※2015年03月08日内容更新(新温室完成記事追加)
先日、とても嬉しいことがありました。この「カトログ」でご紹介させていただいた「おかやま蘭の祭典2010」の画像 Rlc. (Princess Kumiko x Memoria Rinnosuke Nakayama) と C. (Okarche‘Addison’x (Memoria Midori Nakano x Washington Post)) の出展者、小山晃一さんからお礼のメールを頂いたのです!
そして、その2つの花についての記録や色んな資料を見せていただきました。今後、カトログでのご紹介もOKとのことですのでお楽しみに!
さて、まずは以前、小山さんが岡山県洋蘭協会の月例会で講習会をなさったときの資料をご紹介させていただきます。
※今回の更新では昨年末に完成した小山さんの新温室をご紹介させていただきます!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/81/78c9acffa806ef21e6c8df30633d650c.jpg)
小山さん新温室内部(完成直後)![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/new_color.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/de/239cc57751e4ebe681946b3009569944.jpg)
建設中の小山さんの新温室完成!(2014年12月)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/0f/00976cdaa78578e6a3554fe0be842ba4.jpg)
建設中の小山さんの新温室(2014年秋)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/fe/a74f0b87b59c6f6b30a92ce2dac5d4d8.jpg)
建設中の小山さんの新温室(2014年夏)![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/new_color.gif)
私の洋蘭栽培(小山晃一)
(2005年9月18日 岡山県洋蘭協会9月例会講習会資料)
(1)温室・環境
車庫の上に三坪半の温室を建てています。環境は直射日光は強いですが、風通しは良いです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/a9/bfdd37c173bfab88a66a5d38e838dce8.jpg)
・温室
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/9d/3d87911a6fe40ac535bbf68d0f32f137.jpg)
・温室内
(2)栽培種
カトレアを栽培しています。完全オリジナル実生交配種をメインに栽培しています。
(3)交配
1993年(平成5年)の12月に初めて自家交配後、毎年2~5品種程度自家交配しています。初期に交配した開花種は第2世代の苗もあります。
受粉後、6~8ヶ月後にカンテンに種まきをします。ジュースの空き瓶をフラスコ代わりにしています。
種まきのポイントは房が開く前に採取することとカンテンのPH調節(若干酸性気味が良い)及び無菌化です。
全く設備がありませんが失敗はほとんどありません。
同じ房から得たものでも苗の生長には驚くほど個体差があります。成長が悪い苗は処分して行きますので成長が良い苗(強健品種)だけ温室に残って行きます。成長の良い個体は受粉から6年で開花、通常は8~9年程度で開花します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/0b/327f72ca32c07617972abb215c435179.jpg)
・カンテン培養
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/e3/8639519a33b129dfbb8d54b20f527c3f.jpg)
・開花例-1
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/cf/ac0b422d5860d1517d70927617a8a27e.jpg)
・開花例-2
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/96/c15f6b8d47f21c27de6374a5b7dd9477.jpg)
・開花例-3
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/e6/09eae279f1b99a38c59a27961c3cce91.jpg)
・開花例-4
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/6f/d4685666eb972e604bb21b7e69217061.jpg)
・開花例-5
(4)栽培
無菌で育てた苗は水苔に植え替えします。毎年、3月下旬~GW間で暇が出来た休日に植え替えしています。
