フライトシミュレーターの世界

経済アナリスト藤原直哉の、趣味のフライトシミュレーターのページです。主にX-Plane、PSXを飛ばしています。

X-Plane10のB767-300ERで成田からサイパンまで(1/3) ETOPS、CRP

2015-12-26 22:51:48 | 日記
今日はX-Plane10の有償B767-300ERで成田からサイパンまで飛んでみます。
 
 
これがフライトプランです。PFPXで作りました。1338マイル、平均で10ノットの追い風です。ロングレンジクルーズで巡航高度は当初がFL280。ZFWは288.0キロポンド。飛行時間は2時間55分、燃料は代替空港(グアム国際空港)と予備を入れて4時間14分の54.7キロポンド。離陸重量は342キロポンドです。
 
ちなみにX-Plane10はデフォルトでポンド表示であり、当機もソフトがポンド表示です。1ポンド=0.4536キログラムです。
 
では767のメニューを出します。今日はゲートから乗客が搭乗します。空調用の圧搾空気、電源、燃料車、車輪止めなどが用意されています。乗客と貨物、燃料の搭乗・搭載計画も入力しておきます。まだ搭乗、搭載はしません。
 
 
 
今回のフライトには洋上飛行の部分があります。八丈島の南西、SABRIポイントのあたりからレーダー管制が終わって洋上管制に切り替わっていきます。スクウォークは2000にします。通信はVHFから短波になり、CPDLCも使われることがります。
 
 
その次のCADDYポイントは義務位置通報点です。洋上管制です。
 
 
さらに今日は洋上飛行にETOPSの区間があります。当機は120分のETOPSが認められているとして飛行計画を作ってあります。ETOPS区間は日本側の福岡飛行情報区と米国側のオークランド飛行情報区の境界点、OMLETの手前にあります。飛行時間にして38分ですが、飛行計画の段階でしかるべき計算が必要です。飛行機は離陸前に必要な計算と書類がそろっていないと法的に離陸できません。一方離陸後は何があっても何としてでも安全にどこかに着陸しなければなりません。ですから離陸前の計算と離陸後の計算は方法が結構違います。紙の上の安全と現場の安全の両方が必要なのです。
 
今回の飛行ではETOPS区間でクリティカルポイント(CRP)の計算を行いました。もしエンジンが1基止まった場合に、成田に戻るのとサイパンに行くのと飛行時間が同じになるポイントを風を考慮して計算しています。ETOPSの計算には等飛行時間点(ETP)を使う場合と、残燃料の限界を計算する限界点(CRP)の2つの方法があります。ETPは前と後ろの2つのETOPS代替空港を指定して、前に行っても後ろに行っても同じ時間になる場所のことです。ですから代替着陸が必要になった時、ETPの手前であれば後ろの空港に行き、ETPの先であれば前の空港に行きます。大変わかりやすい方法です。それに対してCRPは前と後ろを指定するのではなくて、ETOPS代替空港をひとつ指定して、そこに戻るための燃料が残っているギリギリの場所のことです。それがCRPです。
 
今回はETOPS代替空港を成田にしてCRPを計算しています。何かあれば離島のサイパン島ではなくてできるだけ成田に戻りたいわけです。そして成田は世界標準時で4時27分から5時27分の間に代替着陸できる設備等や気象条件でなければまりません。
 
ETOPSのシナリオは普通3つ計算します。シナリオ1はエンジンが1基止まった場合、シナリオ2はエンジンが1基止まりさらに与圧が抜けた場合、そしてシナリオ3はエンジンは2基動いていますが与圧が抜けた場合です。以下の計画によればエンジンが1基止まったらFL210まで降下し、330ノット(TAS)で成田まで飛びます。さらに加えて与圧が壊れて1万フィートまで降下しなければならない場合は1万フィートまで緊急降下し、330ノットで成田まで飛びます。、エンジンは2基動いていますが与圧が壊れた場合も1万フィートまで緊急降下し、成田まで310ノットで飛びます。クリティカルポイントはこの3つのシナリオすべて離陸後1時間49分のところで、OMLETから110マイル手前の地点。その地点での残燃料予定が30.350キロポンド。そこから成田に安全に戻るために必要な燃料がシナリオ1では29.476ポンド、シナリオ2では30.350キロポンド、シナリオ3では28.934キロポンド。まさに成田に戻れるギリギリの燃料です。成田まで戻るための時間はシナリオ1が1時間49分、シナリオ2が2時間05分、シナリオ3が2時間12分です。
 
