失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「卒業~Top Of The World~」 平家みちよ 1998年

2017-03-25 | 
平家みちよの2ndシングルは、カーペンターズ日本語カヴァー。


①卒業 ~Top Of The World~
作詞・作曲:RICHARD CARPENTER/JOHN BETTIS、日本語詞:まこと、編曲:はたけ
説明不要の超有名曲。日本でもおそらく「イエスタデイ・ワンス・モア」に次ぐ人気曲で、日本語カヴァーも何種類か発表されている。シャ乱Qまことによる日本語詞はオリジナルの歌詞とはまったく無関係に卒業に絡めた別離がテーマ。原曲の軽快さとは対照的に、重たいリズムでドラマチックな別れのムードを演出している。ASYAN内シャ乱Q女性ロックボーカリストオーディション合格者としてデビューした平家さん。2枚目にしてこんなカヴァーでよかったんかい?よく知られているとおり、同オーディションの落選者を集めて結成されたのがモーニング娘。前の月にモーニング娘。はつんくプロデュースのメジャーデビューシングル「モーニングコーヒー」をリリースし、ASAYAN番組内でどんどん盛り上がりを見せていた時期。その後の社会現象とも言える快進撃はご存知のとおり。合格者であるはずの平家が「あれ?私脇役になってない?」と気づき始めたのはおそらくこの頃だろう。ヴォーカルスタイルは、よく言われるとおり優等生的で面白みに欠ける。当時モーニング娘。との比較でプロっぽいと評価されていたように記憶するが、今聴くとそれほど上手くもないし。思えばシャ乱Q内でのつんくとそれ以外の分岐点でもあったのだな。そんなわけで卒業ソングとして人々の記憶に残ることもなく、ひっそり忘れられていったカーペンターズネタ。原曲よりゆったり歌われているのに、3分10秒でサクッと終わるのが救い。

②支えてくれなくちゃ
作詞:まこと、作曲・編曲:はたけ
ロックボーカリストオーディション出身だったよね、そう言えば。と思い出させてくれるロックナンバー。力いっぱい声を張っているが、どことなく薄幸な雰囲気を感じるのはその後の運命を知っているからなのか。

③①のカラオケ

定価1000円、中古で108円。
ピンボケ&ブレのある逆光写真。アーティスト志向が見えるジャケット。


左右にオリジナル。THE CARPENTERS「TOP OF THE WORLD」は1973年のヒット。

左が「トップ・オブ・ザ・ワールド/デスペラード
右が「青春の輝き I NEED TO BE IN LOVE/トップ・オブ・ザ・ワールド

改めて過去記事を見てみたら「トップ・オブ・ザ・ワールド」についてほとんど何も書いていなかった。あんまりなので、ちょっとだけ。

トップ・オブ・ザ・ワールド TOP OF THE WORLD
(RICHARD CARPENTER/JOHN BETTIS)
カントリーフレイバーあふれるイントロから、カレンの一声で完璧なポップソングであることが分かってしまう。Aメロでの低い音域に落ちるところの慈愛に満ちた声が素晴らしい。これだけいい声だとヴォーカルを前に出したミックスになるのは必然。引くところは引くアレンジも完璧だな。サビではコーラスが加わり、世界のてっぺんから下界を見下ろす神の視点を獲得する。ポップなのにへヴンリー。聖と俗がハイレベルでスパークする3分間のマジック。彼らにとって「遙かなる影 (They Long to Be) Close to You」に続く2曲目の全米No.1ソングになった。




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