うんどうエッセイ「猫なべの定点観測」

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いよいよ五輪男子サッカーが21歳以下に変更へ

2009年03月21日 | サッカー(年代別)
国際サッカー連盟(FIFA)は19日に始まった理事会で、2012年のロンドン五輪から男子の参加規定を21歳以下とする改正案をまとめた。5月の総会に諮る。最終的には国際オリンピック委員会(IOC)の承認が必要で、受け入れられた場合には2011年のU-20(20歳以下)ワールドカップ(W杯)がロンドン五輪の予選を兼ねるという。

〔2009年3月20日の共同通信の記事から抜粋〕


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ホリエモンではないけど「想定の範囲内」というのが正直な感想ですね。かつて、日本があらゆる世代の代表チームがアジアの壁に阻まれて、世界大会に全く出場出来なかった時は、W杯だけでなく五輪の舞台も眩しく見えました。22年前のソウル五輪アジア最終予選では、国立での中国との最終戦で引き分けでも出場権を得られる有利な状況でした。しかし、消極的なサッカーに終始して中国に0-2と惨敗。銅メダルを獲得したメキシコ五輪以来20年ぶりの五輪出場を逃した時は、悔しさを通り越して自分が生きているうちに五輪出場は出来ないとすら思いました。また、今から20年前の1989年に、五輪の参加資格の規定が23歳以下に変更した時は、まだ日本はプロ化をしておらず、U-23世代も大学サッカーが主体だったので、劣悪な競技環境やアジアにおける絶望的なレベルを考えると、世界なんて言葉を口にすることすら永久に憚りました。

それだけに今回の提案を冷静に判断できるのも、それだけ日本サッカーが成長した証なのでしょうか?
同時に、サッカー界における五輪の価値が確実に低下している事も、大会を重ねるごとに実感します。

ちなみに、五輪の男子サッカーの参加資格の変遷をざっとまとめて言うと、1980年モスクワ五輪までがアマチュア。その為、戦後の五輪サッカーは、形式的には国家公務員で実質プロだったソ連・東欧の社会主義圏は、フル代表と遜色のないチーム編成が可能だったので、1952年ヘルシンキ五輪以降の大会で金メダルを独占しました。プロが解禁となったのは1984年ロサンゼルス五輪からです。ちなみに、1932年に同じロスで開催された五輪では、国際オリンピック委員会(IOC)と国際サッカー連盟(FIFA)がアマチュア規定の解釈を巡って対立。更には、サッカーがあまり盛んでない米国での開催という事もあり、サッカー競技自体が実施されませんでした。この出来事が1930年にW杯誕生の切っ掛けにもなりました。

なお、ロスとソウルの両大会は、欧州と南米に限っては「W杯本大会もしくは予選の出場経験が無い事」が条件でした。FIFAが五輪の参加資格に制限を加えた理由は、言うまでも無くW杯こそがナショナルチームで争われる最高レベルの世界大会と位置付けているからです。もし、五輪がW杯と同条件だと、W杯の存在意義を失って商業的な価値も下落し、大会の主催者でもあるFIFAの収入が減るからです。なお、欧州・南米以外の大陸はフル代表でも参戦が可能でしたので、この両大会こそが歴史上最もレベルの高かった五輪のサッカーということになります(主な出場選手は、ロス五輪ではユーゴスラビアのドラガン・ストイコビッチやドイツのギド・ブッフバルト、ソウル五輪ではブラジルのロマーリオやベベットなどが出場)。

実は、本来なら、FIFAは1988年ソウル五輪から参加資格に年齢制限を加える予定でした。だが、地元大会で好成績をあげたい韓国と、W杯との差別化を図る為に世界のスター選手を出場させたくないFIFAとの両者の思惑が合致したせいなのか、ソウル五輪での年齢制限の実施は見送られました。経済発展しつつある東アジアでのサッカーの普及は、FIFAの利益にもなると判断したのかもしれません。結局、ロス五輪と同様に欧州・南米の実質B代表に、それ以外の大陸がフル代表で挑む構図となりました。