3B素焼き鉢にCP苗として植えつけています。2年後に2B素焼き鉢に単品植え替えしています。
2B~4.5Bまで水苔/素焼き鉢植えしています。初花を確認して温室に残す株はバークに植え替えします。
開花する花はほとんどが駄花(私的主観に基づく)であり、ご近所へ差し上げています。
4.5~8Bまでバーク/素焼き鉢植えしています。バークは1週間程度水に浸したものを使用しています。
植え替え時期は毎年、正月明けの1月3日をスタート日としています。花の終わっている秋咲き品種から順に植え替えしていきます。植え替えはGWごろまで続きます。休日の数時間しか植え替え出来ません(サラリーマンのため)ので新芽、新根の出方を見極めながら数鉢づつ植え替えしています。
(5)肥料、潅水
2~3B鉢は新芽成長時期に化成肥料(2mm程度の粒粒肥料)を鉢に合わせ数粒。3.5~4.5B鉢は化成肥料(プロミック)を鉢に合わせ1~2粒。4.5~(バーク植え)は油カス固形を鉢に合わせて配置しています。
液肥は新芽成長時期に1回/1週間。真夏は肥料関係は与えていません。
真夏は日暮れに1回/毎日水やりです。温室に供給の水は井戸水です。水質は知りませんが、雄町の冷泉に近いので良い水と思います。尚、今年は仕事が忙しく、真夏の水やりは息子(中3)に任せきりとなりました。
初秋より1ケ月程度、2次成長している株には液肥を与えています。
(6)病害虫
小さなカタツムリと時々、温室内に侵入するナメクジには参ります。新根先端をかじられると根の成長が止まります。
見つけては処分しています。ヤスデも見つけては処分しています。ヤスデは新芽をかじることは無さそうですが、成長した根の外皮(スポンジ状部)をかじります。
貝殻虫も一部に大発生します。梅雨時期と秋(加温前)に殺虫剤(オルトラン)を噴霧しています。
風通しが良いので病気の発生はほとんどありませんが、真夏に暑さに弱い個体は株が衰弱します。これは処分します。
バイラス病には注意していますが、基本的には防ぎきれないと考えています。(色々な文献、実作業から)
この株はおかしいなと思ったら処分するか、腹をくくってそのまま育てるしか無いと考えています。
(7)冬の温室
毎年、10月上旬あたりよりボイラーが入ります。セッティング温度を15℃としています。10月中旬~下旬あたりに温室内にビニール張りをしています。翌年の4月中旬あたりにビニールは外します。
(8)推奨参考書
NHK趣味の園芸:12か月 カトレア 江尻光一 著
誠文堂新光社:洋ラン栽培の新技術 上巻 農耕と園芸編/村井千里 監修
トンボ出版:ラン科植物のクローン増殖 富山昌克 著
濃文協:ランの病害虫と生理障害 長井雄治 著
以上
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先日、とても嬉しいことがありました。この「カトログ」でご紹介させていただいた「おかやま蘭の祭典2010」の画像 Rlc. (Princess Kumiko x Memoria Rinnosuke Nakayama) と C. (Okarche‘Addison’x (Memoria Midori Nakano x Washington Post)) の出展者、小山晃一さんからお礼のメールを頂いたのです!
そして、その2つの花についての記録や色んな資料を見せていただきました。今後、カトログでのご紹介もOKとのことですのでお楽しみに!
さて、まずは以前、小山さんが岡山県洋蘭協会の月例会で講習会をなさったときの資料をご紹介させていただきます。
※今回の更新では昨年末に完成した小山さんの新温室をご紹介させていただきます!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/81/78c9acffa806ef21e6c8df30633d650c.jpg)
小山さん新温室内部(完成直後)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/new_color.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/de/239cc57751e4ebe681946b3009569944.jpg)
建設中の小山さんの新温室完成!(2014年12月)
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建設中の小山さんの新温室(2014年秋)
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建設中の小山さんの新温室(2014年夏)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/new_color.gif)
私の洋蘭栽培(小山晃一)
(2005年9月18日 岡山県洋蘭協会9月例会講習会資料)
(1)温室・環境
車庫の上に三坪半の温室を建てています。環境は直射日光は強いですが、風通しは良いです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/a9/bfdd37c173bfab88a66a5d38e838dce8.jpg)
・温室
