うんどうエッセイ「猫なべの定点観測」

おもに運動に関して、気ままに話したいと思います。
のんびり更新しますので、どうぞ気長にお付き合い下さい。

関塚ジャパン、とりあえず“前半戦”を3-1で折り返す

2011年06月20日 | サッカー(年代別)
◆男子サッカー・ロンドン五輪アジア2次予選 第1戦(2011年6月19日 @愛知・豊田スタジアム)

日本 3(2-0)1 クウェート
得点者:日本)19分 清武弘嗣、37分 濱田水輝、61分 大迫勇也
   クウェート)68分 ジャベル・M・J・M・A・アルムタイリ


▼2次予選のその他の試合結果   ※左側のチームが第1戦がホーム
カタール 3(1-1)1 インド
イラク 3-0 イラン
バーレーン 0(0-0)1 パレスチナ
豪州 3(1-0)0 イエメン
シリア 2(1-0)2 トルクメニスタン
北朝鮮 0(0-0)1 UAE
韓国 3(0-1)1 ヨルダン
ウズベキスタン 1(0-0)0 香港
サウジアラビア 2(1-0)0 ベトナム
中国 0(0-1)1 オマーン
レバノン 0(0-0)0 マレーシア

※当初この試合はイランの1-0での勝利でしたが、イランが出場停止処分を受けていた選手を出場させていたことがのちに判明。6月23日、アジアサッカー連盟(AFC)は第2戦の開始数時間前にこの試合を没収試合として扱い、イラクの3-0での勝利扱いとすることが告知されました。


▼ロンドン五輪アジア予選のランキング   ※2次予選の時点でのランキングです
前回大会の北京五輪の成績に基づいて作成されてます。このランキングは五輪アジア予選の各ラウンドごとに使用されますが、ランキング上位国が下のラウンドで敗退した場合、ランキングはその都度順番に繰り上がります。なお、今回の2次予選は、1~12位と13~24位の2つのカテゴリーに予め分けて抽選をしました。

1位・韓国、2位・豪州、3位・中国、4位・日本、5位・イラク、6位・バーレーン
7位・カタール、8位・サウジアラビア、9位・北朝鮮、10位・シリア、11位・レバノン、12位・ウズベキスタン
13位・ベトナム、14位・クウェート、15位・オマーン、16位・UAE、17位・イラン、18位・マレーシア、
19位・イエメン、20位・香港、21位・ヨルダン、22位・インド、23位・パレスチナ、24位・トルクメニスタン

(赤字が北京五輪出場国、青字が北京五輪アジア最終予選の出場国)


アジアサッカー連盟の今大会の関連ページ
日本サッカー協会の今大会の関連ページ
今大会のU-22日本代表22名
今大会のU-22クウェート代表26名

〔写真はアジアサッカー連盟より〕


                           *  *  *  *  *


頑張れ、オマーン代表!!

1996年アトランタ五輪以来、5大会連続9度目の五輪本大会出場を目指す関塚隆監督率いるU-22日本代表は、6月19日にロンドン五輪アジア2次予選でクウェートと豊田スタジアムで第1戦を戦いました。今回のロンドン五輪は、1989年1月1日以降に生まれた選手に参加資格があります(なお、本大会では24歳以上の選手を3人まで起用出来ます)。過去に日本が参加した五輪予選で、2チームによる一騎打ちの形式は何度か経験してますが、ホームアンドアウェー方式なのは今回が初めてです。しかも、実力に差のある弱い国との対戦ではなく、過去にW杯と五輪にそれぞれ出場経験がある中東の曲者クウェートが相手でした。

2月の遠征試合では、同国の控え選手主体のフル代表が相手だったとはいえ、0-3と大敗を喫してます(→詳細はこちら)。今回は、下馬評では日本が優位でしたが、もし寝首を掻かれたら、本大会どころか最終予選にすら進めません。ただでさえ、今回の世代は世界大会の経験が乏しいだけに、将来に禍根を残します。なので、試合前はかなり警戒を要しました。しかし、試合直前に、昨年11月の広州アジア大会で日本の初優勝の原動力となった、大会得点王の永井謙佑が左足首を捻挫するアクシデントが起きました。ただ、最初にこの知らせを聞いた時は、私はてっきり関塚監督が「アジジ作戦」を実行してクウェートに陽動作戦を仕掛けたのかと思ったので、それほど心配してませんでした。ところが、永井の負傷はハッタリではなく、本当だったのでさすがに焦りました。

大黒柱を欠いた状態で迎えた試合でしたが、開始序盤から日本がボールを圧倒的に支配して攻勢を仕掛け、クウェートが自陣奥深くで人数を固めて跳ね返す、大方の予想通りの展開。堅守速攻を持ち味とするクウェートは初戦が敵地だったので、極力失点を抑えて母国での第2戦を迎えるのが魂胆でした。日本は決定機を何度か逃しますが、前半18分に、主将でボランチの山村和也が左サイドに展開。パスを受けた同じ流通経済大学4年生の左サイドバックの比嘉祐介がクウェートDFを振り切って中央にクロスを上げ、それを清武弘嗣が鮮やかにダイビングヘッドを叩き込んで、日本が待望の先制点を挙げます。その後も日本が一方的に攻め立て、前半37分には清武が蹴った右CKにDF濱田水輝が頭で決めて、貴重な追加点を挙げます。前半の殆どを相手陣内で過ごした日本は相手にピンチらしいピンチを殆ど与えず、2-0のまま前半を折り返します。