そして、W杯本大会&予選出場経験の有無に関係なく、一律に五輪の参加資格が23歳以下の選手のみに変更したのが、1992年バルセロナ五輪からです。ただし、サッカー先進国のスペインでの開催だったので、日頃から高いレベルの国内リーグ戦を見ていて目が肥えているせいもあり、集客がすこぶる悪かったです。その為、IOCとしてはあらゆる競技で世界最高の選手を参加させたい思惑があるので、FIFAに年齢制限の撤廃を要求。のちに、IOCとFIFAの協議の結果、次回の1996年アトランタ五輪から、24歳以上なら3名まで登録が可能な「オーバーエージ」が採用されて、現在に至ってます。なお、オーバーエージ採用の妥協案として、アトランタ五輪から女子が正式種目に採用されました。

余談ですが、五輪で多くの観客を集める競技は陸上とサッカーで、たいていはサッカーの方が首位が多いです。1964年東京五輪はサッカーは陸上に首位を譲りましたが、イタリアと北朝鮮が開幕直前に棄権したので、大会の試合数自体が6試合も減ったのが原因です。なお、イタリアが棄権したのは、プロ契約した選手が代表に入ってる疑惑が浮上して、五輪のアマチュア資格に抵触したのが理由です。その為、強豪イタリアと1次リーグで同組だった日本は、ガーナとアルゼンチンの3チームだけになったので、僥倖でした。ちなみに、この時に問題になったイタリアの選手は、のちにイタリア代表の大黒柱として長く活躍する世界的な名選手だった、ジャンニ・リベラ、サンドロ・マッツォーラ、アンジェロ・ドメンギーニ、ジャチント・ファケッティら5名でした。

私の予想ではおそらく、今回のFIFAの五輪参加資格の年齢を引き下げる改正案の決定は避けられないと思います。ましてや若手の国際大会にオーバーエージなんて不要です。サッカーの発展途上国なら、スター選手を間近に見ることが出来るので、この制度が集客対策としてある程度役に立ってますが、サッカーの先進地域である欧州ではこんな子供だましは通用しません。実際に、2004年アテネ五輪の観客動員は決して良くありませんでした。しかも、オーバーエージが使用できるのは本大会のみで、大陸予選では適用されないのは矛盾した制度です。また、五輪のサッカー競技はたった18人しか登録出来ません。ただでさえ、他の国際大会と比較しても登録人数が少ないのに、オーバーエージをフルに3人適用したら、年齢制限のある五輪サッカーの本来の趣旨である、若手に責任を与えて経験を積ませる事が出来ないからです。

また、北京五輪の際には、いくつかの欧州のクラブが、五輪がFIFAの公式行事でない事を盾に、オーバーエージだけでなく23歳以下の選手についても派遣拒否を表明したので、各国協会とクラブの間で紛争が勃発して混乱が生じました。FIFAはクラブに対し、A代表の国際公式試合と同様に五輪への選手参加を妨げないよう指示しました。しかし、スポーツ仲裁裁判所は、五輪のサッカー競技がFIFAの主催ではない事を理由に、クラブに対するFIFAの指示は無効であるとの決定を下しました。また、日本でもオーバーエージで大久保嘉人の招集を巡って協会と神戸が対立。結局、反町康治監督は招集を断念を余儀なくされました。選手の給料を払ってるクラブからすれば、五輪はFIFAが定める国際試合日ではないので選手を供出する義務はないのだから、当然の行為です。それに、クリスティアーノ・ロナウド(既に19歳の時にアテネ五輪に出場)やルーニー(彼はイングランドなので、IOCに非加盟だから出場資格は元々無い)やメッシ(北京五輪出場を巡って、協会とバルセロナとの間で一悶着があり)などのように、才能が突出した選手は10代で欧州のトップクラブで活躍しているなど、着実に低年齢化してます。

ましてや、欧州や南米などは、20代前半でクラブの主力選手となって高額年俸を貰い、それと引き換えに重い責任を担わされているのだから、もう若手とは呼べない大人の年齢です。北京五輪で優勝したアルゼンチンは、メッシやアグエロにオーバーエージでリケルメ、マスケラーノを起用するなど、フル代表と遜色の無い豪華なメンバーが揃いました。欧州勢はそこまで力を入れてませんが、ロナウジーニョを起用したブラジルなど、他国も同様にフル代表並みのメンバーが揃いました。それは、五輪と差別化してW杯の価値を防衛したいFIFAにとっても、決して好ましい状況ではないかもしれません。それだけに、この年代を対象とした世界大会は不要論すらあります。

