイを代表するセミイエロー系銘花としてあまりにも有名な品種。近年、展開良く色鮮やかな濃色整型花を生み出す交配親品種として重用されており、特殊な属間交配も試みられ、続々と優秀美花を生み出しています。
<個体‘Blumen Insel’について>
・花色はやや淡い黄色でそれとは対照的にほとんど黒に近い程に濃色なリップが非常に印象的な極美花だと思います。
・展開の良い花容で、5弁に入るクサビが絶妙なアクセントになっていると思います。
・クサビとリップの黄目の大きさや濃さは開花時期や栽培環境などの影響を受け変化が大きいようです。


<交配親 Rlc. Toshie Aoki に関する私的見解>
 個人的に感じている本種の交配親としての特徴としましては、種子親としての使用実績(あくまでも登録情報からの判断)では、やや花径が小さくなる、もしくは花径を大きくしにくい傾向があるように思います。
 実際に現在、本種を種子親として交配に使用し、生まれ、活躍中の有名優秀花には中輪から中大輪系の品種が多く、特筆すべき巨大輪花は見あたらないように思います。
 一方、花粉親としての実績では種子親としての実績よりは比較的、大輪系の品種も多いように思われ、一例をあげますと、
・Rlc. Kuan-Miao Chen (Rlc. Memoria Emma Chung x Rlc. Toshie Aoki (01/01/1987))
・Rlc. Memoria Ong Wen-Mo (Rlc. Gorgeous Gold x Rlc. Toshie Aoki (01/01/1985))
・Rlc. Williette Wong (Rlc. Tassie Barbero x Rlc. Toshie Aoki (08/10/1990))
等、上記のような品種があり、中でも Rlc. Williette Wong などは花径 17cm にも及ぶ、極大輪花を咲かせる品種として注目されており、交配親としても重用多用されています。
 なお Rlc. Toshie Aoki の祖先としては大輪系の品種が大半を占め、中には巨大輪花として有名な Rlc. Norman's Bay のような品種までが名を連ねているのですが、その子孫に、思わず感嘆の声を上げたくなるような立派な巨大輪花があまり見当たらないのが不思議です。


<C. bicolor の存在と待ち望まれる“カギ”>
 上記の花径の大型化を抑制しているようにも思える原因として考えられる祖先としましては、原種の C. bicolor くらいしか見当たらないように思います。
 C. bicolor を交配親に使用すると、いわゆる「バチ弁」を持つ子孫が誕生する確率が非常に高いことは有名ですが、しかし本種を構成するわずか 6.45%の C. bicolor の血がバチ弁という特徴に加えて、数代も後の子孫にまで及び、名だたる巨大輪花たちの血を打ち消して、ここまで強烈に花径に影響を与えてくるとは考えにくく、ではいったい何がここまで Rlc. Toshie Aoki の子孫の花径に影響を与えているのか?謎は深まるばかりだと思います…。
 Rlc. Toshie Aoki が「濃く色鮮やかな花色」「ピンと張った展開の良い花弁」「極整型な花型」等の特長を有する魅力溢れる品種だけに、この花径の問題を解消してくれる“カギ”になるパートナーの登場が待ち望まれてなりません。

◎Rlc. Toshie Aoki の親品種の交配
・Rlc. Faye Miyamoto = C. Amber Glow x Rlc. Lleblanche (01/01/1975)
・Rlc. Waianae Flare = C. John Harry Jenkins x Rlc. Cheah Bean-Kee (01/01/1980)


◎交配系統図は、こちらをクリック!(協力=Abiko Orchid Room Ronさん)



※Rlc. Toshie Aoki の親品種
■Rlc. Faye Miyamoto
リンコレリオカトレヤ フェイ・ミヤモト
(C. Amber Glow x Rlc. Lleblanche (01/01/1975))
●Rlc. Faye Miyamoto についての記事は、こちらをクリック!


