Natural Angler

取り巻く自然にも目を向け、ゆったりとフライフィッシングを愉しんでいます。

間一髪!

2009-06-22 23:20:49 | FlyFishing

永年釣りをしているといろいろな危険と隣り合わせになることがある。

クマ、スズメ蜂、マムシ、サル、イノシシなどの動物との遭遇。
これ以外には、滑落や、道迷い、転倒、打撲や骨折などなど。

今回のケースは釣り人にとって難しい雨の影響による濁りと増水だ。

梅雨時の雨は長雨にはなるが雨量はそれほどでもない場合が多い。
また前線の位置によって雨の降る場所も結構変化する。

この日は前日までは良かったが前線の影響が出始めて終日雨の予報。
それでも前日まで降っていないので水量はそれほどでもないだろうと、
前回増水でほとんど釣りの出来なかった南アに同じ3人で出かけることにした。

午前2時、目覚ましが鳴る。
15分後には車に乗り込んだ。
雨はシトシト降っている程度。

現地には6時頃着いた。雨は時々本降りになるが、大したことはない。
林道を歩き始めてすぐに前回大量の水が吐き出されていた放水口が見えた。
ほとんど水が出ていない。

そして川が見え始めた。濁りは全くない。
水量はむしろ少ないくらいだ。

1時間ほど歩いたところで川を覗くと、なんと濁りが...
水量はそれほど増えてはいない。
上流の様子を気にしながらさらに歩く。

そして入渓予定地の手前で川を確認すると笹濁り程度、水量もそれほど多くない。
濡れた急斜面を慎重に降り、そして河原に立つ。
笹濁り、しかし水深のあるところは難しそうだ。


とりあえずドライでスタートしてみたが、やはり反応がない。
水温は12度とまずまずだが、ここでニンフに変更。
それでも反応は無い。

同行のルアーマンM君がぶっつけのプールで32cmをヒットさせた。
前回の増水時には36cm、こんな日に強い。

1時間ほどつり上がっただろうか、
気持ち濁りが強くなってきたような気がしたのと、水量も上がってきていたので
反応の悪さもあり、次の退渓点で本流を断念する事にした。

しかし次のコーナーの渡渉ポイントが増水で渡れそうにない。
ここはいつもならほとんど問題のないところなのだが、
ここがこの程度だとこの上の渡渉ポイントはもっと難しい。

ということで、入渓点まで戻ることにした。
しかしどうも濁りと増水のテンポが早い、ということで、
3人とも急いで戻ることにした。
途中の浅かったところも濁りで水深が解らなくなってきた。
杖で水深をチェックしながら渡る。

そして入渓点の目の前まできて、ちょっと困った。
かなり増水しているのと、岩が多いところなので、流れが速い。
杖が流されるので水深確認もうまくできない。

3人でスクラムを組みながら少しずつ慎重に渡る。
今までではなかなか緊張する渡渉だったが、なんとか渡りきった。

そしてさっき降りてきた斜面を休み休み登り林道へ。
雨はこの間降り続いている。
しばらく歩いたところで川を覗いてみると、

すでにこんな状態になっていた。
間一髪だったと思った。

途中の支流からの濁りも加わり、下流部はカフェオレの濁流となっていた。
このあと車で戻る途中の本流はかつて見たことがないほど、
川幅一杯の濁流となっていた。

ダムからの放流であればサイレンなど警告があるが、
自然の仕業には自分たちで対処するしかない。

あと10分いや5分判断が遅かったら、対岸に取り残されたかもしれない。
自然を甘く見てはいけないという、良い教訓だった。

しかしこれで釣りをあきらめたかというと、そこは性懲りもないやつら。
問題の無さそうな支流で少しだけ竿を出してみる。

しかし支流も水量はそれほどではないものの、濁りは出始めているので、
あまり期待は出来ない。

小さなアマゴがフライに反応する程度で、サイズ的にも期待薄。
このあたりで終了しようとラストキャストすると、
ちょっと良さそうな魚体がフライに飛びついた。
ドラグが掛かるのと同時だったのでフッキングせず。
再度同じポイントにフライ先行で流すと、今度はガッチリとフックアップ。