それに、選手を取り巻く競技環境から考えても、巨万の富と世界のサッカーファンの関心が集中する欧州だと、必然的に世界中のあらゆる有名選手が集まり、激しい競争に揉まれてレベルアップできる環境でもあります。日頃からそういう厳しい環境に身を置いている欧州の若手選手にとって、“同世代のW杯”にすぎない五輪に関心が薄いのは仕方が無いです。クラブ側からしても、スカウトが世界中から若い才能を早期に発掘して手間暇掛けて育てた訳だから、ある意味選手は「商品」とも言えなくも無いです。怪我や移動&時差に伴う体調不良を恐れて、大切な選手を代表に供出するのを渋るのは無理もないです。ましてや、近年はただでさえ過密日程です。これまでの経緯からしても、2012年ロンドン五輪以降も、メンバー選出が更に困難になる事が予想されます。そして、FIFAのブラッター会長は、北京五輪において「ロンドン五輪以降のサッカー競技はFIFA管轄の公式の国際競技とする」との意向を示します。そして、問題点の解消を図る案として浮上したのが、参加資格の年齢引き下げ案なのです。


ただし、サッカーの発展途上国である日本にとっては、この年齢引き下げ案は大きな痛手だと思います。才能が突出した若い選手は飛び級をさせて、才能に適したカテゴリーに身を置いて鍛えるのが理想ですが、現在の日本の育成システムでは難しいです。南米のように1歳刻みでユースチームがあるのが理想ですが、現状では3歳刻みなので、どうしても年下の選手は体格や体力で劣る事もあり、試合経験が少なくなりがちです。そして、中3の高校受験によるブランクは決定的に大きいです。日本は南米などと違って先進工業国ですし、極端な格差社会でもないので、先の見えない勝負の世界に身を置くよりも、安定した生活を志向するのは当然の選択です。ましてや、日本は学歴社会でもあるので、いくら突出した才能があっても高校進学を諦めてまでプロに進む選手はごく稀です。国民の安定志向が、いくら才能があっても挑戦を躊躇う土壌なのかもしれません。

また、日本は本場欧州から遠く離れた「地理上のハンディ」もあるので、常に移動や時差の問題が付き纏うので、日頃から世界の強豪国と対戦する機会は限られます。ましてや、代表レベルの公式戦で真剣勝負する機会は、アジア予選を勝ち抜いてFIFA主催の公式大会くらいしか無いです。もし、Jリーグが世界的に高いレベルのリーグであれば、チーム内の厳しい競争を勝ち抜いて常時レギュラーとして試合に出場していれば、ある程度は世界のトップレベルとのギャップを解消できると思います。ただ、如何せん、1995年のボスマン判決以降、世界のトップ選手の年俸は天井知らずで上昇してるので、クラブの健全な経営を考えればとても手が出せず、世界的なトップ選手のJリーグのクラブへの入団はおそらく望めません。なので、国内だけで自己のレベルを磨くには、自ずと限界があります。

今後、若い選手が高いレベルでの国際経験を得るには、海外のクラブに移籍する事も選択肢に入れる必要があります。ただし、本当にレベルが高い国のクラブに移籍して、尚且つ厳しい競争を勝ち抜いてレギュラーとして常時出場してないと、高いレベルでの経験は得られません。ただ、若い選手にとって、それはかなり至難の業です。あと、最も実現が可能なのは、所属クラブでJリーグで3位以内もしくは天皇杯を制覇して、アジアチャンピオンズリーグ(ACL)に出場する事です。ACLを優勝してクラブW杯(CWC)に出場すれば、欧州王者や南米王者と真剣勝負で対戦できるので、国内のクラブに在籍しながらFIFA主催のクラブの世界大会に参戦できます(もちろん、CWCもACLも本場のヨーロッパチャンピオンズリーグとは当然、雲泥の差はありますが・・・)。

