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深読み探偵大神空也 ふぁいる三十 研究成果は?

2007-12-19 23:14:28 | 深読み探偵 大神空也
「研究成果がフィードバックされてないようだな」
 新聞を読んでむむと顔を顰める大神。
「それとも、これもまた何かの実験なのか?」
「どうしたんですか?
 何か新商品開発の記事でも」
「おお、ユリ君か、まあこの記事をまずは見てくれたまえ」

T○Sが視聴率低迷にあえいでいる。テレビの週間視聴率では、ベスト30に2番組しかなく、看板のドラマは平均視聴率が1ケタ台に落ち込むほどだ。
 これには、TB○の井上弘社長が、12月5日の定例会見で、「今クールは早く終わってくれないかなと思っている。視聴率表を見るのが憂鬱」と嘆いた。


「T○Sと言えば、ミク騒動なのでも、世論誘導実験をしていると推測したが。
 その大衆操作に長けているはずなのに、この体たらくはどうしたことだ。
 どう読む?」
「え~と、ただ単に面白くないのでは」
「浅い、浅すぎるぞユリ君。
 それでも深読み探偵の助手か。
 ならば、バイト、君はどう読む?」
「ボクッすか。
 う~ん、わかいないっす」
「少しは考えてよ」
 椿にはあっさり肩透かし、ちょっと落ち込む大神。
「で、洞察力に優れた所長はどう読むんですか?」
 可哀想に思ったのか、やっぱり助け船を出すのはユリ。
「仕方ない、教えてやろう」
 す~ぐ、誇らしげになる大神に、可愛い人だと思ってしまうユリでした。
「例えばこんな例がある。
 日本一まずいラーメン屋。
 普通なら流行らないのだが、逆に興味を持たれて流行った」
「え~と、つまり」
「日本一つまらないテレビ局だと、名を売ることで却って視聴者を惹き付け
見て貰おうとする。
 これもまた、民衆心理を逆手に取った戦略なのだよ。
 説くにあの社長の言葉。
 如何にも、負けましたと同情を誘う言い方。
 間違いないな。
 つまり、金を掛けなくても視聴率を稼ぐぞ計画なのだ。
 恐ろしい、連続で使える手ではないが、たまに使うことで、話題を攫い、
 お金も節約出来る。
 やはり、○BSは恐ろしい。
 漫然と見ていると誘導される。
 視聴者は、常に疑いと対決姿勢を持ってテレビを見ないといけないな」
「はいはい。テレビくらいはリラックスしてみたいもんですね」
「ボクは、元々テレビ見ないっすから関係ないっす」
「「えっ」」
「テレビ見るより、現実の方がワックワク」
 椿は、にっと笑うのでした。

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