ウエストワールド:米のTVシリーズ
もともとは1973年の映画「ウエストワールド」(ユル・ブリンナー主演)を基に造られたもので、人工知能を備えたロボットがホストを務めるパークを舞台にした物語です。
TVシリーズも同様に開拓時代の西部の町をロボットで再現し、訪れた観光客が古き時代の西部の町を楽しみながら、あらかじめ仕掛けられた悪党たちをライフルやピストルなどで倒すことを楽しめるのが売りのテーマパークになっています。
しかしながらそれだけにとどまらず、TVシリーズではその人その人の欲望のままに暴力やレイプなどをロボット相手にしても構わない、そんなバイオレンスな欲求を満たすことができる設定になっています。パーク自体は一般の人々が暮らす世界から遠く隔絶した場所にあります。そして、そこで行われる己の欲望のままの行為を通して人間の本性を知ることができるということが物語に厚みを与えています。
私がこの作品をアマゾンプライムビデオで見たのは、出演者の中にアンソニー・ホプキンスの名があったからです。バイオレンスをうたっている作品なので、はじめはどうしようかと考えていたのですが、彼の名を見てやっぱり見てみようと思ったわけです。見始めると、ミッションインポッシブル2に出演していたタンディ・ニュートンや、どこかで見たことがあるなあと思ったらここ最近の007シリーズでフェリックス・ライターを演じているジェフリー・ライト、アポロ13など多数の作品に出捐しているエド・ハリス等々そうそうたるメンバー達が出演していました…。他人事ながら出演料がいくらかかるんだろうかと、いらぬ心配をしてしまいました。。。。
しかしながら、そのおかげなのかどうか、一流の映画を見るような作品に仕上がっています。全編を通して緊張感のある物語と演出に満足することができました。例えて言えば10時間の長編映画を見たという感じでしょうか・・・。
シーズン1の2話目で二人の男がパークにやってきます。73年の映画では主人公になるのですが、TVシリーズでも(説明が難しいのですが)同時並列的に進む話の中の一つの重要な主人公になります。男の一人で義理の兄の方が列車の中で義理の弟に向かって言います。「ここでは外の世界のことは忘れて別人になるんだ。羽目を外して本当の自分を見つけることがここではできるんだ・・・」。
見ている私達もそのように思い込み、この物語を「人の欲望とはなんだ・・?」という目で見るようになるのですが、だんだんと物語が進んでゆくうちに、この作品の製作者の意図は別にあるのだという事に気が付くようになります。それは、パークのアトラクションのストーリーを作る作者が自信たっぷりに新作を発表したとき、アンソニーホプキンス演じるフォード博士がいきなり否定する言葉を投げかけたときかもしれません。「このチープな仕掛けで、自分の欲望や本心を知ることができるだって?答えはノーだ。」
または、シリーズ1の終盤か2のほうだったかもしれないけれど、フォード博士はこんなことを言っています。「人はここに自分を探しに来るだって?そんなことはない。誰だって自分自身のことは自分が一番よく知っている・・・。」と言われたときかもしれません。
とても奥深くて、つかみどころの沢山あるストーリーなので、何を言いたいのかを探しながら見るのも作品を楽しめる一つの方法かもしれません。人とはなにか、ロボットと人にどんな違いがあるのか、私は自分を人と思っているが本当は自分自身はロボットなのかもしれない、それを知る方法はあるのか、私の過去の記憶は本物なのだろうか、誰かにあらかじめ刷り込まれた記憶を頼りに今日だけを生きているかもしれない。今いる私は私なのだろうか?・・・等々、見ているといろいろなことを考えさせてくれる作品です。
蛇足ながら、私自身西部劇ファンでもあるので、そういった面でも結構楽しめる内容でした。シーズン2では日本のサムライのパークがすこしだけ出てきます。おそらく日本人向けというよりは、日本のサムライが好きなアメリカ人向けに美味しいところを見せてくれる内容になっています。でも私は「ちょっとちがうぞ・・・」なんて思いながらも面白がって楽しく見させていただきました。
100点満点で100点の作品だと思います。
ただし過激なシーンが多数あるので見るときは気を付けて・・・。
