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The soul of the guitar blazes up again

トミー・ボーリンをご存知だろうか?

2006-05-18 15:24:47 | 個人的音楽史

トミー・ボーリンという名を聞いてすぐに解る人は私と同年代かもしくは年長者かと思われる。

もしかすると若い人の中にも(苦笑)第4期ディープパープルのGuiteristとして名前だけは知っているかもしれないが・・・
残念ながらリッチー・ブラックモアの後任という立場からパープルファン&リッチーファンからはあまり好意的な目では見られていないようだ。
(ちなみに私は特にリッチーファンでもなんでもない)

トミー・ボーリンは当時としては画期的なまでにファンキーなリズム感、トリッキーなフレージングに富んだ、極めて先鋭的なギタリストだった。

1951年アメリカはアイオワ生まれ。
1968年にゼファーというバンドのギタリストとしてプロ・デビュー。
3年間在籍エナジーというバンドに参加。
エナジー脱退後の1973年、元祖手数王ビリー・コブハムの「スペクトラム」というアルバムに参加する。
ここでのボーリンは自らの音楽性の幅広さ&テクニックを惜しげもなく披露している。
この後ブームとなるクロスオーバーの先駆けともいえるアルバムなのである。
このアルバムを愛聴していたデヴィット・カバーディルが後にパープルへの参加をにボーリンに呼びかけたのは有名な話。

その後アメリカの人気バンド、ジェイムスギャングにジョー・ウォルシュ(イーグルス)の後任として参加し彼の名前は更に広がってゆく。
1974年にジェイムス・ギャングを脱退しセッション活動の傍ら自身の初のソロ・アルバム「ティーザー」の製作に取り掛かる。
このアルバムの参加ミュージシャンにはジェフ・ポーカロ、フィル・コリンズ、ヤン・ハマー、グレン・ヒューズ、ディヴィット・サンボーン、ナラダ・マイケル・ウォルデン等、後年に各々シーンで活躍するメンバーが名を連ねている。

◆余談だがこのアルバム音楽性の幅広さ、ストラトキャスターのTONEの美しさと言う点で、私が敬愛するERIC・JOHNSONのデビュー作「TONES」に共通点が見られる。(ERICの方がかなり後の発売だけど)

そして1975年リッチーブラクモアが脱退したディープパープルに参加するのだが・・・彼の身体は徐々にドラッグに蝕まれていたのだった。

ディープパープルではアルバム「カム・ティスト・バンド」を発表。
従来のパープルのイメージを覆すファンク色の強い内容は大きな話題を呼ぶ。

バンド内でのボーリンへの高評価とは裏腹に、パープルにクラッシックティストを求めるファンからは大きな拒否反応をあびることになってしまう。
更に悪いことにその後に行われた日本公演で、ヘロインを注射した腕が麻痺したままの状態となり、まともにGuiterを弾けないまま臨むことになってしまう。
更に×2、悪いことに、その音源がLIVEアルバムになってしまうという悪循環・・・。
紫の消滅」ではGuiterソロパートはKeyソロになっていることが確認できる・・・
ボーリンの評価はパープルファンの間で芳しくないものとなってしまう・・・。


デープパープル自体も人気が再浮上することなく解散する事となり、ボーリンは再びソロ活動を開始する。
1976年「プライベート・アイズ」を発売。
ジェフ・ベックとのツアーも始まりこれからと言う矢先、ヘロインの過剰摂取により25歳の若さで他界してしまった・・・。


私が思うボーリンの凄さは、
どのような音楽スタイルでもそつなくこなし、それが当時の一級品であったこと。
そしてデヴィット・カバーディルグレン・ヒューズの2人に与えた影響が多大であったことが挙げられる。
カム・ティスト・バンド」での2人の歌声のはずみ具合を聞けばお解かりいただけるだろうと思う。
2人とも実に伸び伸びと歌っている。
パープル解散後ボーリンとバンドを組みことを望んでいたカバーディルはそれが叶わぬとソロアーチストとして活動を始めた。(後にホワイトスネィクに繋がって行く。)
グレンは未だにボーリンのことをベストフレンドと語っている。

彼の残した2枚のソロアルバム「ティーザー」、「プライベート・アイズ」はGuiterist&バンドマンにとっても参考になるに違いない。
そして近年発売されたデープパープルの「ライブ・イン・カリフォルニア・ロング・ビーチ・アリーナ」
このLIVEでトミー・ボーリンは腕の麻痺も完治し最高のパフォーマンスを聞かせてくれいる。

これからボーリンの音楽に触れる機会があるのであれば、是非上記に記した3枚のアルバム「ティーザー」、「プライベート・アイズ」、「ライブ・イン・カリフォルニア・ロング・ビーチ・アリーナをお聴きいただきたい。
そして彼の音楽性の深さを堪能していただきたいと思う。

(写真は左からカバーディル((チラッとだが・・))、グレンボーリン。)


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4 コメント

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STORMBRINGERの小林です (小林 亨)
2006-05-19 00:15:50
おお!!俺、「スペクトラム」持ってましたよ!!



ARCH ENEMYのマイケル・アモットが推薦してたからかったんですが、当時の俺には内容が高度すぎて、あまり聴いてなかったんです。(すごいのはわかったけど)



これを機会に聴いてみます!!新しい発見があるかも☆
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お若いのに・・・ (nenkorhoads)
2006-05-19 09:11:23
小林さん、ども!

スペクトラムをお持ちでしたか!!

すばらしい!

(いったい何歳なんでしょうか(笑))



このアルバムで繰り広げられる演奏は半端じゃないんですよ!!!

多分聴終わった後皆「なんじゃ???」

と思うんです。

是非また聴いてみてください。

トミー・ボーリンというGuiteristが心に残ると思います。



余談:

私、フィュージョンで最初に聞いたのがこのアルバムでしたので、幸か不幸か(幸ですけど!)その後日本人の演奏するフュージョンが軽く感じて好きになれませんでした。

ビリーコブハムのごとく、ドラムセットが壊れんじゃないかというPOWERでないとね!

バンドも基本はPOWERですね。
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そう来ましたか (japametal500)
2006-05-19 22:20:40
不意打ちですね、トミーボーリン(笑)

パープルを壊した男とか冨墓林とか

グレンと並ぶ権力者だったとか

色々伝説?がありますけど。

まぁそのうち聞きなおします、はい。
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あ! (nenkorhoads)
2006-05-21 10:18:30
japametal500さん

リッチーファンでしたっけ?

トミー・ボーリンはリッチー・パープルの括りですと印象よくないかもしれないですが、ソ\ロ・セッションをお聴きになられると印象が変わると思いますよ!

お時間かあるときに是非!

ちなみに顔は若い時の萩原健一に似ています(笑)
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