札幌の街の弁護士 中村憲昭のブログ

2000年登録の札幌の弁護士,中村憲昭のブログです。交通事故,離婚相続等個人事件のほか,中小企業のニーズにも対応します。

弁護士のレベル

2017-08-30 10:55:33 | 日記
 ちょうどお盆前の8月8日から10日までの3日間、日弁連会館で行われた、刑事弁護法廷技術研修に参加してきました。


 


 これは、ある事例をベースに、7,8人のグループに分かれて、法定弁護技術の実技を行ったりする研修です。

 内容は以下のとおりで、実際の事件を受任してから、公判に挑むまでを大づかみすることが出来るものでした。

  1 ケースセオリーを構築するためのブレーンストーミング
  2 冒頭陳述の実演
  3 主尋問1(基本)
  4 反対尋問2(物や書証の示し方)
  5 反対尋問1(基本)
  6 反対尋問2(弾劾のテクニック)
  7 弁論
  8 まとめ

この膨大なカリキュラムを3日間でこなすわけです。
最初に講師のレクチャーがあり、その後実演という流れですが、分野によっては検察官役をやったり弁護人役をやったりするので、1つの事件でありながら、2回模擬裁判を体験したかのような内容の濃さでした。


 実は私は、裁判員裁判が発足する前の年に、アメリカから講師を招いての第1回NITA研修(National Institute for Trial Advocacy)に派遣されたことがありました。
 フルコースの法廷弁護技術研修は2回目だったのですが、第1回目の時よりも内容が洗練された印象を受けました。


 今回分かったのは「聞くのとやるのとは大違い」ということです。
 今回の研修に参加していた受講生は若手中心。
 札幌からは、私も含め10年、20年選手が4名も参加しました。
 私は札幌では講師をさせられる立場でもあり、弁護技術そのものについてはそれなりに勉強しています。
 今回の研修でも、テクニックを数えてみるとそれほど多くもないし目新しくもないのですが、実際にやってみるとボロボロでした。


 私の尋問の時の癖としては、欲しい回答が得られると、次の質問の前に「はい」と言ってしまうようです(しまうようです、ではなく、ビデオで確認したので、実際にその癖はあります)。
 1回2回であればともかく、講師の方々は講評を述べる際きちんと数えていて「大体98%の質問に『はい』と言っていましたね」「30個の質問のうち23回『はい』と述べていました」と指摘され、とても恥ずかしい思いをしました。
 研修を経るにつれ数が減っていったからいいってもんじゃない。ノイズはなくさないと。



 それにしても、弁護士17年目になると、そもそも人から評価される機会がほとんどありません。心の中で思ったことがあったとしても、それを伝えてもらえることはほぼありません。
 常に自分の弁護活動を磨いてゆかないと、いつの間にか独善的なやり方に凝り固まってしまうなと再認識出来た3日間でした。


 最後のタイトルについてですが、弁護士の技術レベルは、努力している人と努力していない人とで大きな差がつくのだろうなと今回あらためて思いました。
 基本的に事件の勝ち負けは事件自体の筋で決まるというのが持論ですが、事実を争う事件だと、弁護士の能力によって勝敗が決まることも間違いなくあると感じました。
 悔しい思いをしないためにも、努力が必要です。


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法テラス様最高!!(ネガティブ思考が嫌な方はお読みにならない方が得策です)

2017-08-24 17:16:02 | 日記
 普段からとても素晴らしい判断をして下さる法テラス様から、素敵な報酬決定をいただきました。

 弁護士になってそろそろ18年目に突入しようかという今日この頃。
 人よりは一生懸命刑事弁護に打ち込んできたつもりです。

 
 今回の事件は、詳細は明かせませんが、被害者にもお許しいただき、被害届を取り下げていただいた事件でした。
 その甲斐もあり、勾留されたものの、満期をまたず、4日目に処分保留により釈放してもらえた事例です。
 最終的には、被害者が処罰を望まないどころか、処分しないで欲しいと述べてくれたため、不起訴で終わった事件でした。
 事案としては、起訴される可能性も十分あった事例です(詳細は書けませんが)。



 罰金さえも科されず、勾留もわずか4日ですぐに釈放される。
 これ以上ないくらいの成果でした。


 で、この事案でいくらの報酬決定がされるか、いろんな意味で楽しみにしていたのですが、今日、報酬決定が来ました。

 

 58,011円だそうです。


 法テラスの職員さんに計算の根拠を確認したところ、とても丁寧に教えてくれました(現場の人は悪くありません)。



 基礎報酬は、勾留が4日間と短かったため、4日分として減額されたそうです。26,400円。


 で、勾留4日間だと1日接見に行けばよいところ、多く接見したので1万円加算だそうな。ヤッター(棒読み)


