天橋立は日本三景のひとつとはいえ周辺は静かな町並みなので、みやげ物屋も17時を回るとほとんど閉まっている。仕方が無いのでキヲスクをのぞくと、このおばちゃんがとっても世話焼きで商売熱心。品切れだった文殊堂名物の「知恵の餅」をわざわざ電話でひとつ取り寄せてくれたり、地場産品の説明をいろいろしてくれた。その中で異質の存在だったのが写真の「鬼饅頭」だ。
天橋立から南に10kmほど行ったところに鬼伝説で名の知れた大江山がある。大江山鬼伝説とは、平安時代夜な夜な京の都へ出没し悪の限りを尽くした酒呑童子などの鬼神を源頼光や坂田金時らが退治する物語のようで、この鬼伝説に因んで作られたのが鬼饅頭らしい。
写真では分かりにくいけれどこの饅頭、ひとつの大きさが直径10cm、高さ6cm、重さ500gのお化け饅頭。なんでも源頼光の腰掛石をイメージして作られたらしいのだけれど・・・3人前以上あるこの大きさ、笑いは取れるが食べようとすると笑えない。
手ごろな大きさに切り分けてみると中身はあんこぎっしり。岡山の大手まんぢゅう並みの薄皮なので、輪切りにすると元が饅頭だったとは到底思えない・・・というか、あんこだけを食べることになる(笑)
田舎の素朴さがあらわれたような甘さがしっかりした粒あんなので、少量でもあんこを堪能できる・・・が、ゆえにこの量はゲフッ・・・ちょっと胸焼けしそう。まあ、温めて餅を添えてぜんざいにしてもいいかもしれない。
◇新治製菓舗◇
大江町蓼原(購入はJR天橋立駅キヲスク)
食べた物 「鬼饅頭」★★☆☆☆
ひとつ560円
帰りの天橋立駅、電車の待ち時間が小一時間ほどあったので、ちゃっかり文殊堂と天橋立を眺めてきた。ただ、残念ながら天橋立は近くの山から眺める「股のぞき」が絶景らしい。目の前で見ても松の道がわずかに見えるだけだった。
これでは天橋立というより「天の端だけ」だよな…。
晴れ渡った日や冬の雪景色は絶景だそうな。いつか観光でゆっくりと訪ねてみたいところだ。