「ストレイト・アップ」 ポーラ・アブドゥル 1988年

"Straight Up" Paula Abdul(1988)

オリジナルリリースは88年、日本でのシングル化が89年。
デビューアルバム『Forever Your Girl』（邦題：あいつにノック・アウト）からのこの3rdシングルで大ブレイク。日本では、5thシングルとしてカットされた「Cold Hearted」とのNo.1シングル同士のカップリングとしてリリースされた。

マイケル＆ジャネットを含むジャクソン・ファミリー、プリンス、デュラン・デュラン、ジョージ・マイケルなどなどのコリオグラファーとして、MTV全盛期を裏方として支えたポーラさん。88年というMTV黄金期の終わりかけにギリギリ滑り込み、ヒットを連発した。振り付けを担当した上記のアーティストたちに比べれば、明らかにスターとしてのオーラが欠如していたが、ダンスをメインに押し出していく姿勢に、ある意味潔さを感じた。
「アブドゥル」って変わった名前だなあ、と思っていたがユダヤ系らしい。

①Straight Up　
(E. Wolff)
曲としてはバリバリの80年代サウンドのダンスナンバー。やはりこの人はビデオ抜きには語れない。白黒の粗い映像、いきなりタップダンスから始まる。キレキレのダンスは、ジャネットを担当してたと聞いて、なるほどねぇと納得の動き。どこか愛嬌のあるファニーフェイスや、コンパクトな体型も、ジャネット似だし。

②Cold Hearted（邦題：冷たいハート）
(E. Wolff)
ほぼ①と同じ路線。ビデオは明らかに予算大幅アップで、ポーラさんのシースルーの衣装にも自信と勢いを感じる。あからさまにセクシャルなダンスを繰りひろげるダンサーたちのパフォーマンスに、背広にメガネのお偉いさん方が口をあんぐり開けながら眉をひそめる、というMTV時代にありがちだったシチュエーションのクリップ。

定価1000円、中古で52円。
この手の女性アーティストをほっとけない性分なのか、殿下はやっぱり一曲提供している。『Spellbound』(1991)収録の「U」って曲。

現在は、2002年から続いている人気オーディション番組「アメリカン・アイドル」の審査員として本国では人気みたい。歌手としては1995年以来、休業状態のようだ。今年リリースされるベスト盤のタイトルは『Straight Up！』。