 さらに、被害弁償の関係は、清算条項が記載されていないので和解成立の報酬加算ではなく、あくまでも実質的損害賠償に留まるとして、2万円。
 消費税の調整も含め、前記の金額になるそうな。



 真夜中の目撃者からの聴き取り? 加算対象には該当しません。
 
 早期の身柄解放は、むしろ減額理由だそうです。



 法テラス様は、期待を裏切りませんね。
 いや、期待以上のクソ決定でした。

 大した加算はされないと思っていましたが、まさか減額されるとは。


 法テラスの報酬算定基準は、裁量の余地が全くない硬直化した基準です。
 基準をお作りになったえらーい人が、「裁量に委ねたら弁護士の報酬決定に恣意が生じ、不当な干渉を招く」ということで、原理主義的な融通の利かない基準にしたそうです。
 
 裁判所や司法官僚は悪で俺様が正しいという思考。
 最高というほかありません。


 個別に異議申し立てをしても、基準に当てはめるとやむを得ない、で終わりです。
 これまでも腹の立つことは多かったですが、本気で法テラスからの脱却を考えなければならないと思いました。
 経営的にも法テラスには依存していませんしね。


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マンネリ化防止

2017-08-21 16:02:30 | 日記
 前回の記事から5か月以上、ブログを更新していませんでした。
 ツイッターではある程度政治的なことを、FBでは友人限定で日常的なことをつぶやいているので、ついつい放置してしまいました。
 ブログだと、ある程度まとまったことを書かなきゃというプレッシャーが掛かりますね。


 実は、今年は例年と違うことをやろうという目標を立てました。
 FBを見ていると、「昨年の今日はこんなことをしていましたよ」というお知らせが届くのです。
 それを見ていると、毎年同じことばかりやっているなと。


 もちろん、安定した生活というものも悪くはないのですが、同じことを毎年繰り返していると、年を重ねたという自覚のないまま高齢者になってしまうのではないかという不安を感じたの事実です。
 それで、昨年の秋ころから、生活に変化を求めて動こうと考えて居ました。


 で、年始に、公私問わず、20個くらいの目標を掲げました。
 手帳に書いて、目標を達成したらマーカーで塗りつぶす、ということをやりました。


 で、お盆を過ぎた今、そのうち7個は達成出来ました。
 残りの目標は、「ピザ釜制作」「サウナ施工」といったプライベートから、「イソ弁の雇用」といった業務に関することまでいろいろあります。
 これらは数年後の実現に向けて努力します。


 既に達成、ないし着手した目標は、「ロシア語講座を受講する」「クレジット決済導入」「弁理士登録」「猟銃免許、狩猟免許を取得する」「海外旅行に行く」といったもの。
 さらに、狩猟には無線が不可欠だろうといわれ、4級アマチュア無線の資格も取りました。

 札幌弁護士会では3人目の猟師です。
 他の単位会と比較したら、多分多いでしょう。


 せっかくだから、ハンティングチェアも作りました。
 NORMARKというノルウェーの会社のハンティングチェアが格好良くてほしかったのですが、高いなと。
 ならば作ってしまえと。

 

 うーん、また画像が倒れてる。直せません。


 
 若干遊びに偏った目標ばかりが達成されてしまいましたが、日常のマンネリ打破にはなかなか良い刺激となりました。
 資格を取得するのは久々でした。
 たまに人から何かを認めてもらうのも良いものです。

 
  
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弁理士登録!

2017-03-13 11:48:42 | 日記
 先日から登録申請をしていたのですが、ようやく3月8日付で弁理士登録が完了しました。





 
 うーん、なぜかアップする写真の向きがおかしいですが、直し方が分からないのでこのままにします。


 弁護士資格を取得すると弁理士登録も出来るので、今回何か特別に習得した技能があるわけではありません。
 ですから、弁理士としての能力は現時点ではゼロに等しいのですが。


 ただ、昨年来、商標や特許絡みの相談が複数件続いたこともあり、また今年は公私ともども変化を求めていることもあり、弁理士登録をしてみようと思い立ったわけです。
 質の悪い弁理士による、知的財産権の濫用とも思える事案に接したこともありましたしね。



