失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「Splendid Love」 Lip's 1990年

2012-07-27 | アイドル系
Lip'sの2ndシングル。

①Splendid Love
作詞:吉元由美、作曲:岸正之、編曲:清水信之
その筋の方々には人気の名曲。私はこの都市色さんの記事で知った。清水信之のアレンジがことのほか素晴らしく、イントロだけで名曲であることを確信できる。夏を感じさせる爽やかな音像は、達郎レベルのハイクオリティ。3人の声質は結構バラバラなのに、それぞれがあまり主張しすぎない絶妙のバランスで、素人っぽいなりにまとまりがある。アンニュイなAメロはちょっとオリジナルラブ「接吻」似?青春の焦燥感を余すところなく表現した怒涛のサビに、なすすべなく押し流される快楽よ!スプレンディッドでマーヴェラスでエクセレント。ほめポイントしか見つからないから仕方ない。

岸正之氏の回想によれば「この曲の編曲はぜひ清水氏でとディレクターに進言した」と。岸さんにとっても自信作ということなのだろう。結果は「上がりを聴いてやはり間違いなかった」。そりゃ、ここまでゴージャスかつ品よく料理してもらえれば、作曲者冥利につきるってものだろうさ。

②愛の予言
作詞:吉元由美、作曲:上田知華、編曲:清水信之
デビューシングル「愛の魔力」を手掛けた上田知華が贈る「愛の」シリーズ第2弾。こちらは元気でキュートなガールポップで、①のアダルトムードより彼女たちのキャラクターに合っているかもしれない。

定価800円、中古で400円。
全12ページのミニ写真集付き。このシングルまではCBS/SONY期待のアイドルユニットだった。次の「青い珊瑚礁~ブルー・ラグーン・ダンス・ミックス」で完全に踏み外したのは、時代が悪かったのだろうか。


「Splendid Love」には別ヴァージョンが存在する。

CBS/SONYが当時育てていたアイドルたち7人によるクリスマス企画ユニット「七つ星」。メンバーは、河田純子、田山真美子、中山忍、宍戸留美、加藤貴子、山本京子、吉村夏枝(楽天使+Lip's+宍戸留美)。写真下のハードカバーCDブック仕様のアルバム『聖夜七つ星』(1990)に、Lip'sの曲として「SPLENDID LOVE IN DECEMBER」が収録されている。タイトルどおり、舞台を夏からクリスマスに移し、吉元由美が新たに歌詞をつけたニューヴァージョン。「粉雪に閉ざされて風のキャロル聞いたね」「飛び出した街は星のクリスマス・イヴ」てな具合。アレンジも原曲と同じく清水信之なのだが、ライトなダンスミックスといった趣きで、残念ながらオリジナルの輝きに比べると数段落ちる内容となっている。

このアルバム、忘れなければ今年のクリスマスに再登場の予定。



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2 コメント

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Unknown (都市色)
2012-07-28 06:56:11
こんにちは。
拙ブログへのリンク、ありがとうございます。
そう云えば、Aメロは「接吻」に似ていますね。気がつきませんでした。
「splendid love」の方が早いですが。
改めて完成度の高い曲ですね。
もっとヒットしても良かったのに。
時代も悪かったですね。
Unknown (nakamura8cm)
2012-07-28 13:20:29
いやいや、お呼び立てしたようで恐縮です!
Aメロの件、何だろ絶対知ってる曲のはず…と3日ほど考えてしまいました。男の声だ、と気付いたらすぐ出てきました。そうか「接吻」は1993年ですね。
この曲をブログで取り上げている人はときどきいますから、今小ヒットしている感あります(錯覚?)

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