100年前の「明治の三陸」写真帖 明治の大津波から復興した三陸の姿を伝える

明治45年(1912年)に刊行された「写真帖」掲載の岩手県三陸沿岸の貴重な写真や資料を順次公開

VOL15 気仙郡役所(盛町)

2013-09-18 10:04:09 | 明治の気仙郡(大船渡市・陸前高田市他)

明治の気仙郡役所(盛町 現大船渡市盛町)

この写真は、明治45年(1912年)当時の気仙郡役所です。

当地は、江戸時代伊達藩領でしたが、明治の廃藩置県後、花巻県、江刺県、一関県(改称水沢県・磐井県)を経て、明治9年の第2次府県統合により宮城県となり、その年すぐ岩手県に移管され、明治11年(1878年)の編制により気仙郡として発足しました。

その後明治22年の町村制の施行により、盛町(現大船渡市)、高田町(現陸前高田市)、大船渡村・末崎村・猪川村・立根村・赤崎村・日頃市村・綾里村・越喜来村・吉浜村(現大船渡市)、気仙村・竹駒村・米崎村・横田村・小友村・廣田村・矢作村(現陸前高田市)、世田米村・上有住村・下有住村(現住田町)、唐丹村(現釜石市)の計2町20村で、人口は56,011人ありました。

大船渡市は、盛町と昭和7年に町制を施行した大船渡町及び末崎村・猪川村・立根村・赤崎村・日頃市村の2町5村が合併して昭和27年に誕生しました。
現在気仙地方の行政経済の中心は、同じ市域ながら大船渡町に移っていますが、明治の頃は盛町あるいは隣りの高田町であったようです。

さて気仙郡役所ですが、明治の風格ある建物です。山裾に建てられていますが、今のどの辺りでしょうか。気仙郡役所の大きな表札が掲げられた頂部が円形の白い門柱が役所本体とは趣が異なりモダンです。木柵の手前には石垣に用いるのか何に使うのか岩石が多数転がっています。これから近くで工事をするところでしょうか。建物の築年や変遷など興味は尽きませんが、今の私にはネツト検索以外に知る術はありませんので気仙の人に託します。

<追記>

先日、盛岡での或る酒席で、この気仙郡役所の位置についての耳寄りな情報を得ました。大船渡市盛町の盛町の天神山公園の麓にある浄願寺というお寺の隣りの空き地(駐車場)は、元盛町役場が在った処というものでした。地図を開いて見ると、地形的にも合致しており、気仙郡役所が盛町役場となり、その後大船渡町と合併して現在の庁舎敷地へと移動したのかも知れません。(2014.6.28記)



最新の画像もっと見る

コメントを投稿