しかし改めてCRPの場所を考えてみると、OMLETの110マイル手前でETOPSの出口になっている場所です。それはまさにサイパン空港からエンジン1基で60分の場所になっています。ということは当機はCRPを過ぎたらサイパンに行くということになります。
 
ETOPS運航に必要な燃料の量には規定があります。この場合はアイシングは考慮する必要がなく、1回復航する燃料を含んでいます。先に紹介したフライトプランの燃料のところを見るとETOPS運航に伴って必要な燃料が10.074キロポンド加算されています。
 
 
 
 
成田の離陸は今日はRWY34Rです。滑走路方位は336度。
 
 
サイパンの進入はILS/DME RWY7を予定しています。最終進入は2100フィートから。ILSの周波数は109.9、識別符号はI-GSN、方位は066。滑走路の手前にNDBがあります。周波数312、識別符号SN。
 
 
では機体を読み込みます。成田空港第2ターミナルに据え付けます。
 
 
今日はコールドアンドダークから始めます。
 
 
操縦室の扉が開いています。客室もきれいに作り込んであります。
 
 
今のところ故障はひとつもありません。
 
 
 
ドアを開けます。ポートサイド前方のL1とスターボードサイドの後方の扉と貨物室の扉を開けます。ポートサイドのBLKの扉もあけないといけませんね、本当は。
 
 
LOAD/UNLOADボタンを押してまず降機させます。
 
 
767-300ERの設定です。high challengeを選ぶといろいろトラブルが出てくるそうです。またthrottle blockはこのソフトから始まった機能で、モーターでスロットルレバーを駆動しない場合、オートスロットルが切れたときのスロットルの位置と手元のスロットルの位置がずれていきなり推力が動くことがあります。これをオンにしておくと、オートスロットルが切れた後、ソフト上のスロットルの位置まで手元のスロットルを動かさないと推力が動かないという機能です。慣れると使いやすいです。
 
 
成田空港の第二ターミナルにはたくさんの飛行機が泊まっています。
 
 
機体後方の様子です。
 
 
先に紹介した気象ソフトFS GLOBAL REAL WEATHERで成田の天気を見てみます。330度の風9ノット、雲高5千フィート、視程15キロ、気温6度、露点2度、QNHは1028ヘクトパスカル。離陸に問題はありません。
 
では出発の準備を始めます。
 
 
バッテリーをオン、スタンバイパワースイッチをAUTO、外部電源をオン。バスタイスイッチをAUTO。
 
 
航法灯(Position Light)をオン。操縦室の扉を開錠します。
 
 
外部電源を取り入れ、ユーティリティーバスをオン。
 
 
客室にも照明が入りました。
 
 
PFD、NDが点灯しました。電源を入れてから少し時間がかかります。
 
 
IRSの調整を始めます。OFFになっているスイッチをNAVに。
 
 
現在位置の入力を行います。GPSの座標をそのまま入れました。
 
 
さっそくキャビン前方のインターコムが鳴っています。パーサーからの連絡です。
 
 
客室がえらく寒いですとの訴えです。空調を入れます。外部の圧搾空気がつながっています。
 
 
では今日のコースを入力します。成田の34Rを離陸し、木更津3デパーチャーで木更津VOR(KZE)へ、大島VOR(XAC)へ直行。そしてB586航空路で一路南下。そしてOMLETへ。ここが日本と米国の航空情報区の境界になります。OMLETからサイパン島のサイパンNDB(SN)へ直行し、ILS/DME RWY7アプローチでRWY7に着陸予定です。
 
 
DEPはRWY34Rからの離陸で、SIDは木更津3デパーチャーです。
 
 
到着はSTARSがなしで、ILS07を選択します。
 
 
引き続きパネルのセットアップを続けます。ヨーダンパーはオン。その下のELEC ENG CONTをオン。ここでは見逃していて、あとでこれがオンになっていないことに気づいてONにしています。油圧は電気の油圧とデマンドポンプがオフ。
 
 
ドアの状態や舵の状態が表示されています。ELTはARMED。
 
 
非常灯をARMEDにしてふたを閉めます。
 
 
ふたが閉まった状態です。
 
 
エンジンのスターターは今日は2番を使います。スタータースイッチはAUTO。燃料ポンプはすべてオフ。まだ燃料は搭載していません。
 
 
アンチアイススイッチはすべてオフ。ライトは航法灯だけついています。
 
 
(つづく)
 


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