失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「たどりついたらいつも雨ふり」 モップス、氷室京介、HIROMITSU、山崎ハコ

2010-06-30 | 
オリジナルは70年代作品。80年代カヴァーと90年代のセルフリメイク&カヴァーでフォー。
有名曲ではあるが、8㎝で4枚揃うとは、ちょっと意外であった。

左から、
モップス 1972
氷室京介 1988
HIROMITSU 1996
山崎ハコ 1997


モップスのタイムスリップグリコ盤は以前紹介した。
一応言及しておくと、モップスは鈴木ヒロミツ、星勝らが在籍したGS期のロックバンド。


「DEAR ALGERNON」HIMURO KYOSUKE

①DEAR ALGERNON
作詞・作曲:氷室京介、編曲:吉田健・氷室京介
ボウイ解散後のファースト・ソロアルバム『『FLOWERS for ALGERNON』からのセカンドシングル。。アルバムのタイトルソングとも言えるこの曲を聴いても、どうして名作SF「アルジャーノンに花束を」のタイトルをそのままアルバムに使用したのかよくわからない。

カップリングの②③はツアー「KING OF ROCK SHOW“DON'T KNOCK THE ROCK”」のライブ音源。

②SUFFRAGETTE CITY (LIVE VERSION)
作詞・作曲:DAVID BOWIE、編曲:吉田健
オリジナルはデヴィッド・ボウイ。グラムロックの名盤『ジギー・スターダスト』(1972)収録の疾走ロックナンバーを、わりと普通にカヴァー。氷室、ボウイ好きなんだ。あーそういえばそんなバンド名だったけ…というのは誤解みたい。英語がややスピードに乗り切れていないのが惜しい。彼の場合、日本語で歌ったほうが英語っぽく聴こえたかも?

③たどりついたらいつも雨ふり (LIVE VERSION)
作詞・作曲:吉田拓郎、編曲:吉田健
こちらも②と同じく、1972年産のロックの名曲をカヴァー。オリジナルよりもスローなアレンジで切々と、情感込めて歌う氷室。「おいら」なんて一人称、ボウイファンには大丈夫だったのか。②③とも正直ぱっとしないカヴァー2曲だけど、大好きな曲を歌ってますって気分は伝わってくる。氷室の熱いヴォーカルスタイルを考慮し、拓郎作品から選ぶとすれば「襟裳岬」をリクエストしてみたい。無理か。

定価937円、中古で100円。
頭の上にメトロノーム。なんだか、ちょっとカワイイ写真。

関連氷室
ACCIDENTS WILL HAPPEN」 エルヴィス・コステロのカヴァー


「たどりついたら雨ふりだけじゃなかった」HIROMITSU produced by ブラザー・コーン

お気づきのように、「HIROMITSU」とは鈴木ヒロミツのソロプロジェクト。おそらく90年代唯一の録音物だろう。

①たどりついたら雨ふりだけじゃなかった
作詞:Bro.TOM、作曲:Bro.KORN、編曲:OHA-YO! PLAYERS are Bro. KORN, Bro. TOM, Bro. SHELL & Bro. KEN KEN
バブルガム・ブラザーズのふたりによる作品で、彼らがコーラスも担当している。もうそれほど勢いのなかったふたりが、どうしてヒロミツのプロデュースを買ってでたのかは不明。まあ、アンサーソングの部類に入ると思うけど、う~んどうなんだろ。旬じゃない中年男が三人、肩組んで歌いながら悦に入ってる絵が見えるようで、辛い。

②たどりついたらいつも雨ふり(NEW VERSION)
編曲:OHA-YO! PLAYERS are Bro. KORN, Bro. TOM, Bro. SHELL & Bro. KEN KEN
新録。レゲエ・アレンジで。これまた勢いのなさが隅々までいきわたった、残念セルフカヴァー。

③④カラオケ

定価1000円、Amazonで新品を定価で購入。
黄色い傘の柄の部分にヒロミツの寂しげな顔。ジャケも残念な出来。


最後は、山崎ハコ盤。

①たどりついたらいつも雨ふり TBS系 横山やすし追悼ドラマ「俺は浪花の漫才師」主題歌
編曲:安田裕美
フォーキーで軽やかな演奏に、妙にあっけらかんとしたヴォーカル。山崎ハコってこんな明るく歌えるんだ、と20年以上前の知識しかない私は衝撃を受けた。「♪コーンコン、コーンコン 釘をさ~す~」のイメージで、森田童子や70年代中島みゆきと同じく「暗黒系」だと思ってたから。何度か聴くうち、この解釈もありか、と思えてきた。3つのカヴァーの中では、群を抜いてレベルが高い。編曲の安田裕美は、山崎ハコの配偶者であり、小椋佳、元モップスの星勝らと「フライング・キティ・バンド」として活動していた。ついでに言えば、前回の中島みゆき「杏村から」のアレンジも担当していた。

②夕陽が泣いている
作詞・作曲:浜口庫之助、編曲:安田裕美
ハマクラ作のヒットナンバー。オリジナルはザ・スパイダース、1966年。一応、GSつながりのカップリングか。モップスはいわゆるGS的な華やかさとはちょっとイメージがずれるような気がするけど、時代はGSだったから、芸能界でそういう扱いをされていたのかな。

③①のカラオケ

定価1000円、中古で500円。
なぜかタイトルは恐怖文字で。
すべてオリジナルアルバム未収録の、レア音源。でもダウンロード販売あり。



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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (祥)
2010-06-30 23:43:34
わわわわ…やっぱりこの曲いっちゃう~?
自分の読みがコワイ!
まさかフォーカードでくるとは思わなかったけどね。
ところで、アタシは今回のでいえば、ヒムロックとハコさんのが
聴きたいです。ハコさんは「夕陽が…」もよさげですね。
でもやっぱ3枚目はちょっと辛いかも。
なんでその人達に頼んだんだろうね。
それにしてもヒムロの「襟裳岬」は熱そう…。
早! (nakamura8cm)
2010-06-30 23:54:07
ん~また読まれたか…
この曲で4枚、我ながら感心しました。

あ、ハコ、ヒムロはYouTubeありましたよ~チェキ!

3枚目は今もAmzonで新品販売中。
本文で書いたとおり、まったくお薦めできませんが、いかがでしょう(笑)

Unknown (祥)
2010-07-01 02:44:28
おお、明日にでもハコ&ヒムロ、チェックしときます。

>いかがでしょう(笑)

結構でございます(w
どうもバブルのノリが苦手なので合わなそう…

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