この支流では上々の幅広アマゴだった。
まさにラストキャストにラストフィッシュ。

なんだか救われた気のする貴重な1尾となった。


帰りにはいつもの温泉で反省会。
身体も心もほっと休まったのはいうまでもない。


おまけ




アマガエルの仲間だと思うが、体長が7cmくらいあった。
ネットで調べても載っていなかったがどなたか教えて下さい。






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16 コメント

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Safety Flyfishing! (yamaaruki world)
2009-06-23 10:07:20
私もこの3年程、毎年1回は同じような危機に遭遇しています。
釣り場ではなんでも無い様な雨が、上流で大雨をもたらし危機一髪!に・・(^^;
文字通り「運が良かった」と済まされていますが、毎回反省しては繰り返してしまっている私です。

ある程度山を知っているのが、かえってそれらを軽視する傾向にあった様です。
私も、状況に応じた早目の判断で「Safety Flyfishing」を実践して行きたいです(^^)/~~
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怖いな~ (goo~)
2009-06-23 11:38:57
こんにちは。
大雨の急な増水、怖いですね。退渓点の少ない源流では気も急くし、尚更怖い。最近は渓流でも携帯が通じる場所が増えて多少気が楽にはなりましたが、こういった時は仲間の頼もしさ・有り難さを思い知りますね。

とにかくご無事で何よりです。
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勇気ある撤退♪ (アマゴ27)
2009-06-23 20:51:55
こんばんは!(^^)
急な増水、退渓場所が限定される区間は
特に怖いですね。
まもなくネコバス運行ですね。



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良かった~ (よねさん@鱒美)
2009-06-23 21:49:04
とにかく、ご無事でなによりでした。
山岳では、決して小雨と侮ってはいけませんね。
単独釣行も少なくないおいらですから、カズさんの体験は、しっかりと胸にとどめなくてはいけないと思いました。そんな一日に、貴重な良型アマゴ。本当に救われましたね。
おまけの2品、白い花はエゴノキでしょうか。6月初旬に滋賀の渓で見た花に似ています。はっきりとはわかりませんけど。
カエルはモリアオガエルでは?
鳥取にも、アマガエルの10倍くらいデカイやつがいましたよ。
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増水 (八兵衛です。)
2009-06-23 21:59:24
間一髪でしたね!
おいらの友人は急な増水で(ダムの放水)
川を渡れず対岸の険しい山中を
1~2時間も彷徨ったそうです

昨年はゲリラ豪雨で間一髪ありました
気~付けましょ

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Re.Safety Flyfishing! (カズ)
2009-06-23 23:04:49
yamaaruki worldさん、たしかに慣れは怖いです。
今回も前日の雨量や上流部の状況を意識したつもりだったのですが、とにかく濁りと増水が早かったので、あせりました。下流へ歩きながらどんどんひどい状況に変化してゆく川を見ながらぞっとしましたね。
早めの判断と思い切りが大事だとつくづく思いました。私もさらに永く愉しみたいので「Safety Flyfishing!」を肝に命じたいと思います。
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gooさんへ (カズ)
2009-06-23 23:08:57
gooさん、ありがとうございます。
しかし、私の場合、99%位は携帯の届かないエリアで釣りをしているので、人一倍注意はしているつもりです。衛星携帯が手軽になったら、真っ先に買うかもしれません
でもこんなシーンに出くわすと、単独は極力避けようと思います。
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勇気をもって撤退しました。 (カズ)
2009-06-23 23:12:34
アマゴ27さんこんばんは。
ネコバス運行前にと雨の予報の中ちょっと頑張りすぎたかもしれません。そんなバチが当たったかも
次はのんびりとネコバスに揺られて行こうと思います。R俣泊まりもいいかな
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モリアオガエル (カズ)
2009-06-23 23:22:34
よねさん、お互い気を付けましょうね。って私だけかな?どうも今年は雨にたたられます。前回も同じメンバーで雨と増水。先週は雷と集中豪雨。雨男ではないはずなんですが。最後のアマゴには本当に救われました。なにせこの日は実質釣りをした時間は2時間ぐらいだったと思います。ですからチビアマゴしかいないと思っていた矢先に出た良型でしたから救われました。この支流をじっくりやってみたくなりました
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気を付けましょう! (カズ)
2009-06-23 23:25:30
八兵衛さん、お互いに気をつけましょうね。
遭遇系は避けられない面もありますが、今回のようなケースは自分たちでリスク回避できますからね。これからも肝に命じたいと思います!
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