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/9d/3d87911a6fe40ac535bbf68d0f32f137.jpg)
・温室内
(2)栽培種
カトレアを栽培しています。完全オリジナル実生交配種をメインに栽培しています。
(3)交配
1993年(平成5年)の12月に初めて自家交配後、毎年2~5品種程度自家交配しています。初期に交配した開花種は第2世代の苗もあります。
受粉後、6~8ヶ月後にカンテンに種まきをします。ジュースの空き瓶をフラスコ代わりにしています。
種まきのポイントは房が開く前に採取することとカンテンのPH調節(若干酸性気味が良い)及び無菌化です。
全く設備がありませんが失敗はほとんどありません。
同じ房から得たものでも苗の生長には驚くほど個体差があります。成長が悪い苗は処分して行きますので成長が良い苗(強健品種)だけ温室に残って行きます。成長の良い個体は受粉から6年で開花、通常は8~9年程度で開花します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/0b/327f72ca32c07617972abb215c435179.jpg)
・カンテン培養
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/e3/8639519a33b129dfbb8d54b20f527c3f.jpg)
・開花例-1
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/cf/ac0b422d5860d1517d70927617a8a27e.jpg)
・開花例-2
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/96/c15f6b8d47f21c27de6374a5b7dd9477.jpg)
・開花例-3
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/e6/09eae279f1b99a38c59a27961c3cce91.jpg)
・開花例-4
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/6f/d4685666eb972e604bb21b7e69217061.jpg)
・開花例-5
(4)栽培
無菌で育てた苗は水苔に植え替えします。毎年、3月下旬~GW間で暇が出来た休日に植え替えしています。
3B素焼き鉢にCP苗として植えつけています。2年後に2B素焼き鉢に単品植え替えしています。
2B~4.5Bまで水苔/素焼き鉢植えしています。初花を確認して温室に残す株はバークに植え替えします。
開花する花はほとんどが駄花(私的主観に基づく)であり、ご近所へ差し上げています。
4.5~8Bまでバーク/素焼き鉢植えしています。バークは1週間程度水に浸したものを使用しています。
植え替え時期は毎年、正月明けの1月3日をスタート日としています。花の終わっている秋咲き品種から順に植え替えしていきます。植え替えはGWごろまで続きます。休日の数時間しか植え替え出来ません(サラリーマンのため)ので新芽、新根の出方を見極めながら数鉢づつ植え替えしています。
(5)肥料、潅水
2~3B鉢は新芽成長時期に化成肥料(2mm程度の粒粒肥料)を鉢に合わせ数粒。3.5~4.5B鉢は化成肥料(プロミック)を鉢に合わせ1~2粒。4.5~(バーク植え)は油カス固形を鉢に合わせて配置しています。
液肥は新芽成長時期に1回/1週間。真夏は肥料関係は与えていません。
真夏は日暮れに1回/毎日水やりです。温室に供給の水は井戸水です。水質は知りませんが、雄町の冷泉に近いので良い水と思います。尚、今年は仕事が忙しく、真夏の水やりは息子(中3)に任せきりとなりました。
初秋より1ケ月程度、2次成長している株には液肥を与えています。
(6)病害虫
小さなカタツムリと時々、温室内に侵入するナメクジには参ります。新根先端をかじられると根の成長が止まります。
見つけては処分しています。ヤスデも見つけては処分しています。ヤスデは新芽をかじることは無さそうですが、成長した根の外皮(スポンジ状部)をかじります。
貝殻虫も一部に大発生します。梅雨時期と秋(加温前)に殺虫剤(オルトラン)を噴霧しています。
風通しが良いので病気の発生はほとんどありませんが、真夏に暑さに弱い個体は株が衰弱します。これは処分します。
バイラス病には注意していますが、基本的には防ぎきれないと考えています。(色々な文献、実作業から)
この株はおかしいなと思ったら処分するか、腹をくくってそのまま育てるしか無いと考えています。
(7)冬の温室
毎年、10月上旬あたりよりボイラーが入ります。セッティング温度を15℃としています。10月中旬~下旬あたりに温室内にビニール張りをしています。翌年の4月中旬あたりにビニールは外します。
(8)推奨参考書
NHK趣味の園芸:12か月 カトレア 江尻光一 著
誠文堂新光社:洋ラン栽培の新技術 上巻 農耕と園芸編/村井千里 監修
トンボ出版:ラン科植物のクローン増殖 富山昌克 著
濃文協:ランの病害虫と生理障害 長井雄治 著
以上
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