ただ、これらが可能なのはJリーグの上位に位置するクラブの選手しか出来ません。ましてや、こういう大きなクラブはシーズンを乗り切る為に、各クラブからレギュラークラスの選手を獲得して層を厚くしているので、国内であっても若手選手がクラブ内の競争を勝ち抜いて、日頃からレギュラーとして常時出場するのは困難でしょう。

そして、現在の日本にとって深刻なのは、U-20世代の不振です。昨年のサウジアラビアで開催されたAFC U-19選手権の準々決勝で韓国に0-3で惨敗(しかもシュート数が1対18!)を喫し、今年秋にエジプトで開催されるU-20W杯の出場権を逃しました。仮に、今回の提案が決定された場合、1989~1990年生まれの選手が文字通りに「空白の世代」となります。1990年生まれの選手は、一昨年の韓国でのU-17W杯にアジア王者として出場したので、FIFA主催の世界大会の出場経験はまだあります。だが、1989年生まれの選手は、5年前の2004年9月に静岡で開催されたAFC U-17選手権(現在の大会名称はAFC U-16選手権)では、開催国なのに1次リーグで敗退し、2005年にペルーで開催されたU-17世界選手権(現・U-17W杯)の出場権を逃す失態を犯しました。一昨年にカナダで開催されたU-20W杯と北京五輪に出場した香川真司を除いて、1989年生まれの選手は年代別の世界大会の出場経験が全く皆無の年代なので、今回の提案は将来を考慮すると本当に深刻です。


☆参考までに1989年~1990年生まれの選手を上げると・・・

<鹿島> 當間建文(右SB)、大迫勇也(FW)
<大分> 金崎夢生(MF) 清武弘嗣(MF)
<FC東京> 権田修一(GK)、椋原健太(右SB)
<浦和&柏> 下部組織の黄金世代がほぼ全員該当
<G大阪> 大塚翔平(FW)
<横浜> 水沼宏太(MF)、斎藤学(FW)、金井貢史(CB他)
<新潟> 小暮郁哉(MF)、大野和成(CB)、鈴木大輔(CB)
<磐田> 山本康裕(MF)、山崎亮平(FW)
<C大阪> 香川真司(MF)、柿谷曜一朗(FW)     etc・・・


香川と金崎がフル代表で抜擢されてますが、まだ代表のレギュラーではありません。ましてや、各選手とも所属チームでレギュラーの選手が圧倒的に少ないので、欧州や南米とは事情が大きく異なります。また、本来ならU-20からU-23にかけての期間で、これらの世代の選手が五輪代表チームで様々な国際大会や、公式戦である五輪予選やアジア大会を経験させて、それらの厳しい真剣勝負を通してチームを強化させてきました。また、この間に、下の世代であるU-20代表を五輪代表と融合させて、有望な若い人材を五輪代表チームに飛び級させるなど、五輪代表に該当する世代を国全体で強化させてきました。また、目ぼしい人材がいたら、フル代表に抜擢して国際試合を通して育成させてきました。なので、現在のように参加資格が23歳以下というのは、日本にとっては強化面で概ね有効に機能してました。

また、フィリップ・トルシエ監督時代のように、フル代表と五輪代表の監督が同じ人物だったり、両チームの監督が別人物であっても各代表チームの強化のコンセプトを同じくしてたら、全体で底上げが出来るのでさらに有効に強化が出来ます。両チームが全く別のコンセプトだと、スケジュール調整が上手くいかず、いずれフル代表と五輪代表同士で選手の綱引きになります。そして、選手も戦術面で混乱を来たし、試合過多で潰されます。それだけに、参加資格が2歳若くなるのは、本来なら経験できた年代別の公式戦が無くなる事を意味するので、若手の強化の面で影響が大きいです。