<Rlc. Toshie Aoki‘Blumen Insel’別個体(一例)>
・Maruga(マルガ)
・Carmera(カーメラ)
・Hsinying Red(シンイン・レッド)
・Dr. T. M. PC/JOS (78P, NS140mm, 1987年)
・Miniflares(ミニフレアーズ)AM/AOS (81P, NS138mm, F=3, 1981年)
・Goldrush(ゴールドラッシュ)HCC/AOS (78P, NS115mm, F=6(3x2), 1981年)
・Pizazz(ピザズ)AM/AOS (84P, NS145mm, F=2, 1983年)
・Robin(ロビン)HCC/AOS (76P, NS125mm, F=3, 1984年)
・Riverbend(リバーベンド)HCC/AOS (75P, NS106mm, F=3, 1984年)
・Waldor(ワルダー)AM/AOS (81P, NS125mm, F=3, 1984年)
・Pokai(ポカイ)AM/AOS (84P, NS129mm, F=2, 1995年) CR/HOS (79.5P, 139.7mm, F=3, 1987年)
・Sylvia(シルビア)HCC/AOS (79P, NS152mm, F=2, 1995年)
・Carol(キャロル)HCC/AOS (77P, NS140mm, F-2, 1996年)
・Starburst(スターバースト)AM/AOS (80P, NS120mm, F=2, 1996年)
・Penny's Luck(ペニーズ・ラック)HCC/AOS (77P, NS115mm, F=2, 1999年)
・Arbec(アルベック)AM/AOS (81P, NS126mm, F=3, 2000年)
・Celebration(セレブレーション)JC/AOS (NS120mm, F=2, 2001年)



栽培・画像提供=高知のセミイエローさん(花径11cm)
■Rlc. Toshie Aoki‘Encore’
リンコレリオカトレヤ トシエ・アオキ‘アンコール’
●Rlc. Toshie Aoki‘Encore’についての記事は、こちらをクリック!



栽培・画像提供=サンセットさん(2009年9月開花。花径13.5cm)
■Rlc. Toshie Aoki‘Maruga’
リンコレリオカトレヤ トシエ・アオキ‘マルガ’
●Rlc. Toshie Aoki‘Maruga’についての記事は、こちらをクリック!



栽培・画像提供=高知のセミイエローさん
■Rlc. Toshie Aoki‘Robin’
リンコレリオカトレヤ トシエ・アオキ‘ロビン’
●Rlc. Toshie Aoki‘Robin’についての記事は、こちらをクリック!



栽培・画像提供=サンセットさん(2011年8月上旬開花分、花径12.0cm、2輪咲き、株小さめ)
■Rlc. Toshie Aoki‘Pizzaz’AM/AOS
リンコレリオカトレヤ トシエ・アオキ‘ピザズ’
●Rlc. Toshie Aoki‘Pizzaz’についての記事は、こちらをクリック!



栽培・画像提供=高知のセミイエローさん(2015年07月下旬)
■Rlc. Toshie Aoki‘Pokai’AM/AOS
リンコレリオカトレヤ トシエ・アオキ‘ポカイ’
●Rlc. Toshie Aoki‘Pokai’についての記事は、こちらをクリック!



栽培=高知のセミイエローさん(2015年08月)
■Rlc. Toshie Aoki‘Starburst’AM/AOS
リンコレリオカトレヤ トシエ・アオキ‘スターバースト’
●Rlc. Toshie Aoki‘Starburst’についての記事は、こちらをクリック!



画像提供=サンセットさん
■Rlc. Toshie Aoki(実生1)
リンコレリオカトレヤ トシエ・アオキ(実生1)
●Rlc. Toshie Aoki(実生1)についての記事は、こちらをクリック!


◆Rlc. Toshie Aoki の子供たち(画像集 2-1)の記事は、こちらをクリック!

◆Rlc. Toshie Aoki の子供たち(画像集 2-2)の記事は、こちらをクリック!


<Rlc. Toshie Aoki‘Blumen Insel’画像集>


栽培・画像提供=高知のセミイエローさん
■Rlc. Toshie Aoki‘Blumen Insel’
リンコレリオカトレヤ トシエ・アオキ‘ブルーメン・インセル’



於:我が家、2005年7月、花径約12.5cm、※画像の花のクサビは通常より、かなり大きめに入っています。
■Rlc. Toshie Aoki‘Blumen Insel’
リンコレリオカトレヤ トシエ・アオキ‘ブルーメン・インセル’



◎情報提供・お問い合わせ等の連絡先メールアドレスは、こちらをクリック!

■索引 - Index -(アルファベット順)は、こちらをクリック!

※当ブログ内の画像の使用をご希望の方はメールにてご連絡下さい。ご好意でご提供頂いている画像がございますので無断転用はご遠慮下さい。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【残暑お見舞い 第2弾】 カ... | トップ | ◇Rlc. Yubun Shingaki‘暫定個... »
最新の画像もっと見る

■黄色・セミイエロー系」カテゴリの最新記事