仲間

大学の部活仲間と会った。

８年前に会ったときは、
皆、環境はいろいろ変われど
外見は何も変わってなくて驚いた。

なので、今回も恐らく変わってないだろうと
身支度に細心の注意を払った。

どうしても歳はとっている。

変わらない妖怪連中を前に
あちこちボロが出ないようにね。

会ってみるとやっぱり変わっていない

この人たち、
本当に妖怪なんだと・・・


・・・でもね


中身はみんな変わっていた。

２人がガンサイバーになって
生死をさまよっていた。

ここに来られたのも奇跡のようで
半年前なら二人とも抗がん剤治療で
外見は随分違っていたらしい。

他にも精神を病んでいた奴らや
日々、孤独に過ごしている奴ら。

みんなそれぞれ
会うのにかなり気合を入れて来ていた。

私だって学生の頃に比べて
すっかり自信を持てなくなってる自分が
うまく話を合わせられるか
ちょっぴり不安でもあった。

あの頃は本当にみんな無邪気だったから。

毎日、有り余る時間を
部活に専念したり、
遊んだり。

みんなでお腹を抱えて笑いあう日々。

２０数年後の自分達が
こんな状況になっているなどと
想像もせずに。

それが若さで、
本当に本当にかけがえのない
時間だったんだ。

皆でたむろしていた家の住人は
すでに他界してしまったし、
時の流れは残酷である。

でも、こうして病気と闘いながらも
再会に漕ぎつけたこと。

いろいろな葛藤の中
会いたい気持ちが勝ってくれたこと、

ありがたい・・・
本当に・・・

今は完治に向かっている二人。
それだけでも神に感謝だ。

あまりにも素敵な奴らだったから、
みんな目いっぱいの見栄を張って
来てくれたんだ。

私の大切な大切な仲間たち。

又の再会に向けて、
私も見栄を張り続けていこうと思う。