うんどうエッセイ「猫なべの定点観測」

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U-20女子W杯、地元ドイツが全勝優勝

2010年08月07日 | サッカー(女子)
◆女子サッカー・第5回FIFA U-20女子ワールドカップ ドイツ大会(2010年8月1日 @ドイツ・ビーレフェルト)

・決勝
ドイツ 2(1-0)0 ナイジェリア
得点者:ドイツ)8分 アレクサンドラ・ポップ、90分+2 オウンゴール


・最終順位
優勝・ドイツ、2位・ナイジェリア、3位・韓国、4位・コロンビア

※ドイツは2004年タイ大会以来2度目の優勝。


国際サッカー連盟(FIFA)のU-20女子W杯の関連ページ
日本サッカー協会のU-20女子W杯の関連ページ
出場16チームの最終登録メンバー(各国21名)


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多くの優勝候補が早期敗退を強いられるなど、波乱続きだった今大会。しかし、終わってみれば、地元ドイツが1次リーグから数えて6戦全勝と圧倒的な強さを見せて、通算2度目の優勝を果たしました。今大会のドイツは基本に忠実な堅実なチームでしたが、他のチームを完全に圧倒するほどの大人顔負けの体格を活かし、高さとパワフルな攻撃と組織的な堅い守備力を披露。女子サッカーはまだ体格とフィジカルがものをいう世界なのかもしれません。ちなみに、ドイツの女子の競技人口はなんと約100万人です(なお、日本は約3万人前後です)。ただでさえ、体格が優れた民族なのに、激しい競争によって優れた人材が更に選り抜かれる訳ですから、強いのは当然でしょう。しかも、ユース世代の大会にも関わらず、地元ドイツ戦を中心に大勢の観客が溢れていました。競技を取り巻く環境面を含めても、他国よりも一日の長があると思われます。

一方、驚異的な身体能力と高い技術を活かして、今大会の台風の目となったナイジェリア。アフリカの女子代表チームとして、全年代を通じて史上初の世界大会の決勝に進出でしたが、さすがに世界的な強豪国であるドイツには一歩及びませんでした。しかし、ナイジェリアは決勝戦では、ドイツを相手に前半はほぼ互角に展開。ドイツが猛攻を仕掛けた後半こそ守勢に立たされますが、試合全体のボール支配率では54%対46%とナイジェリアが上回ります。それだけに、前半の早い時間帯に失点を喫したのが悔やまれました。とはいえ、1次リーグでアジア王者の日本、準々決勝で前回優勝国の米国を破るなど、今大会の健闘は大いに称えられます。彼女達の今大会の活躍は、アフリカ勢の躍進をとても印象付けました。

4位入賞したコロンビアや1次リーグでイングランドを破って準々決勝に進出したメキシコなど、今大会は各大陸内において2番手以下だと思われていた国の躍進が目立ちました。中でも、それを最も象徴している国が韓国でした。ちなみに、今大会の韓国の3位入賞は、男子の1983年ワールドユース選手権(現・U-20W杯)と2002年W杯の4位よりも上回り、男女全年代を通じても史上最高の成績です。韓国はフル代表では、アジアにおいては5番手だと思われてました。ただし、韓国女子は選手層こそ非常に少ないですが、若年層の強化に非常に力を入れており、ここ最近のユース世代のアジアの大会では頂点を狙えるだけの実力を付けてます。ユース世代だけでいえば、かつて世界の強豪国だった中国を凌いでます。それだけに、今大会の大躍進は、日本にとっては非常に衝撃的な結果でした。昨年のアジア予選の決勝では完勝した相手でしたが、韓国は今回大いに自信をつけたので、将来を考慮すると非常に厄介なことになったと思います。

過去の同大会を見渡しても、これだけ新興国が躍進したのはおそらく今大会が初めてでしょう。世界各国が女子の若年層の強化に本腰を入れている証拠なのだと思います。なので、今大会の結果が数年先のフル代表にも影響する可能性は十分にありえます。ただ、男子の場合だと、自慢の身体能力を活かしてユース世代の天下を牛耳るブラックアフリカ勢は、年齢が上がるにつれて戦術や競技環境や経済力などの影響もあって、世界の頂点から次第に遠ざかります。はたして、まだ発展途上にある女子は、男子と同様になるのか非常に注目です。それだけに、来年6月に今大会と同じドイツの地で開催される女子W杯では、日本は世界の新しい潮流をしっかりと読んだ上で、万全の備えをして臨まなくてはなりません。


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☆決勝戦のドイツvsナイジェリア戦のダイジェスト



☆将来日本の前に立ちはだかりそうな、今大会得点ランキング2位の韓国のFW池笑然のゴールダイジェスト

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