もともとは1973年の映画「ウエストワールド」(ユル・ブリンナー主演)を基に造られたもので、人工知能を備えたロボットがホストを務めるパークを舞台にした物語です。
TVシリーズも同様に開拓時代の西部の町をロボットで再現し、訪れた観光客が古き時代の西部の町を楽しみながら、あらかじめ仕掛けられた悪党たちをライフルやピストルなどで倒すことを楽しめるのが売りのテーマパークになっています。
しかしながらそれだけにとどまらず、TVシリーズではその人その人の欲望のままに暴力やレイプなどをロボット相手にしても構わない、そんなバイオレンスな欲求を満たすことができる設定になっています。パーク自体は一般の人々が暮らす世界から遠く隔絶した場所にあります。そして、そこで行われる己の欲望のままの行為を通して人間の本性を知ることができるということが物語に厚みを与えています。
私がこの作品をアマゾンプライムビデオで見たのは、出演者の中にアンソニー・ホプキンスの名があったからです。バイオレンスをうたっている作品なので、はじめはどうしようかと考えていたのですが、彼の名を見てやっぱり見てみようと思ったわけです。見始めると、ミッションインポッシブル2に出演していたタンディ・ニュートンや、どこかで見たことがあるなあと思ったらここ最近の007シリーズでフェリックス・ライターを演じているジェフリー・ライト、アポロ13など多数の作品に出捐しているエド・ハリス等々そうそうたるメンバー達が出演していました…。他人事ながら出演料がいくらかかるんだろうかと、いらぬ心配をしてしまいました。。。。
しかしながら、そのおかげなのかどうか、一流の映画を見るような作品に仕上がっています。全編を通して緊張感のある物語と演出に満足することができました。例えて言えば10時間の長編映画を見たという感じでしょうか・・・。
シーズン1の2話目で二人の男がパークにやってきます。73年の映画では主人公になるのですが、TVシリーズでも(説明が難しいのですが)同時並列的に進む話の中の一つの重要な主人公になります。男の一人で義理の兄の方が列車の中で義理の弟に向かって言います。「ここでは外の世界のことは忘れて別人になるんだ。羽目を外して本当の自分を見つけることがここではできるんだ・・・」。
見ている私達もそのように思い込み、この物語を「人の欲望とはなんだ・・?」という目で見るようになるのですが、だんだんと物語が進んでゆくうちに、この作品の製作者の意図は別にあるのだという事に気が付くようになります。それは、パークのアトラクションのストーリーを作る作者が自信たっぷりに新作を発表したとき、アンソニーホプキンス演じるフォード博士がいきなり否定する言葉を投げかけたときかもしれません。「このチープな仕掛けで、自分の欲望や本心を知ることができるだって?答えはノーだ。」
または、シリーズ1の終盤か2のほうだったかもしれないけれど、フォード博士はこんなことを言っています。「人はここに自分を探しに来るだって?そんなことはない。誰だって自分自身のことは自分が一番よく知っている・・・。」と言われたときかもしれません。
とても奥深くて、つかみどころの沢山あるストーリーなので、何を言いたいのかを探しながら見るのも作品を楽しめる一つの方法かもしれません。人とはなにか、ロボットと人にどんな違いがあるのか、私は自分を人と思っているが本当は自分自身はロボットなのかもしれない、それを知る方法はあるのか、私の過去の記憶は本物なのだろうか、誰かにあらかじめ刷り込まれた記憶を頼りに今日だけを生きているかもしれない。今いる私は私なのだろうか?・・・等々、見ているといろいろなことを考えさせてくれる作品です。
蛇足ながら、私自身西部劇ファンでもあるので、そういった面でも結構楽しめる内容でした。シーズン2では日本のサムライのパークがすこしだけ出てきます。おそらく日本人向けというよりは、日本のサムライが好きなアメリカ人向けに美味しいところを見せてくれる内容になっています。でも私は「ちょっとちがうぞ・・・」なんて思いながらも面白がって楽しく見させていただきました。
100点満点で100点の作品だと思います。
ただし過激なシーンが多数あるので見るときは気を付けて・・・。