もし、改正案が決定されたら、上記の選手は全員五輪の参加資格を喪失するので、選手個人はもちろんサッカー界全体にとっても大きな痛手なので、根本的に若手の強化方針の見直しは避けられません。如何せん、この世代の選手は、まだ常時クラブで出場していないので、サテライトリーグの改革をしたり、大学とクラブの連携を図るのも、一考の余地があると思います。経験不足を補う為に、該当するこの世代を対象とした代表チームを作って、国際大会に派遣する事も必要だと思います。また、A代表とは別にB代表を作って、国際試合を組む事も視野に入れるべきです。たとえば、南アフリカW杯の出場権を無事に獲得したら、アジア杯予選の残りの4試合をこの世代を主体にして、フル代表の主力を混ぜて編成するのも良いアイデアです。来年秋の広州アジア大会は、過去のケースから考えて、たぶん23歳以下(+オーバーエージ3名)が参加資格になると思われるので、今回の「空白世代」を主体にしてチームを編成して派遣するのも良いアイデアです。ただ、協会がスケジュールを調整しないと各クラブが反発することが予想されるので、しっかりと国全体で協力体制を作るのが鍵です。

また、実際に参加資格が21歳以下になった場合、五輪予選がどのような方式になるのかが、現時点ではまだ不明です。現行のように、大陸別に出場枠を設けて予選を行うのが日本にとっては理想的ですが、FIFAが設定した国際試合日に予選の日程を当てはめると、予選日程の消化が難しくなる可能性があります。また、選手もU-20W杯もあるので、試合過多による疲労も心配され、協会とクラブの対立を招く可能性もあります。その為、あらゆる面を総合的に考慮すると、U-20W杯を五輪予選と兼ねる方式が、FIFAや協会やクラブにとってもベストなので、現時点では有力な案だと予想されてます。

ただ、この場合は、五輪出場権獲得の決定方法が一体どのようになるのかが疑問です。16ヶ国が参加する五輪は開催国が自動的に出場権を与えられるので、U-20W杯で決勝トーナメントに進出した16チームをそのまま出場権獲得という訳にはいきません。なので、どのようにして残りの1チームを落とすのかが問題になります。また、この案は同時に、世界の強豪国を相手に五輪出場権を争わなければならない事をも意味するので、日本というより、アジアにとっては相当に不利な決定になります。もしかしたら、アジアのチームが全てU-20W杯の1次リーグで敗退して、五輪にアジア勢が参加出来ない最悪な事態もあり得ます。また、24ヶ国が参加するU-20W杯が「五輪世界最終予選」となる以上、同大会の大陸別の出場枠(現在は開催国1、欧州6、南米・北中米・アフリカ・アジア各4、オセアニア1)の見直しも、議論の俎上に載るかもしれません。

仮に、再来年のコロンビアでのU-20W杯を五輪予選と兼ねた場合は、今秋のAFC U-19選手権予選が該当する世代なので、予選に参加するU-18代表やナイジェリアで開催されるU-17W杯代表の強化はかなり重要です。この2つの世代のチームを早めに融合させる事も重要です。幸いにも、日本のこの世代には有望な選手が多く、特にU-17W杯代表はガンバ大阪の宇佐美貴史や東京ヴェルディの高木善朗(元プロ野球選手の高木豊さんの次男)など「プラチナ世代」と呼ばれてる才能豊かな選手がいるので楽しみでもあります。また、ロンドン五輪以降を考慮すると、再来年にメキシコで開催されるU-17W杯に参加資格がある1995年生まれの選手は、現在東京が招致を目指す2016年夏季五輪にちょうど該当する年代となります。今秋のAFC U-16選手権予選に挑むU-15日本代表は、7年後を見据えた強化と育成が求められます。

年齢引き下げ案は、最終的には今年6月にIOCとFIFAの協議で正式決定される見込みです。出場選手の年齢を引き下げるとなると、IOCからすれば五輪のサッカー競技の商業的な価値の下落を意味しますので、簡単にはIOCも呑めないことが予想されます。もしかしたら、修正したり、合意が難航する可能性もあります。ただ、一連の経緯から鑑みても、参加資格の変更はもはや不可避だと思われます。兎に角、日本にとっては将来を左右する一大事なので、少しでも世界に太刀打ちする為にも、世界の潮流を的確に読んで早急に強化に勤しんでほしいです。ましてや、現在の日本はFIFAの理事を有しているので、関連する情報や各国の動きを逐一収集して、どんな案にでも対応出来るように手立てを打つべきです。後手を踏んで手を拱いたら取り返しの付かないことになりますから。

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