(なるべく)疑い得ない地点への着地を目指して

関西地方で司法修習生をやっています。このブログでは、趣味の音楽や本について語っていけたら良いなと思います。

『あきらめのよい相談者』剣持鷹士(創元推理文庫)

2006-10-25 00:37:27 | 読書日記
ずいぶんとご無沙汰でしたが(その間にコメント等くれた方には何ら応答していませんでした。申し訳ないです。)、ひさしぶりに書き込んで見ることに。久々の書き込みは、読書日記です。ではごらんあれ。


創元推理文庫は当たりはずれが少ない、と個人的に思っている。
そんな創元推理から一冊紹介しよう。
筆者は、『50円玉20枚の謎』(この本も現実の不思議な事件を題材にして、様々な作家がその謎解きをするというもので、作家ごとの個性がそれぞれ出ていて非常におもしろかった。)において一般公募作として書いた作品が最優秀をとり、それをきっかけとしてデビューした。本職は弁護士(!)というのが驚きであるが、中身は主人公の弁護士が相談を受けた内容を、友達に話すと、その友達が謎を解決する、という安楽椅子探偵の王道を行く内容である。本筋とは余り関係ないが、ちらりと垣間見ることの出来る訴訟戦術がおもしろい。