失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「スピード/キモちE」 真心ブラザーズ 1995年

2006-05-26 | 
8cmでスライ。

前回に続き比較的メジャーな8cmの、ちょっと渋いカップリング曲。

①スピード
作詞・作曲:倉持陽一
「だるい感じ~」とだるく始まり、アジっているかのような、ぶっきらぼうなラップへと続く。個人的には友人がカラオケで熱唱しているのを最初に聴いて、なんておかしな曲だ、と思っていたが、オリジナルを聴いてもやっぱりヘンだった。桜井秀俊のギターはちょっとプログレ風味。

②キモちE
作詞・作曲:忌野清志郎
~Family Affair
作詞・作曲:SYLVESTER STEWART

Guest Vocal & Sexy: YUKI(JUDY AND MARY)
Moog: 大野由美子(BUFFALO DAUGHTER)
Bass: フクチ
Percussion: 金野由之(ザ・カスタネッツ)
Drums: 須貝直人

YO-KINGとYUKI、この時点ではまだ夫婦ではなかったのかな。RCサクセションの「キモちE」を掛け合いでカヴァー。で、「Family Affair」は最後にちょこっとだけ出てくる。YUKIが「It's a family affair」のサビを繰り返し、YO-KINGが「CRAZY LOVE」のコーラスを重ねている。なぜかVan Morrisonのクレジットはなし。ファミリー・アフェア+クレイジー・ラブで「E!E!E!キモちE!」なんて歌われた日には、まわりのミュージシャンもさすがに照れてしまいそうなラブラブっぷり。冷めきった怒りを感じるスライのオリジナルとは対照的だ。
この曲は当時アルバム未収録だったが、その後編集盤に収録された。

③①のカラオケ

定価1000円、中古で100円。
ジャケはYO-KINGみたい。裏はギター持ってるので桜井さんみたい。
Ki/oon Sonyと言えばおなじみ、サンプラー・ディスク「MUSIC CATALOG Vol.9」付きの2枚組。ビンゴ・ボンゴとかモダン・チョキチョキズとか。

スライについても少し。SLY STONEことSYLVESTER STEWARTは、60年代終わりから70年代初めにかけて密度の濃いアルバムを連発し、ジミヘンのようにこの世からいなくなりはしなかったものの、その後のキャリアはほぼ無いに等しい「太く短く」タイプのファンク・ジャイアント。JB、P-FUNK一派、スティーヴィー、ジミヘン、ジョニ・ミッチェル等々、プリンスへ影響を与えたアーティストは少なくないが、ロックとの距離の取りかたなど、最も分かりやすいお手本は、スライだったかもしれない。
タイトなファンクのカッコよさは言うまでもない。しかし、何度も聴くと「Spaced Cow Boy」(ヨーデル・ファンク!)、「Runnin' Away」や「If It Were Left Up To Me」のような脱力系ファンクが、スライの真骨頂だと思う。代表曲「Family Affair」はタイトかつ脱力気味、という奇跡のような名曲。



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