いつもありがとうございます
なんで雌雄同体から躯体分化する必要があったの?
生物、とくに動物って、
オスとメスが別々なのがあたりまえ。
そう思っている人も多いと思います。(そうでもない?)
実は違うんですね。
つまり、オスとメス、その両方の要素を一つの体に持っている生物が存在するんです。
さて、それはどんな生物なんでしょう? (注:こんなのではありません。)
ホヤやカイメン、アメフラシやウミウシ、カタツムリやナメクジ
などがそうらしいです。
彼らは一つの体の中に卵巣と精巣をもっていて、同じ種類の2体が出会うと交尾します。
こんな感じ
ウミウシの交尾
カタツムリの交尾
ちょっと過激でした?
まーとにかくそういうわけで、雌雄同体の生物が存在するのは分かっていただけたかと。
で、彼ら、雌雄同体の生物には雌雄同体であることのほかに、共通の特徴があります。
それは・・・・
動きがのろい。 もしくは動けない。(ホヤ・カイメンなど)
ことです。
動きがのろいと、どうなるか?
エサがとりづらくなる。
敵から逃げづらくなる。
てな感じに、けっこうな窮地に追い込まれます
こりゃやばいとばかりに、彼らは彼らなりに適応してるようですが、
いかんせん、行動範囲が広がらない。
すばやく動けるようになるに越したことはない。
この、すばやく動けるようになる、すなわち運動機能の進化と
雌雄異体化=躯体分化
が関係あるらしいんです。
雌雄異体になると、なんで動きやすくなるの?
脊椎を持つようになった、すなわち神経系ができてきたから運動能力が向上してきた、と、遠い昔に習ったような気がします。
原索動物と呼ばれている生物たちがそのハシリですね。
進化系統樹上でみると雌雄同体生物の直後に位置するこれらの原索生物あたりから雌雄異体化が始まっているようです。
雌雄異体化と、神経系=運動機能の発達にはなにかかかわりがありそうですね。
とゆうわけで、ここからが本題。
雌雄異体になると種として劇的な運動能力向上が期待できる。
なんでか?
1.外的状況に対して闘争し変異を感じ取る存在(オス)と、
外的状況から一定守られ安定した生殖を行なう存在(メス)に分化ができる。
2.オスが感取した変異情報を精子→卵子を通じて後世に伝えることができる。
生物は「刻一刻と変る外的状況=外圧」を次の世代に伝えるために「雌雄躯体分化」というシステムを作り出し、その結果、さまざまな進化を遂げる可能性が開かれたという説です。(外圧伝達システムについては11月27日の記事をごらんください)
だとすると、
外圧に適応し、種を存続させるため
オスとメス・男と女に分化したんですね
こう押さえていくと、学校で習った内容に違和感が生じてきます。
「運動能力獲得の主要因である」という神経系の発達はどちらかというと2次的なもの。
というより、
神経系の発達は「雌雄躯体分化=外圧伝達システム」がもたらした結果ではないか?
という気がしてきました。
【おまけ】限定選択的進化ってなに?
ダーウィンの進化論では、
「進化を進歩とは違うものだと認識し、特定の方向性がない偶然の変異による機械論的なもの」
だと結論付けています。
360度、全方位に変異が生じ、自然淘汰によって進化種が決定する、という考え方です。
つまり、変異と外圧にはまったく関係が無く、外圧は淘汰にのみ作用する、ということです。
運動機能の進化でいうと、ある日突然、脊椎=神経系が発達した種が現われ、これがたまたま生き残った、ということになり、先に挙げた違和感は、ここらへんに根ざすものだということが分かります。
また、この考え方では雌雄躯体分化との関連は、まったく説明がつきません。
一方、なんで屋劇場で提起されていたのが、
かかってくる外圧は限定的であり、生物はこれに適応すべく、30度くらいの角度で選択限定変異する。
そのうちの1%くらいが外圧に適応、生き残る。
という考え方です。すなわち、
「外圧=内圧」
ですね。こう捉えていったほうがスッキリします。
この、限定選択的進化というのは、現時点では仮説に過ぎませんが、今後HY抗原の研究が進めば、事実体系として明らかになってくるのではないか、と期待してます。
うーん、生物の進化って奥深いですね
とゆうわけで明日の第3弾は、
なんで、ほ乳類や人間は性染色体による性決定メカニズムになったの?
性染色体って何??
です。
お楽しみに
外圧適応態として、外圧情報をキャッチして後世に伝えていく『HY抗原』の研究、非常に重要だと感じました
みんなで追求していきたいですね