前半を2-0で折り返すのは、リードしているチームが油断を招く危険性があるので、実はサッカーでは割と危険なスコアだと言われてます。なので、次の1点をどちらが決めるのかで、勝敗が大きく左右されます。少しでも差を縮めたいクウェートが後半開始から徐々に反転攻勢を仕掛け、前半とは打って変わって、やや日本が自陣に押されました。しかし、後半16分、DF鈴木大輔がカットしたボールをFW山崎亮平に繋ぎ、右サイドを駆け上がった大迫勇也が山崎からパスを貰って冷静に相手ゴールに流し込み、日本が3-0とリードを広げます。その後も、日本は交代出場した原口元気らを中心に攻め立てて、再三の好機を作るも、クウェートの守備に阻まれて追加点を逃します。だが、後半23分、DF酒井宏樹がボール処理を誤ったのを切っ掛けにクウェートに1点を献上。日本のリードは2点差に縮められます。

その後は両チームとも追加点を奪えず、結局3-1のまま第1戦を終了。日本としては、2点差で勝利して貯金を作ったのは評価出来ますが、もう一つの至上命題だった相手を完封する事が出来なかったのは非常に残念です。というのも、もし4日後の6月23日に敵地で行われる第2戦で日本が0-2で敗れた場合、2戦合計スコアこそ3-3で並びますが、アウェーゴール数で上回るクウェートが規定により勝ち上がるからです。同じ2点差勝利でも、2-0の方が望ましかったです。あの失点は、瀕死のクウェートに希望を与えただけに、本当に余計でした。次戦をアウェーで戦う日本は、守備を意識することはもちろん大切ですが、隙あらば逆に先取点を狙うべきです。それも、なるべく早い時間帯にです。なぜなら、日本がアウェーゴールを奪えば、クウェートが90分以内で勝ち上がる為には4点差が必要となるので、出鼻を挫いて戦意喪失させることが出来るからです。関塚監督は川崎の監督時代、過去にACLで2度、ホームアンドアウェー方式の準々決勝で悔しい思いをしているだけに、采配が非常に注目されます。

なお、2次予選の他の試合の結果ですが、ホームでイエメンに3-0で完勝した豪州は、イエメンの政情不安の影響で同国がホームゲームを開催出来ないので、次戦も続けてホームで戦えます。なので、豪州の勝ち上がりはほぼ確実です。ただ、東アジアの強豪国は、軒並みホームで苦戦を強いられました。韓国は3-1で勝利してますが、前半ロスタイムに格下のヨルダンに先制点を許してます。過去2回のAFC U-19選手権の優勝国同士の対決だった北朝鮮vsUAEは、ホームの北朝鮮が後半に失点を喫して痛恨の黒星発進。そして、日本の五輪出場の鍵を握る存在の中国に至っては、なんとホームでオマーンに0-1で敗れる波乱が起きました。アジアサッカー連盟(AFC)が作成したランキング上位3位チームが勝ち上がった場合、4位の日本は自動的に最終予選では第2シードとなります。なので、もし3位の中国が2次予選で敗れた場合、代わりに日本が第1シードに繰り上がり、最終予選で韓国と豪州との対戦を回避出来ます。次戦は日本の運命を大きく左右するので、こちらの試合も非常に注目です。


▼日本の2次予選突破の条件
①勝利
②引き分け
③1点差での敗戦
④2得点以上を奪って2点差での敗戦
(例:2-4、3-5での敗戦)

※3点差以上での敗戦、もしくは0-2での敗戦の場合は、クウェートが勝ち上がります。
  もし、日本が1-3で敗れた場合は、15分ハーフの延長戦(なお、アウェーゴールルールは適用)を戦い、
 決着がつかなかった場合はPK戦となります。


・関連記事
男子サッカーのロンドン五輪アジア2次予選の組み合わせが決まる



☆日本vsクウェート(第1戦)のダイジェスト



☆韓国vsヨルダン(第1戦)のダイジェスト



☆中国vsオマーン(第1戦)のダイジェスト



☆北朝鮮vsUAE(第1戦)のダイジェスト




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2 コメント

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3点取ったのはいいけれど (こーじ)
2011-06-21 23:02:01
 試合前に危惧された0-0で後半にもつれ込んだら・・・・という展開にはならず2-0とリードしたところまではよかったのですが、3点目を挙げてから流れがおかしくなりましたね。

 とはいえ守備の固いクウェートから3点取れたのは大きいし、エースの永井抜きでの3得点も褒めてはやりたいですね。

 とりあえずアウェーゴールの1失点が、適度な
緊迫感をチームにもたらしてくれるとは思ってます。

 それにしても2月に控え中心とはいえクウェートのフル代表と対戦していてよかったですよ。
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コメントありがとうございます (猫なべ)
2011-06-22 19:45:14
こんばんは、こーじさん

あの余計な失点さえなければ、この試合は結果&内容ともに完璧だったんですけどね・・・
あと、交代出場した原口が得点を獲れなかったのが少し気になりますね。

アウェーの次戦は、やはり試合序盤の入り方が重要ですね。
もし早い時間帯に失点を喫したら、クウェートは一気呵成に攻めて来るので、マズい試合展開となります。
だからこそ、カウンターで止めを刺してほしいです。

ただ、アウェーであってもクウェート程度のチームに苦戦しているようでは、最終予選での苦戦は必至なので、
危なげない試合運びをしてもらいたいですね。
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