 というわけで、当面は弁理士スキルのインプット、及び商標権・意匠権についての紛争事案が中心になろうかと思いますが、細々と業務範囲を広げてゆきたいと思います。


 中村憲昭法律事務所

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ロシア人船員おとり捜査再審事件は即日無罪確定しました。

2017-03-08 13:46:35 | 日記
 私が弁護団に加わっていた表記事件ですが、昨日無罪判決が下されました。
 

 ロシア人男性に再審無罪時事通信

  
北海道小樽市で1997年、拳銃と実弾を所持したとして、銃刀法違反罪で実刑が確定し、服役したロシア人元船員アンドレイ・ナバショーラフさん(47)の再審判決が7日、札幌地裁であった。中桐圭一裁判長は無罪を言い渡した。
 ナバショーラフさんは「違法なおとり捜査だった」と無罪主張し、再審を請求。昨年3月に認められた。おとり捜査の適否が焦点となったが、再審公判で検察側は証拠調べを請求せず、無罪を求めた。判決は捜査の違法性については一切触れず、判断を示さなかった。検察は7日付で無罪判決に対する上訴権を放棄。逮捕から20年近くを経て無罪が即日確定した。
 中桐裁判長は、再審決定に至る経緯を詳細に説明した上で、「検察側が弁護側の主張に一切反論せず、有罪立証を放棄した」と指摘。ナバショーラフさんが拳銃を持ち込んだ自白はあるものの、補強する証拠はなく「犯罪の証明がない」とした。

 弁護側は最終弁論で「確定審でどのような誤りがあったのか明らかにすることが不可欠」と主張。道警の違法なおとり捜査や、組織ぐるみの隠蔽(いんぺい)工作があったことを判決が認定するよう求めていた。
 ナバショーラフさんは、97年11月に小樽港で拳銃と実弾を所持したとして逮捕された。公判で「道警の捜査協力者が取引を持ち掛けた違法なおとり捜査だ」と無罪を主張したが、札幌地裁は98年、懲役2年の実刑判決を言い渡し確定した。
 しかし、捜査に関わった元警部が2002年に覚せい剤事件で逮捕され、自身の公判で「違法なおとり捜査があった」と証言。ナバショーラフさんは13年、再審を請求した。
 札幌地裁は16年3月、おとり捜査の違法性を認め、再審開始を決定し、検察側が即時抗告。札幌高裁は同年10月、捜査の違法性については判断を示さなかったが、元警部らが捜査協力者の存在を明記しないなど、虚偽の捜査書類を作成したことを理由に再審を認めた。
 北海道警刑事部の外崎雅洋参事官は「判決を真摯(しんし)に受け止め、今後の捜査に生かしてまいりたい」とコメントした。(2017/03/07-19:43)




 判決前ではありましたが、既に無罪判決が出ることが分かりましたので、この件については前回のブログでご報告いたしました。
 今回は、裁判所がどこまで違法捜査の実態に踏み込むか、が(法律上ではなく事実上の)争点でしたが、正直不満が残りましたね。


 ご存じのとおり、日本の刑事裁判においては、検察官が犯罪の事実を立証する責任を負っています。
 逆に言えば、検察官が立証をしなければ、弁護人が反論するまでもなく無罪判決が下されます。


 今回検察官は、再審公判において証拠を一切提出しませんでした。
 
 NHKのニュースを見てとても腹が立ったのですが、検察官曰く、「自分たちが立証しなかったから無罪になったと認識している」のだそうです。


 もちろん、無罪だと判断したのであれば、早期に刑事手続から被告人を解放してあげるのが相当です。
 ただ、違法捜査を行った元警察官の証言は、15年以上前に既に明らかでした。
 事件から約20年ですが、15年ほど前には既に、違法なおとり捜査が行われていたことを裏付ける証言が既に出ていたのです。


 検察官は「道警組織としては違法捜査を知らなかった」として、開始決定に対して抗告までして徹底的に争ってきました。
 あくまでも現場の一警察官の不祥事に過ぎないのであって、警察組織も検察庁も悪くないといわんばかりの態度です。
 警察官らが口裏合わせをして、捜査協力者の存在を隠そうとしたことも問題はないと主張しました。
 検察審査会が、組織的に隠ぺい工作を図った警察官らを起訴相当と判断した時も、起訴しようともしませんでした。



 我が弁護団の岸田洋輔主任弁護人は、弁論でこう呼びかけました。
 今回の事件は、単なる一警察官の不祥事ではないと。
 ましてや、警察組織の不祥事にとどまるものでもなく、法曹三者の問題だと、そう述べて、自分たちも含め、ここまで名誉回復が遅れたことを反省しようと呼びかけたのです。


 それに対する検察官の回答が「自分たちが立証しなかったために無罪になったものと認識している」です。


 弁護団としては、捜査機関を糾弾するという考えはもっていないので、あくまでも私個人の感想になりますが、この国の検察官は、刑事訴訟法が目的として掲げる基本的人権の保障も、実体的真実の発見も関心がないようです。


 彼らの考えているのは、単なる組織防衛でしょうね。
 そうじゃないというのであれば、なぜあのようなコメントになったのか、なぜアンドレイさんに謝罪の言葉一つないのか、教えてもらいたいものです。


 怒りのコメントでした。


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